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蓮の翼(18)

SIDE REN

啓国に入ってから元気が無いキョーコ。
蓮国内を意気揚々と旅する姿に「俺が心配してるとか、思わないのか?」と腹が立ったけれど、しょぼくれる姿を見れば心が痛む。政務の合間を縫って彼女の所まで飛んでゆき・・・気付かれないよう、少し離れた場所からその姿を確認するだけ、という状況にそろそろ俺自身が耐えられなくなってきた。

それに、彼女には奏江の他に、五枚翼の将軍を1人と、近衛軍の精鋭100名を近くに控えさせ警護に当たらせていて・・・他国にそれだけの戦力を置いておくのは政治的に良くはない。だから、彼女が旅をする理由は気になるけれど、そろそろ迎えに行く頃だと思っていた。そんな時、奏江から、

「蓮妃様が蓮王様の元に行きたいと言っておられますので、これからお連れします」

と連絡が入った。啓国に入ってから沈んだ顔をしていたキョーコ。

(少しは俺に会いたいとか、恋しいとか・・・思ってくれた?)

少し期待しながら、俺は自らキョーコの元に駆けつけることにした。


SIDE KYOKO

「蓮王様の所に・・・連れて行って?」

そうモー子さんに頼んだら、あっという間に部屋に大勢の女性たちが雪崩れ込んできた。この人たちは何!?と思っていた一瞬で、モー子さんがさっき着せてくれた上着は持って行かれ、新たに、丈や袖の長さが様々な上着を何重にも体に重ねられ、ウエストを帯で締め上げられ・・・私は古代中国風のお姫様に仕立てあげられた。

「蓮王様がこちらまで出迎えに来られるそうです」

モー子さんに恭しく告げられる。覚悟を決めたはずなのに・・・逃げ出したくなってしまう。約一カ月ぶりに会う敦賀さん・・・どんな顔をして会えばいいのか・・・彼はどんな顔をするのか・・・

(どうしよう・・・マジ怒りしている敦賀さんしか想像できない。怖い・・・でも、逃げちゃダメ)

「あの、蓮王様はどれくらいで・・・」
「キョーコ、帰るよ」

(うそ!まだ5分も経ってない!)

部屋の扉を明けて敦賀さんが入ってきた。モー子さんを始め、部屋にいる全員が敦賀さんに対して膝まずく。私も慌てて同じようにしようとしたら、

「キョーコは立ったままでいい」

そう言ってゆっくりと近づいてくる。とても優雅な身のこなしです。流石ナンバーワン俳優・・・じゃなくて、正真正銘の高貴なお方の・・・満面の、えせ・・・しんしすまいる。

「随分楽しく旅をしていたみたいだけれど、急に様子が変わったね?どうしたの?啓国は、想像していたのと違ったのかな?」

(ま、まるで見ていたみたいな・・・)

「まるで見ていたみたいだとか思った?そうだよ、だって俺の翼なら隣国までだって一瞬なんだから・・・毎日、君の顔を見に来ていたんだよ?」

敦賀さんの笑顔が益々キュラキュラしてきて怖い。思わず、ひぃっ、と小さく声を上げてしまったら、

「何かな?その反応?どれだけ・・・俺が心配したか・・・分かってる?」

「蓮妃」の価値を理解した今なら、自分の行動が周囲に及ぼす影響の大きさがわかる。

「は、はい。私・・・「蓮妃」がどうゆうものか良く理解できていなかったんです・・・ごめんなさい」

そう、私は「蓮妃」というのもが、どれだけこちらの世界の人達にとって影響力があるのか、もう知ってしまった。それを知らなかった事にするには大きすぎる役目がある。私は、これから籠の鳥になる。それでもいい。『蓮妃』という役を・・・人生を・・・演じきってみせる。昨夜、決心した事をもう一度心の中で繰り返した。


SIDE REN

再会の時にキョーコが嬉しそうな顔をしてくれれば全て水に流せる自信があったのに。彼女は俺の姿を見て怯えている。

(気に入らない・・・嫌味の一つも言いたくなるじゃないか!)

でも、彼女の「ごめんなさい」の一言で、一気に気持ちが反対側に振り切れた。「彼女は彼女なりに反省している」それだけで、俺は満足してしまう。そうして、夢中で彼女を抱きしめた俺の胸を占めるのは、彼女と無事再会できた喜びだけだった。


***

王宮の外殿、朝議の間では、官僚や将軍など国政にかかわる者が「蓮妃」の到着を今か今かと待っていた。

「キョーコ、疲れているとは思うけど、ほんの少しでいい・・・君の無事な姿を、官僚らに見せてやってくれないか?」

そう聞いてみると、

「私は、大丈夫です。皆さんにご心配をおかけして・・・本当に・・・無責任だったと思っています」

キョーコは見事なまでの反省ぶりで、せっかくの可愛い顔は殆どずっと下の方を向いたままだった。俺が何度「もう怒っていないよ?」と繰り返してもあまり効果がないようで・・・でも、蓮妃としての自覚が芽生えたからこその態度だと思うと、そんな元気の無い姿もまた愛しくて。

(今夜はどうしてくれようか・・・)

昼間から、そんな考えが浮かんでしまい、自嘲してしまう。彼女はさっき啓国から王宮に着いたばかりだ。今日は、皆に顔見せをし、その後には、後宮を一通り案内されて、きっと初めての事ばかりで、くたくたに疲れてしまうはずだろう。それに、昨日から体調があまり良くないらしい。ゆっくりと休ませてあげるべきだ。つらつらと考えている内に、朝議の間へと続く控え室に到着する。

「この扉を開けると皆が控えている。少しの間だけ、なるべく明るい顔をしてくれないか?キョーコ」

そう言うと、彼女が一旦、瞳を閉じて・・・顔を上げたときには自信に満ちた、艶やかな笑顔を湛えていた。その雰囲気の変わりっぷりに、

(なんだか・・・演技が始まって、役が憑いた女優みたいだ)

そう思ったけれど、彼女は実際、端役ながらも女優業もこなすタレントだったしな、と深く考えずに流してしまった。


***

----夜。結局、俺は後宮のキョーコの寝室に押し掛けてしまっている。

(疲れているのは分かってるんだ・・・でも・・・無理はさせないからお願い・・・もう限界)

俺の訪問に彼女は驚いた顔をしたけれど、俺は素早く寝台に押し倒して口づけを開始する。キョーコは、最初こそ目を見開いて、からだを硬直させて震えていたけれど、でもそれは一瞬だけで。直ぐに、静かに眼を閉じて、大きく息を吐いたかと思うと、体から力を抜き去って俺のなすがままにされている。

(これは同意ってことだよな?)

キョーコに文句や不満を言われる事を覚悟していた俺は、彼女の事をどれだけ心配していたか、そして、どれだけ愛しいと思っているのかを訴えて、合意を取り付けるつもりだった。それでも、少しでも本気で嫌がる素振りがあれば、今夜は口付けだけで我慢して、すぐに引き下がるつもりだったのに・・・簡単に受け入れられてしまい・・・すっかり舞い上がってしまった。

「もしかして、君も俺が欲しかった?」

そう尋ねても彼女からの返事はない。けれど「沈黙は肯定」これは、彼女も良く知るはずのルール。もう、それからは止まらない・・・止まらなくていい。キョーコの吐く呼吸が徐々に乱れ、ついに

「・・・あっ・・・ぃやぁ・・・」

切ない声が耳に心地よく響きわたる。

「もっと・・・もっと・・・かわいい啼き声を聞かせて?愛しい愛しい俺の小鳥」

彼女の耳元に、体に染み込むようにと囁いてみる。結局、明け方に本物の鳥の声が聞こえてくるまで、俺はキョーコを啼かせてしまい、流石に自分の酷い仕打ちに自己嫌悪に陥ってしまった。




現在、Agren時間も明け方近いです。夜中に書き上げた文章をそのままアップする危険は重々承知していますが・・・何事もイキオイが大切なのです。誤字脱字チェックは十分したつもりですが、明日の朝、起きてからまたやります。ごめんなさい。イメージで読んでくださいませ・・・。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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