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蓮の翼(16)

SIDE KYOKO

やっと啓国との国境まで辿り着いた。

こちらに来てもう一カ月位。日本は1月後半になるのかな?でも、帰る時には、ちゃんと同じ「時間」と「場所」に戻れるって・・・。そうなると・・・帰るのは翼人界に来る直前に居た敦賀さんのマンション?それとも・・・マンションからちょっと離れた空中に戻されちゃうの?

(それはそれで・・・・困るよ)

でも、こっちの国王様って、一般翼人とは違うお力を持っていそうだから・・・相談したら何とかしてくれるでしょう!旅は超順調だし!きっと何もかも上手くいく!!

(----とにかく全ては啓王様に会ってから。啓国の王都を目指してこのままGO!)


SIDE KANAE

啓国に入って3日目。いつも明るい蓮妃様が暗い表情をしている。

「「ルリコ」どうしたの?人形が売れなくてがっかりした?」

蓮妃様の人形劇は相変わらず好評だけど、人形はそんなに売れなかった。何故なら啓国の王は四枚翼だから。

「どうして・・・こんなに啓国の人達は貧しいの?」

「当たり前でしょ?」

「ごめん・・・分からないよ・・・」

「だって、啓国の王は四枚翼だから」

それでも不思議顔をする蓮妃様に、あぁ、と納得がいった。人間界で生まれ育った蓮妃様には、国の豊かさが国王の翼数と大きく関係するなんて・・・分からないんだ。

「あぁ、ほら。啓国は三枚翼の王が何代か続いて・・・四枚翼の王になってまだ2代目でしょ?それに比べて、蓮国は随分長い間、五枚翼の王が続いたし、現蓮王様なんて六枚翼だから。国王の翼数は、そのまま国の豊かさに繋がるから・・・」

「・・・そう、なの?」

私は、翼一枚の価値を説明し始めた。蓮妃様は私の話を聞いている内に顔が蒼ざめて・・・

「翼が『ある』と『ない』は大きな違いだし、『一枚』が『二枚』になれば倍だけど・・・『四枚』と『五枚』、 『五枚』と『六枚』じゃ、そんなに違わないのかと・・・思ってた」

翼の数が少ない程、翼の数の差が大きいと思われてたみたい。でも、それは大きな誤解。

「何言ってるの!?その反対よ。もう「ルリコ」ってば、どこの田舎娘なのかしら?翼一枚なんて、無くったて一緒。でも、『三枚』以上になると、その差は指数関数的に広がるのよ?」

「そう・・・」

私達にとって、王の翼数によって国の豊かさが違うのは当たり前だけど、蓮妃様には理不尽に思えるのかしら?

「でも、安心しなさいよ。啓国には「啓妃様」が出産された五枚翼の皇太子の他にも五枚翼の弟君に、四枚翼のお子様もおられるから。数年先の新王への代替りを切っ掛けに、この国は豊かになっていくわ。だから「ルリコ」がそんなに心を痛める必要はないのよ?」


SIDE KYOKO

啓国に入って、街が寂しくなった気がしていた。
でもそれは気のせいではなくて、2日目、国境から少し離れた場所まで来ると街の様子が一変していた。

家が小さく、殆ど1階建で、2階建ての建物がよく目立つ。
(蓮国には10階建以上の建物すらあったのに・・・)

みんな、簡素な服を1、2枚羽織っているだけで、なんだか地味。
(蓮国では、みんなオシャレを楽しんでいたわ・・・)

大人も子供もみんな痩せている。
(蓮国には、翼があっても、その体じゃ飛べないでしょ!?って人がいた・・・)

移動は馬車か人力車。
(蓮国では、浮いて移動する不思議な「箱」があったのに・・・)

市場らしき場所にいっても、物も少ないけれども人も少ない。
(これに比べたら、蓮国は町中が万国博覧会だわ・・・)

それでも、街の人たちの表情が明るいのだけは救いだった。私が人形劇をすると夢中になって笑ったり、怒ったり、上演がおわると、歓声が沸き起こり・・・人形こそ買っていかないけれど、小銭をちゃん渡してくれる。

私が、他国の王様に会いに行きたいと行った時、「だるま屋」の女将さんが、三枚翼の王が治める「橋国」ではなく、啓国を勧めた事を思い出す。

(啓国の王は四枚翼だけと、四枚翼の方々が結構いらっしゃるし、何より「妃」がいらっしゃて、五枚翼のお子様が2人もいらっしゃるから、人の心に『希望』があるんだよ・・・)

あの言葉、裏を返せば、難民が出るほどの惨状「橋国」、その民には希望すらないってことだ。

「ねぇ、モー子さん・・・豊かな国は、貧しい国を援助とか・・・しないの?」

「もちろんするわよ!?蓮国は毎年のように食糧を送っているわよ?」

「橋国にも?」

「ええ。本当はそうゆう援助は隣国にしかしないんだけれど、蓮王様は慈悲深い方だから、橋国の惨状にも心を痛めておいでで・・・でも、あそこは・・・焼け石に水・・・駄目なのよ・・・。」

モー子さんも、女将さんと同じように暗い顔をしている。違う国だとしても同じ翼人同士、心が痛まないはずがない。

「でも・・・蓮王様は「蓮妃様」を迎えられたもの。もし蓮妃様が、六枚翼のお子様を沢山お産みになられたら・・・五枚翼の妹君を橋王のご側室にする事を考えるって。それで根本的に解決をはかるんだ、っておっしゃってた・・・」

私は、モー子さんの言葉を聞いて・・・呼吸ができなくなってしまった。




キョコさん、責任重大。

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プロフィール

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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