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蓮の翼(10)

SIDE KYOKO

「分かりました・・・一緒に蓮国に行きます」

戸惑うように、でも決心した、という風に言ってみる。私だって一応、演技の勉強はしていたから・・・今が、その成果を発揮する勝負の時!頑張るのよ、キョーコ!!とりあえず従うフリをして隙を探さないと・・・。

「でも、蓮国に行くのを3カ月、待って貰えませんか? ちゃんと高校を卒業したいです。そしたら必ず・・・」
(その間に、ゆっくり逃げる方法を考えればいいわ・・・)

そう、お願いしてみる。

「ごめん・・・本当は「いいよ」と言ってあげたいけれど・・・君は追われているから直ぐにでも蓮国に連れて行きたい。でも、なんとかして、君が母親と話す時間は作ってあげる」

(追われてる?)

そう思ったけれど、私はこれ以上、この不思議な話を続けたくはなかった。母に会わせてくれるのなら、そこで逃げるチャンスもあるはずと思う・・・とりあえずそれで十分だから。

***

「お腹が空きませんか?」

そう言って、話題を無理やり変えてみた。すると、

「俺は、こちらの世界風に言うと「霞」を食べて生きているから、食事は不要なんだ。でも、キョーコには必要だよね?何かあったとは思うから、見てみるよ。」

そう言って、敦賀さんがキッチンに向かっていった。

(敦賀さん・・・異常に食が細いと思っていたけれど「霞」を食べてたんだ・・・)

妙に納得してしまう。私もとりあえず服装を整え、敦賀さんを追ってキッチンへ向かう。

「温めるだけのスープ缶があったから、それを準備するね?」

敦賀さんが「キョーコの為に俺にやらせて頂戴?」と言うから、私はリビングで待つことにした。それにしても・・・広い部屋。タワーマンションの最上階、ワンフロアを全て使っているなんて、セレブだわ。あぁでも、国に帰ると王様なんだ、って言ってたわよね・・・。

(国王様とかそういう類の人たちは、こうゆう高いところから街を見下ろしたりするのが好きなのかしら?)

私はふと、この部屋の窓から見える景色に興味が湧いて、ベランダに近づいてみる。すると、

「キョーコ!窓の側に近付くんじゃない!!」

敦賀さんの怒声がキッチンから飛んできた。私はビックリして敦賀さんの方を振り返ったら・・・いきなり背後から手が伸びてきて・・・その腕に羽交い絞めにされたかと思ったら、強い力で引っ張られた。

(----何!?) 

一瞬、目の前がスパークし、次の瞬間、私の足がするりと窓を通り抜けるのが見えた。そうして、あっという間に敦賀さんのマンションが遠ざかる。足元には、まるで航空写真を敷き詰めたような世界

(もしかして、私、空中にいる?)

「大人しくしていろよ。ここから落ちたら、簡単に死ねるぞ?」

私を囲う腕に力が籠った。そう・・・私はこの声の主に羽交い絞めにされ状態で空を飛んでいるんだ・・・。

「俺は、尚国の王、尚だ。お前が蓮国に行かなくて済むよう迎えにきてやったぜ?」

そう言う声の持ち主に目を向けると、明るい髪色の美少年が・・・その翼を羽ばたかせて空を飛んでいた。


SIDE REN

キョーコが蓮国に来てくれる。

そう言ってくれたのが嬉しくて、俺は浮かれて油断していた。お腹が空いたという彼女の為にキッチンでスープを温めていて・・・ふと彼女を見やると、窓際に近づいてしまっている。

(しまった!)

と思って彼女に声を掛けた時には手遅れで。キョーコは尚国の小僧に連れ出されてしまっていた。俺は慌てて彼女の後を追う。奴の翼は5枚しかないから、直ぐに追いつくことができた。

「キョーコを返してもらおうか。大人しく返せば、とりあえず今回は見逃してやる」

そうやって凄んでみせる。

「はい、そうですか。なんて言う事を聞くと思うか?元々コイツは俺のモノなんだよ!人のモンに手ぇ出しやがって!」

「・・・君の国はキョーコを捨てただろう?キョーコは前蓮王の手によって人間界に送られたんだから、彼女の故郷は蓮国だ」

「でも、生まれたのは尚国なのは間違いねぇ!とにかく、俺は・・・この件をお前と話し合うつもりなんてないからな」

そういって、顎をしゃくると、奴の使役獣の蛇が俺に飛びかかってきた。



あらあら、まぁまぁ・・・。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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