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会いたくて(25A)

会いたくてAシリーズ最終回です

SIDE KYOKO

(君は父親が西セラの不破社長だと言う事を気にしている?)

敦賀さんの言葉に、目の前が真っ暗になった。ここは・・・私が時々捕われてる、私の昏い心。一旦捕まると、身動き一つ取れず、暗くて寒いここから・・・解放されるのを苦しみながら待つしかない場所。

ざざざぁぁ----。

急に、暖くて光る何かが注ぎ込まれ、満ちていく。それは、見渡す限りの輝く水面を作りだした。

----暖かい・・・海?

そこに大きな手が現れてバラバラと何かを蒔いていく。すると水面は、みるみる内に緑の葉に覆われて、それより高くピンクの蕾が突き上げてくる。

----蓮池?

その中の、ひと際大きな蕾が、ふわさぁ と花開く。その花芯には、敦賀さんが、ちょこんと座って・・・微笑んでいた。

----あぁ・・・これがホントの 『蓮』華 だわ。

思わず、笑いが込み上げてくる。でも・・・何て愛しい花。私は立ち上がり、水面の上を歩いて行く。そうして、自分の心に咲いたその華にそっと手を伸ばした。


SIDE REN

キョーコが俺との結婚に躊躇する理由は分かっている。そして、それを言い出せないのも。

彼女に寄り添っていれば、いつかその口から全てを告げてくれるのだろうか?否、きっと彼女は話せない。それどころか、話せない事それ自体に罪の意識を感じて、益々口が重くなるだろう。

(一か八か、核心を突くしかない)

だから、彼女の心を奥底にいきなり風穴を開けて、その『澱』に無理矢理手を伸ばした。もし、彼女を傷つけるだけに終わってしまったら、俺は彼女を失ってしまうのかもしれない。そんな恐ろしい事は本当はしたくない。それでも彼女の心に、俺の欠片の一片でも置いてこれるのならば、唯それだけで俺は生きていけるような気がした。

***

まだ、リズムが乱れたままの彼女の呼吸。震える手。彼女の心まで掴めるように俺は抱きしめる。
彼女が(はぁ~)と大きな息を吐きながら顔をあげた。

「つるがさん、華を・・・ありがとう・・・ございます。

  こんな私で良ければ、いつまでも、側に・・・ずっと側に・・・」

俺は、人生最大の賭けに勝つことができた。



SIDE YASHIRO

キョーコちゃんと蓮の結婚報告パーティーが行われている。

(最上さんにプロポーズしましたから)

トルコから帰国した蓮にそう言われた時には、

(この恋愛初心者が何しでかしとんじゃー!お前のデッカイ気持ちをいきなり押し付けてどうする!?)

って、目の前が真っ暗になったさ。けれども、話はトントン拍子に進んで「あっ」という間に、身内だけでさっさと挙式をして入籍を済ませてしてしまった。付き合いだして半年のスピート結婚。披露宴は「招待客はヒズリ関係ばかりだから」と、いわゆる型どおりの形はとらず、こんな風に立食形式になった。最初に蓮とキョーコちゃんから挨拶があって・・・それからは、蓮がキョーコちゃんを連れて招待客の間を縫うように挨拶して回っている。

特定の相手を作らなかった蓮の突然の結婚の知らせに、「最上キョーコ」は一体どこの令嬢だ!?と、一時期、敦賀家に娘を送り込もうと虎視眈々と狙っていた輩は騒然としていたが、既に入籍が済んでいる上、

----なんとキョーコちゃんは『京子』だったんだ!

本の最終頁の著者紹介。今まで『京子』の本のそれには代表作の紹介がされていただけだったが、最新作には、最上冴菜と最上キョーコの略歴と、2人が書いた作品がそれぞれ別々に紹介されていた。日本の文壇で確固たる評価を得ている『京子』。特に、キョーコちゃんが書いた、最近5年の作品群は評価が高い。

(敦賀家の次期当主が『京子』に惚れ込み、日本屈指の才媛を手に入れた)

もう、誰も文句なんか言えなかった。そして『京子』の最新作「美しい男」の表紙は今回も写真家「最上キョーコ」の作品である事が公表された。

「美しい蓮の花、あなたに出会えた奇跡に感謝します」

そう折り返しにメッセージが添えられた表紙は、咲き誇る蓮の花が写っていた。


FIN





穴を掘って・・・入ろうか・・・

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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