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会いたくて(22A)

会いたくて(19)の続きの別バージョンです。Aが付く番号をたどってくださいませ。
SIDE REN

今夜、最上さんを一人にはできない。そう思って部屋に押し掛けた。

別れる時に口うるさく言ったにも関わらず、ドレス姿のままの彼女。いつもとは違う・・・影を帯びた表情。でも俺はそれに気付かないフリをして抱きしめた。

(いつもの君に戻してみせるよ?)

とりあえず、お腹も空かせていたらしい最上さんのためにルームサービスを頼んで・・・その間にお風呂に入ってもらった。彼女が食事をするのを眺めていたら、急に彼女が、頬張っていたサンドイッチを膝の上に落してしまった。

「どうした・・・?」

彼女はぎこちなくサンドイッチを拾い上げると、

「あ、あの、お話とは何でゴザイマショウ?私、今日は疲れていますノデ、もし急ぎでなければ明日の朝一でウカガイマスガ・・・」

「別に、特に用事はないよ?ただ、今夜は君の傍にいたいと思って・・・」

そう言うと、彼女は

「あぅ・・・」

唸るように呟いて、真っ赤になって動きが止まってしまった。ああ・・・そうか、うん。

「別に、いきなり取って食おうなんて思ってないから安心して?」

「・・・」

「今夜は隣で眠るだけだから。君の心の準備ができるまで、俺からは何もしないから」


SIDE KYOKO

----今夜は君の傍にいたいと思って。

そう言われて、敦賀さんが『京子』に書いてきたメールの内容が頭の中に次々と流れる。

(わ、私・・・今夜ナニをされてしまうのでしょうか!?)

きっと私、耳まで真っ赤になってる。敦賀さんと向き合ってみようと思ったけれど、ここまで話が急展開するとは思ってもみなかったわよー。

(わーん、たすけてー、ドラ○もーん)


***

「えっと・・・重たくはないですか?」

「全然。最上さん、ううん、キョーコは羽根のように軽いから」

ソウデスカ・・・。
これって、胸枕?っていうのかしら?私は、頭を敦賀さんの鎖骨の辺りに乗せ、体は彼の左腕で抱えられピッタリと寄り添わされている。時々、右手が私の頭をなでては離れていく。

(温かくて気持ちイイかも・・・こうやって抱き締められたり、頭をなでてもらった記憶って・・・無いなぁ・・・)

「今日は、疲れたよね?」

「えぇ、まぁ」

「でも、初めての経験だっただろうに・・・見事なホストぶりだったよ?」

「ありがとうございます」

「英語も上手いんだね」

「写真を撮りに世界を旅したいと思っていて・・・結構真面目に勉強したんです」

「そっか。もし撮影旅行に行くときには、ヒズリのホテルを自由に使って?・・・例え、俺が君に振られてしまっても・・・俺を写真家、最上キョーコのパトロンとして傍に置いて?」

そう言われて、思わず敦賀さんの顔をマジマジと見てしまった。レセプションが始まる前に、お付き合いさせて頂くと返事をしたばかりなのに、何故いきなりフラれたら・・・という話をするのか。もしかして、今でもちょっと私が迷っているのが分かっているの?

でも・・・凄くやさしい笑顔で微笑んでいる。

「えっと、そんな事を、こんな時に言われましても・・・どうお返事をしていいのか・・・」

「返事はいいよ。
俺は女性として君を愛しているけれど・・・それ以前に写真家、いや違うな、君が世界に美しい物を見出そうとしている心を愛しているんだよ。
俺の両親は・・・俺の名前「蓮」を「決して美しい環境とは言えない泥の中から美しい華を咲かせ、人の心を和ませる『蓮の花』」になぞらえて付けてくれたんだけれど・・・俺は世界を斜めに見て、汚いものに目をやって、汚い、汚い、と愚痴をこぼすだけの人間だったから。蓮の花は、君の事だと・・・俺は思っているんだ」

「・・・キザですね・・・」

「そうかな?」

それから、私達は会話をしなかったけれど、敦賀さんが私を「蓮の花」に例えてくれたのが無性に嬉しかった。

----泥から生まれる花があってもいい。

自分の父親の事を思って暗くなって気持ちに、光が指したような気がした。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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