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料理が得意な彼女(5)

SIDE REN

夕飯作りを頼んだ時に、一瞬困った顔をした。でも・・・最近は共演の話もないし、あの時ですら彼女の顔を見るのは2週間ぶり。この機会を逃したら、またしばらく会えない日々が続く。だから、何としても今日ゆっくり話す時間が欲しかった。

しかし・・・最上さんの様子がおかしい。気が付くと、俺の顔を「じーっ」と見てるのだ。

「なにかな?そんなに俺の事をジッと見て?」と問うてみても、

「いえ別に・・・?話している相手の顔を見るのは礼儀ですよ?」とニッコリ微笑み返す。
俺は彼女の花が綻ぶような微笑みに完全ノックアウトされてそれ以上の追及ができない。

いつもの最上さんならありえない余裕の対応。普段だったら慌てて「し、失礼しました!ご、ごめんなさい~。」と土下座モードに入ったっておかしくないのに。俺は動揺を悟られないようにするだけで精いっぱいだった。

自分の部屋なのに妙に居心地が悪くて、でも俺の居心地を悪くする原因をどうすることもできなくて。思考停止寸前、いや、既に止まってしまっていたかもしれない。

最上さんの言葉に、決定的に止まってしまった。

「今度から、ラブミー部の依頼で食事を作りに来るのはやめようと思うんです。」

フリーズしてしまった頭を無理やり再起動させ、適切な言葉を探す。でも出てきたのは一言、

「な、なんで?」

それを吐き出すのが精いっぱいだった。まだ再起動して本調子ではない俺の頭に、信じられない言葉が響く。

「これからは、私の好意で食事を作りに伺おうと思うんです。敦賀さんは料理上手な彼女・・・欲しくありませんか?」


***


どれだけ時間が経ったのか分らない。

「つ・る・が・さーん」

ふと気付くと、目の前で最上さんがヒラヒラと手を振っている。
俺はとうとう自分に都合の良い白昼夢を見るようになったのか・・・重症だなぁ・・・と思う。

目の前の、俺の想い人は無邪気に手を振りながら「どうしましたか~?」と呑気に微笑んでいる。先程の衝撃発言・・・愛の告白・・・ともとれる内容を語った雰囲気は全く感じられない。やはり幻を見てしまったようだ。

「あ・・・ごめん、なんかちょっと一瞬意識が飛んでしまった。やっぱり今週のハードスケジュールは自分が思った以上に堪えたみたいだ・・・。」

そういって、思わずその場にへたり込んでしまった。最上さんが慌てて俺に寄り添ってきた。

「だ、大丈夫ですか?なんか、貧血っぽいですね?
これじゃぁ、益々ほっとけません。食事は健康を維持する基本中の基本ですから。敦賀さんには、食事の事を気にかけてくれる彼女がいた方が良いですよ?不肖最上キョーコ、敦賀さんの彼女に立候補させていただきますから、ゆっくり考えといてください。」

(!!!???)

もう、何がなんだか分らない。

「俺、自分に都合の良い白昼夢を見てる?最上さんの事、好きになり過ぎてとうとう頭がおかしくなったのかな?君が俺の彼女になりたいって・・・都合のいい夢。」

さっき、頭の中に湧き上がった想いを口に出してみる。すると目の前の彼女が

「大丈夫ですよ、合ってますよ。最上キョーコは、敦賀さんの彼女にして頂きたい、と申し上げましたよ?」

と、小首を傾げて、優しく微笑みかけてくれた。
信じられない!
何が起こったと言うのだろう!?もしかして、俺は今寝ていて、これは夢の中の出来事なのかもしれない。俺はそっと彼女を抱き寄せてみた。すると彼女の柔らかい体の感触と甘い香りで胸がいっぱいになる。

そうしている内に彼女の手が俺の背中に回り、キュッと俺を抱きしめ・・・耳元で囁いた。

「一緒に、頑張りましょうね?」

俺は不覚にも・・・泣いてしまった。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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