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会いたくて(21K)

(鬼畜+甘々)÷2 な感じで、全然大丈夫です。


SIDE KYOKO

敦賀さんが私を無理やり抱こうとしている、そう思ったら吐き気がした。母は人としての尊厳を奪われ犯された。

----まさか、母と同じ事を自分がされるとは

でもすぐに・・・本当は全然違う事に気がついた。母を襲った不幸は母にとって避けることは難しく、母に非はなかった。一方、自分は・・・自業自得。私は、敦賀さんが私を一途に想っている事を知っていたのに、彼を深く傷つける言葉を投げつけて、怒らせた。

(・・・ごめんなさい)

敦賀さんに謝ろうと思ったけれど、口に押し込まれたタオルのせいで声が出ない。それに敦賀さんは、なんだか焦点の合わない暗い瞳で私を見下ろしていて、私の言葉が届くようにも思えなかった。

----私は・・・この美しい人も『失って』しまうんだろうか


SIDE REN

俺は最上さんを大事に大事にして、何ものからも守ってあげたいと思っていた。
彼女が何を喜び、何を悲しむのか、慎重に探り、彼女の気持ちに寄り添ったつもりだった。

----彼女が俺の気持ちを受け入れてくれた・・・!

と、俺を狂喜させておいて、直ぐに絶望の底へ叩き落とすような真似をした彼女が許せなかった。最上さんから次々と投げつけられる拒絶の言葉に、俺の中で何かが切れた。心が手に入らないなら、せめて体が欲しい。そう思う俺を、

----彼女はまるで汚い物を見るような眼で見て、ヘドを吐いた。

気がついた時には・・・彼女を縛り上げていた。

とりあえず、今から彼女に俺がどんなに君を望んでいたか、思い知らせよう。それから・・・どうしてくれようか・・・このまま、どこかに監禁して、俺の子供を産ませるのも良いかもしれない。そうだ、彼女を閉じ込めるために、窓の無い家を建てさせてよう。

そんな薄暗い計画を立て始めた俺の前で、彼女が大きな瞳からポロポロと涙を流して震えている。そんなに、怯えて・・・俺を怒らせた君が悪いんだよ?そうつぶやいて彼女の喉元に喰いついた。すると、微かな、花のような香りが鼻腔を刺激する。

----『京子』の香り・・・だ

急速に頭が冷えるのが分かった。

(体だけ手に入れたって、何の意味もない、今すぐ彼女を開放してまた一からやり直せ!)

そう、理性が俺に号令をかける。慌てて彼女にバスタオルをかけ、口に押し込んだタオルをそっと外す

「ご・・・めん・・・なさい」

聞こえてきたのは謝罪の言葉。許しを乞うべきは俺なのに・・・彼女の腕を拘束していたタオルを解くと、縛り上げられていた手首は赤くなっていて、強く握りしめただろう・・・手の平には爪が食い込んだ傷ができていた。

「すまない・・・」

彼女の体を開放する。すぐに逃げ出す・・・そう思っていたのに、彼女は自ら俺の胸に飛び込んできた。

「敦賀さんを傷つけて、ごめんなさい。本当に、ごめんなさい」

俺は・・・強く彼女を抱きしめた。


***


俺たちは、服を着てメインキャビンに戻り、暖かいお茶と軽食を取って、お互いに落ち着く事にした。

「ごめんなさい・・・私・・・敦賀さんの気持ちは全部知っているくせに、自分からは肝心な事は何も言わないで、八つ当たりしてしまいました」

そういって、最上さんは、ふるっと身震いをする。

「清野さんに・・・母が作ったブローチを頂いたんです。母はジュエリーデザイナーだったんです」

彼女の態度が急変した理由が理解できた気がした。彼女が「もうこの世の人ではない世界最高のジュエリーデザイナー」と言ったのは、母親のことだったんだ。母親の事が絡むと・・・彼女は感情を上手くコントロールできなくなるみたいだ。

「分かった・・・今度から言葉に気を付ける」

そう言うと、彼女は頭をふった。

「私が何も言わないから・・・敦賀さんに気を付けようがありません」

「それでも気を付ける。それに、もう絶対に君に怖い思いはさせない」

そう言うと、うるうると瞳を潤ませ始めた。

「仲直り、しよう?おいで?」

そう言って彼女に向かって腕を広げてみる。
一瞬、驚いた表情をした最上さんが程なく俺の腕に収まった。柔らかくて、優しい香りがする。俺は胸が奥をぎゅっと何かに掴まれるような感覚に襲われ、次にそこを中心に暖かいものが、じんわりと溢れて来るのを感じていた。

「俺たちは、まだ始まったばかりだろう?喧嘩をして・・・仲直りして、そうやって少しつづ分かりあえばいいんだ」



SIDE KYOKO

敦賀さんがしばらく焦点の合わない暗い瞳で私を見下ろしていたけれど、

(俺を怒らせた君が悪いんだ・・・)

そう呟いて私の喉元に軽く噛みついてきた。私は、次に起こるだろう事を予想して身震いしたけれど、敦賀さんが顔をあげ・・・目があった時には・・・彼の瞳に明るい光が戻っていた。

バスタオルを私にそっとかけて、口のタオルを優しく外してくれる。

「ごめんなさい」

やっと口にできた謝罪の言葉。この美しい人を失わずに済んで良かった・・・と、彼に手を伸ばした。

母は父の影を超えて私を愛してくれた。私も・・・私の中にある「母を苦しめた父」の影を超えていきたい。ちゃんと、男の人を愛せるようになりたいよ。


***

敦賀さんと仲直りということで、さっきからずっと、抱き合っている。

「そろそろ離れませんか?」

「ん~?」

生返事しか帰って来ない。

「えっと、色々お話したい事があるんですけど・・・」

「このまま聞く」

「すっごく大事な話なんですよ?」

「なおさら、このまま聞く」

しかし・・・何から話したらいいんだろう。
全部が繋がっていて、一つ話せば次々と話さなければならない。今から直ぐに全てを話す覚悟は・・・うーん。それに、例えば『京子』か書いたなら、上下巻に分れてしまうような、長い話をしなければならない。そこで、ふと思う。書いてみようか、と。

「やっぱり、話すのは止めます」

そう言うと、敦賀さんの体がビクッと揺れて、体を離された。

「聞きたい」

「でも話すのは止めて、書こうと決めちゃいましたから」

「?」

敦賀さんが、要領がつかめない、って顔をしている。

「でもまず、一つだけお話します。その前に、謝らなきゃならないのかな・・・?」

「??」

「でも、私が謝罪すべき立場に立ったのが、いつの時点からなのか・・・良く分からないし・・・」

「さっきから・・・どうした?」

これ以上、敦賀さんを困惑させちゃいけないっ!

「この件に関する、質問は一切受け付けません!抗議も受け付けません!良いですか?良いですよね?男なら小さな事は気にしないでくださいね!!言いますよ!!!」

「あ・・・うん」

私は、戸惑う敦賀さんを、勢いで押し切った。

「小説家『京子』の本名は「最上冴菜」といって私の母です。母が亡くなってからの『京子』は私でした!!」

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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