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会いたくて(20K) 

蓮が少々鬼畜風味です。というかキョーコさんがヒドイ?? 甘々風味は鬼畜風味を書いたのち、ここから分岐する形で書くかもしれません。なので、とりあえず、番号に鬼畜のKを付けてみました。

良かったら、感想を聞かせてください。
鬼畜だよ!ひどいよ!!と思われるのか・・・最後がハッピーエンドなら、これくらいはメリハリついて良いんじゃないの?とか・・・ちょっと気になります。


SIDE REN

レセプションが終わって最上さんに声を掛けた。

「お疲れ様、ありがとう」

さりげなく引き寄せてみれば、彼女はどこか上の空で

(ええ、疲れました。今夜は本当に・・・)

と言って、部屋に引き籠ってしまった。本当は・・・彼女に気持ちが届いたのだから・・・俺は彼女の側に居たかった。でも「疲れた」を、繰り返す彼女の側に居座ることも躊躇われた。清野さんに紹介した時には特段おかしなところは無かったのに・・・彼女は明らかに変だった。

「どうした?何か清野さんに言われた?」

と聞いてみても、

(清野さんはとても素敵でお優しい方でした・・・。日本に帰ったら彼女のお店に食事にいく約束をしました・・・)

という。

「じゃぁ、その後に話をした誰かに何か?」

と聞いても、

(いえ特に。私も英語があまり得意じゃないので、緊張して気疲れしただけです)

俺には何が彼女に起こったのか全く見当が付かず・・・でも何かあったのは確実で・・・彼女の事を考えて眠れぬ夜を過ごした。


SIDE KYOKO

父と出会う前に母が作ったブローチ。清野さんは、

(『冴菜』は20年以上前、数十点しか作品を作らなかったけれど、高い技術と繊細な感性を兼ね備えた不世出の彫金師と言われていているのよ?)

と言った。ブローチは良く見ると、細かい細工が幾重にも施されていて・・・確かに、同じようなブローチは他に無いのだと感じる。冴菜の作品は・・・持ち主が手放さないから市場にも出ない、知る人ぞ知る名品なんだそう。

母は父のせいで・・・天職だったジュエリーデザインをやめ、素生を隠して生業として小説を書き始めたんだ。『京子』以上に『冴菜』は人々の称賛を受けるはずだったのに・・・母は私の事を愛してくれたと手紙にしてくれたけど・・・父を許したとは一言も書いていなかった。

----私は父の娘であることが本当に悔しい。

「最上さん?」

声をかけられ、ビクッとする。今、私と敦賀さんは帰国の飛行機に乗っている。私は昨日から自分の殻に閉じ籠ってばかりだった。

「大丈夫?なんだか、朝から心ここにあらずな状態なんだけれど・・・
まだ昨日の疲れが抜けない?俺が無理を言ってレセプションに出てもらって、ごめんね?」

と謝られる。

「あ、いえ。心配させてごめんなさい」

私も謝る事しかできない。そうすると敦賀さんが私を引きよせて抱きしめてきた。

「何かあったんだろうけど・・・何か俺にして欲しい事があったら何でも言って?」

とてもやさしい声で囁く。

(私を・・・母と、母の愛する人の子供として生まれ変わらせてほしい)

無理難題が思い浮かぶ。

(かぐや姫も真っ青よ・・・)

小さく呟いた私の言葉が、敦賀さんに聞こえたらしい。

「『蓬莱の玉の枝』が欲しい、とか?最上さんのためなら、世界最高のジュエリーデザイナーを呼んで作らせるよ?幻のように美しい玉の枝を俺から君に贈らせて?」

この言葉が・・・私の神経を逆撫でした。


SIDE REN

昨日から様子のおかしかった最上さんが

「かぐや姫も真っ青よ・・・」

と小さく呟いた。何を意味しているのか分からなかったけれど、かぐや姫が公達にリクエストした宝物・・・その中で、彼女が好きそうな物が一つある。それは『蓬莱の玉の枝』。だから俺は、あまり考えなしに言ったんだ、彼女が喜ぶと思って。なのに、

「私、そうゆう、いかにも金持ちらしい、自分本位な発想が大嫌いなんです!」

彼女が俺の腕を振り払い立ち上がる。俺は突然彼女の様子が変わった意味が分からなかった。

「何をそんなに怒っている?」

「敦賀さんが最高のジュエリーデザイナーを呼ぶ、なんて軽々しく言うからです!」

確かに俺はそっち方面に最上さんほど詳しいわけじゃない。

「それは物の例えであって、君のためなら費用を惜しまないっていうつもりで・・・」

「だから。私の欲しい物はお金じゃ買えないんです!私が知る最高のデザイナーはもうこの世の人じゃないんです・・・作品だって殆ど残ってなくて・・・」

「ごめん・・・」

俺はまた謝った。

「俺は君の心が欲しくて・・・君に愛されたくて・・・そのために俺に出来ることはしたいだけで・・・」

「・・・」

無言で目に涙を溜め始めた最上さんを見て、俺も立ち上がり最上さんをもう一度抱きしめる。

「君が何を望んでいるか・・・分かりたいよ」

しばらく黙って俺の胸の中で大人しくしていた最上さんが、身じろぎをする。

「・・・敦賀さんの様に、何も失ったことが無い人には分かりません・・・」

抑揚のない暗い声に、俺の心臓が凍りつく。

「そんなことは・・・
俺は・・・今まで何も自分から望んだことが無かっただけで・・・でも君を望んで、手に入らないんじゃないか、失うんじゃないかと、自分でも滑稽なくらい、恐れてるんだ」

「流石に、何でも持ってらっしゃる方は言う事が違いますね? 私、決めました。敦賀さんに私の心は絶対にあげません。恋愛小説はバッドエンドです。そうすれば、私の気持ちが少しは分かりますよ。うれしいですか?」

そうやって・・・クスクス・・・と暗く笑う最上さんに、俺は頭の中が真っ白になった。

「なぜ・・・そんな・・・そんなの嫌だよ」

「嫌だと言われても、とにかく私の心はあげられません。次の女性を当たって下さい。敦賀さんなら、直ぐに見つかりますよ」

「そんな言葉、君から聞きたくないっ!」

「じゃぁ、私は2度と敦賀さんと口をききません」

そう言って、最上さんは俺とは一番遠い場所に座り、黙ってトルコで買った写真集を眺め始めた。


***

俺は彼女の腕を掴んで、飛行機の最後尾にある寝室に引きずっていく。

「痛いっ、何するんですか!」

彼女が抗議をするけれど無視した。

「最上さんがね、心をくれないというから・・・別の物を貰うことにしたよ。あぁ、貰うじゃなくて奪う、かな?」

彼女は俺の意図するところ察したらしい。大声で客室乗務員の名前を呼ぶ

「マツダさん!オカノさん!どちらでも良いから来てください!!!」
「最上さんの声に応えるな!社長命令だ!」

彼女に続けて俺が声を上げる。

「皆、俺が怖いからね。絶対に来ないよ・・・」

そう言いながら、寝室の鍵を内側から閉め、最上さんをベットの上に放り投げる。必死になって逃げようとする最上さんの足首を掴んで自分の方に引きよせて組敷いた。

「こんな事は犯罪です!」

無視して彼女の服を剥ぎ取り始める。

「止めて下さい!」

自分のシャツを脱ぎ捨てる。

「どうして、こんな酷い事を!」
「酷いのは君じゃないか!俺が昨日から何をしたっていうんだ!」



SIDE KYOKO

「酷いのは君じゃないか!俺が昨日から何をしたっていうんだ!」

そう言われて、少し冷静になった。確かに敦賀さんは何も悪くない。悪くないけれど・・・無理やり私を抱こうとしている目の前の敦賀さんに嫌悪しか感じることができない。吐き気が込み上げてくる。

「・・・うっ」

私はそこで吐き戻してしまった。

「そこまで俺が嫌いになったか・・・たった一晩なのに。許せないな」

そう言って、今度はバスルームに連れ込まれた。頭からシャワーを浴びせられ、さっき吐いたものが洗い流される。次にシャワーを口に当てがわれ、無理やり水を飲まされた。気管にも水が入り、ゴホゴホと苦しい咳にむせていたら、濡らしたフェイスタオルで腕を後ろ手に縛りあげられ、口にはハンドタオルがねじ込まれる。

----私は恐怖で震えながら、母の事を思い出していた。


SIDE 最上冴菜 --- 現在から約23年前 & 約8年前 ---

私がキョーコを身ごもったのは強姦だった。

当時、私は富裕層を相手にジュエリーのオリジナルデザインと作成を請け負っていた。駆け出しの頃は、こちらから頭を下げて売り込んでいたけれど、なんとか生活が困らない程度には声がかかるようになり、宝田社長とも、その頃に知り合った。

そんな中、顧客の一人が突然私に誘いをかけるようになった。その男の妻は子供が出来ない体だったらしい。家業を継がせるため、大金と引き換えに愛人になって子供を産んで欲しいと言われた。当然、私は断ったけれど・・・私は陥れられてしまった。

独身・20代・天涯孤独、そして男の妻と同じ-非常に珍しいRH(-)ABの血液型。その男の血液型はRH(-)O型で、夫婦の子供として不自然ではない子供を確実に得るため、やっと見つけた「子供を産む機械」が私なのだ、と。

私は、キョーコを妊娠させられて監禁されていたが、何とか隙を見つけて宝田氏の所に逃げ込んだ。宝田氏は私が知るなかで唯一、その男が経営する企業よりも大きな企業体を経営していて・・・助けてくれるかどうかは分からなかったけれど・・・警察に行くよりも心強いと感じていた。

生まれてきた子供は女の子。正直、愛情は全く感じる事は出来なかった。適当にカタカナの名前を付けて、育てた。手放さなかったのは、あの男に渡したくない一心だけ。私は、匿ってくれた宝田氏の下で働き始め、宝田氏のすすめで小説を書き始めていた。


***

15歳になったキョーコが小説を書いて私に見せてきた。

内容は父親と娘の心の交流。とても丁寧に心情が語ってあって、同じ小説を書くものとして心が震えた。そして、私には分かる。娘はキョーコ自身がモデル。そして、父親にすり替えてあるけれど、この父親のモデルは私だ。

私はキョーコに冷たくしていたのに、彼女が私に向ける心がこんなに温かい事を知った。

----なんて心が優しい・・・私の子。

愛しさがこみあげてくる。今までずっと冷たくしてきた自分が恥ずかしくなり、でも15年の長い間、冷たくしてきたキョーコに直ぐには素直になれなくて。とりあえず成人する彼女に宛て手紙を書いた。

彼女には・・・20歳になって成人するまでは決して父親を探してはいけないと告げた。父親は私を道具にして子供を産ませたのだから、と。本当は、この時にすぐにでも、彼女を「それでも私はあなたを愛したのよ」と、ちゃんと抱きしめてあげればよかった。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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