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会いたくて(16)

SIDE REN

パムッカレは日本人にも割りと馴染みのある観光地。昔日のベストコンディションの時の姿がよく知られている。でも実際は・・・やはり最上さんも少しガッカリしたようで・・・カメラのシャッターを押す頻度の少なさが彼女の気持ちを語っている。

でも、最上さんを本当に連れて行きたいのはここじゃない。きっと彼女が大好きで・・・思わず俺に気を許してくれる場所・・・を用意している。彼女が何を考え、何を欲しているのか、俺は知りたい。そして彼女が欲しいと望んでいる物を、彼女に捧げて乞おう。

『君が欲しいものをあげるから、僕に君を下さい』と。

そうして、俺は最上さんをアンティークプールに案内した。

***

二人でプールの中程に倒れている古代遺跡の柱の上に腰かける。

「水着、よく似合ってるよ?」

そう声をかけると彼女の赤くなるのは・・・温泉のせいばかりじゃないよな。

「な、なんでこんなにサイズがピッタリナンデショウカ?」

あぁ、そんな事を気にしているのか?

「エステサロンの人に聞いて?」
(ホントは、サイズくらい服の上からでも分かるけどね)

「そうでしたか」

「うん。ホントよく似合ってる」

彼女に向かって微笑むと、さっと視線を外されてしまった。意識されないのも困るけど、反応があり過ぎるのも考えもの。俺はとりあえず、普通に会話を始める。

「パムッカレは残念だった?」

「確かに期待通りではなかったですけれど、それでも十分綺麗でしたし、観光名所ってそうゆうものですから」

「うん、でも君の撮った写真は、すごく幻想的で、綺麗だったよ?」

「まぁ、そうゆう風になるよう、綺麗な所だけ切り取って撮ってますから。逆に「いかにも残念な観光地」って写真も撮れますよ?」

「あはは、見てみたいな「残念な感じ」ってのを。・・・ちなみに、最上さんが「残念」って思うのはどんな時?」

そうやって、俺は彼女が何をどんな風に感じるのか・・・聞き出し始めた。



SIDE KYOKO

二人でアンティーク・プールに浸かっている。35℃だというお湯が・・・熱過ぎず&ぬる過ぎず・・・で絶妙に気持ち良い。それに、ちょっと足もとに視線を落とせば、ブルーグリーンの水底にローマ時代の遺跡の柱やら石畳みが見え、思わずうっとりと引きこまれてしまう。

最初は、自分の素肌を曝すのが恐ろしくてビクビクしながら更衣室を出た。

(だってビキニよ!ピンクのビキニなのよ!?)

さらに加えて、敦賀さんの水着姿が、まるでギリシャ彫刻の様に美しくて、この人・・・私と色々ゴニョゴニョしたいって・・・嫌ぁ!私の破廉恥!!

(こんな状態で口説かれたら、どうしよう!!!)

と、半ばパニックに陥ったけれど。敦賀さんは意外にも普通の会話を振ってきて。私は自分でビックリする程ほっとして・・・取りとめのない会話を敦賀さんとしながら、夢のような風景と素肌に触れるお湯の心地よさに、すっかりリラックスして時間を過ごしている。

そうして、時々プールの中を移動しながら暫く会話をし続けていたら、

「最上さん、京子の『虚像』っぽい台詞をいうね?」

と言われた。

「そうですか?」

「うん」

「まぁ・・・敦賀さんにとってあの作品が人生のターニングポイントを作ったように、私にとっても大きな意味を持つので・・・」

「そうなの?どうゆう事か話してみて?」

そうサラっと言われて、我に返る。敦賀さんに、あまり心の内を曝すのは迂闊だ、と。

「あ、いえ、そんなに大したことじゃないんです。 
それにしても、ここは静かですね?パムッカレの喧騒が嘘のようです。こんなに綺麗な場所なのに、人が全然居ません!なんか贅沢です!!」

そう言って私は、会話をはぐらかす。すると、予想しない答えがかえってきた。

「だって、今日は最上さんのために定休日のところを開けてもらったんだもの」

「・・・・・は?」

「だから、今日は君のために貸し切り?」

もしかしたら、この人の腕がもうすぐ自分に向かって伸びて来るんじゃないか?そう思って身構えてしまった。


SIDE REN

それまで、最上さんは「古代遺跡の魔法」に上手く掛かってくれて、俺の聞きたい事に素直に答えてくれていた。でも、

(敦賀さんにとってあの作品が人生のターニングポイントを作ったように、私にとっても大きな意味を持つので・・・)

そこで我に返ったように、表情を一瞬曇らせた後、話を逸らし始めた。それからの最上さんは、どんなに俺が彼女の心を覗こうとしても、見せてくれなくなってしまった。

----きっと、そこに何かある。

俺は確信する。
それさえ分かれば、きっと彼女の心が俺の手に入る。そう思うと、まだ何も分かっていないけれど、心が躍った。

(俺、こんな些細な事でうかれてるよ・・・)

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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