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会いたくて(14)

SIDE 『京子』

キョーコが敦賀蓮のマンションを出て自宅に戻ってきた。撮影出張の荷造りのため、と表向きの理由を付けてみたが・・・敦賀連との距離を少し保った方がいい・・・という判断も働いていた。しかし・・・結局それは敦賀蓮の恋心を益々煽る事になって逆効果だった。

(最初は事務連絡みたいなメールを寄こしてきたくせに・・・最近の彼は詩人だわ・・・)

私は『もし敦賀蓮がキョーコを手に入れたら、どんな風に心境の変化が起こるのか?そして、それをどんな風に書き綴るのか?』という事に興味が湧いてしまっている。

(重度の職業病・・・)

と自嘲する。
仮に彼がフラれる事になったとしても・・・彼の恋愛に動きがあること・・・それは私が「恋愛小説」を書く上で不可欠な変化、だと思ってしまっている。

キョーコの「恋愛拒否症」の理由を知らない彼は・・・フラれてしまう可能性が高い。でも、『京子』・・・いえ・・・『母親』に対する思い入れが強いキョーコ。彼女の事だから、『京子』のために「敦賀蓮のものになる」という選択をするかもしれない。彼女がジレンマが日に日に深くなるのが、私にはよく分かる。それに、

宝田社長がキョーコに
「最上君には、男性に愛される経験が必要だぞ?」

と諭したのも少なからずキョーコの心に響いている。そして、

----きっと、敦賀連はキョーコを大事にする

彼はキョーコの父親とは違う・・・と思いたい。キョーコにとっての「パンドラの箱」に閉じ込めてあるタブーは父親。

最近の私は・・・少し考えが纏まりにくくなっている・・・。



SIDE KYOKO

成田空港の第2ターミナル、H.T.A.(ヒズリトラベルエージェンシー)のカウンターに15時に来るよう言われていた。カウンターで荷物を預け、そのまま出国手続き・・・と思っていたら、プライベートジェット専用のラウンジに案内された。敦賀さんも同行するのなら「エコノミー」はあり得ないとは思っていたけれど、まさかプライベートジェットで行くとは!

「やぁ最上さん、おはよう」

敦賀さんが爽やかに挨拶をしてくる。笑顔がやけに眩しいです。

「さ、搭乗しよう」

そういって案内された室内はこれが飛行機の中!?と疑うばかり。プライベートジェットに乗るなんて一生に一度のチャンスかもしれない!そう思って、私は室内の写真を撮り始めた。内装には、限りある室内空間を広く見せるため鏡が多用してあって、私は自分の姿が鏡に映り込まないカメラの位置や、フラッシュの反射具合など・・・予想外の難しい素材を相手に、撮影に没頭してしまった。

「もうすぐ離陸だから席について」

そう言われて我に返る。そこで気付いた。

「琴南さんがまだ来てないみたいですけど・・・」

「あぁ、彼女は急に対応してもらいたい案件ができて、日本に残って貰う事になったから」

「えー!わ、私、琴南さんとの撮影会を楽しみにしてたのに!」

「まぁまぁ、俺も君のお勧めのカメラ買って持ってきたから。向こうでは琴南さんの代わりに・・・俺にも写真を教えて?」

(ギリギリになるまで奏江さんの事を言わないなんて・・・?もしかして、最初から私と二人きりで旅行するつもりで、奏江さんが来る予定はなかったんじゃ・・・?)

という疑問が湧いた。でも、そんな疑いを持った事を敦賀さんに知られたら、私が敦賀さんの気持ちを知っている事になってしまう。だから私は努めて冷静に明るく対応した。

「仕事なら仕方がないですね・・・。琴南さんとは次の機会として、今回は敦賀さんに写真をお教えしますよ!」

***

久しぶりに長い間、敦賀さんとお話をした。

『京子』へのメールには、切々と私への恋心を書き綴っている敦賀さんだけれども、こうやって私と面と向かっている時には、そんなに切羽詰まっている素振りは見せない。おかしな事といえば、急に無表情になったり、時より、思わせぶりな科白が出てくる程度。

(そうよそうよ!敦賀さんは紳士だから、私がそんなに警戒する必要は無いのよ!!)

そう思うと気持ちが軽くなって・・・敦賀さんとただの友人のように楽しく話すことができた。今回、何故パムッカレに新しいホテルをオープンしたか?、その話を聞いていたら、あっという間に時間が過ぎてしまっていた。

機内食も、流石にプライベートジェットだけあって豪華で。ヒズリホテルズの中で一番評判が高いレストランからのケータリングということだった。でも、

「雲の上で、こんな豪華な食事なんて・・・一生の思い出ですね~!」

と言ったら、

「最上さんのいうところの「恋人同士のスペシャルナイト」って感じ出てる?」

と神々しいまでの笑顔が返ってきた。やっぱり・・・油断してると・・・かなり危険です。そして、夕飯を終えて、暫く話していたら、

「時差ぼけすると困るから、現地に着くまで少し眠っておこう?」

と言われ、こっちにおいで?と促された先に・・・なんと寝室まで付いていました。

「流石に飛行機の中で一部屋しかないから、最上さんが使って?俺はソファで横になるから」

といって、メインキャビンに戻ろうとする。

「ちょっと待って下さい!私は遊び半分みたいなものですけど、敦賀さんはお仕事があるんですよね?私がソファを使いますから!」

と引きとめたら、

「女性を、いや最上さんをソファに寝かせて俺がベットを使うなんて、できないね」

という。暫く寝室の前で押し問答をした後・・・敦賀さんが、

「じゃぁ、俺と一緒に寝る?」

といった。

「そ、それは無理です~!破廉恥です~!!」

と咄嗟に叫ぶ。

「なんで無理なの?」

(それは、あなたが私の事を好きだから!私を抱きしめて眠りたいとか『京子』にメールしてくるから!)

とは流石に言えず。いえ、あの、その・・・とゴニョゴニョいっていたら、敦賀さんが

「男として、意識しては貰えてるんだ・・・」

と呟いて、

「大丈夫だよ。飛行機にはキャビンアテンダントも乗っているし、寝室のドアを開けっ放しで寝れば問題なし?」

と言うので、私は諦めて同じベットで仮眠を取る事にした。

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Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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