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会いたくて(10)

SIDE REN

俺は『京子』のメールアドレスを手に握り締めたまま思考停止してしまっていた。次に湧きあがってきたのは、

「何を書いたらいいんだろう・・・?俺は無趣味な仕事人間だから『京子』先生に気に入られる様な、気のきいた話しは書けない。というか、文章のプロにメールだなんて・・・」

個人的なメール・・・を俺は殆ど打った事が無い、事に気づく。

「そんな難しく考えなくても良いんですよ?取りあえず一通目は『京子』の方から送るといってましたから、それに御返事を書いてください。」

そう最上さんに言われて、心の底から安心した。

***

『はじめまして、敦賀さん。京子です。今回は取材への協力ありがとうございます。本来であれば、ちゃんとご挨拶したいのですが、聞き及びの通り、私は私の素生を限られた人間にしか明かすつもりがございません。ただ、宝田社長のパーティーでご挨拶をさせて頂いておりますので、それにてお許しください。
 今回、最上キョーコさんの写真を題材にして小説を書くつもりではおりますが、被写体の方:敦賀さんのお話も聞けると良いと思っておりました。このようにメールさせて頂く事は私が小説を書く上で大変助かります。どうぞよろしくお願いします。さて・・・』

『京子』からのメールには、最近、新しい友人ができた事が書いてあった。そして、俺に友人の事を聞かせて欲しい、とあった。

・・・俺は、正直、友人と呼べる人間がいない。男の知合いは全て仕事関係の繋がりだったし、女性とは・・・すぐに男女の関係になってしまうから・・・

(『京子』にセックスフレンドの事を紹介できないだろう・・・?)

リビングで頭を抱えている俺に、

「どうしたんですか?」

と最上さんが声を掛けてきた。俺は、実は友人と呼べる人間が居ない事を相談した。

「はぁ・・・本当に人づきあいが浅いんですね?じゃぁ、私が友達・第1号になってあげますよ?」

と彼女が言う。俺は正直に、

「こんなことを言うと自意識過剰と言われるかもしれないけれど、女性と親しく付き合おうとすると、すぐに向こうから誘われて、男女の関係になってしまうから・・・男女の友情というのがどうゆうものか・・・良く分からないんだ。とはいえ、まぁ、同性の友人も居ないんだけど・・・。」

と答えた。最上さんは溜め息をついて、

「あ、私は恋愛には全く興味ないので大丈夫です。
・・・別に異性とか同性とか友達付き合いにあまり区別は無いですよ?そうですね、友人同士がする事の鉄板は趣味の共有です!敦賀さんの趣味って・・・」

「だから・・・無趣味なんだって。そもそも趣味ってなんだろう?」

「!?そこからですか? ・・・私の定義ですが・・・睡眠時間を削ってもしたい事です。敦賀さんの場合、仕事以外で何かないんですか?」

俺は首をひねってしまった。

「睡眠時間を削ってしたい事・・・読書?『京子』限定だけど」

「わかりました。では、まず『京子』の作品に関して、感想を語り合いましょう。私も『京子』の作品は全部読んでいますからね!そうとなれば、さ、でかけますよ!」

「???どこに???」

「飲みに行くんですよ。友人同士はご飯やお酒を食べながらいろんな事を話すんですよ?」

「じゃぁ、俺の持つホテルの中で、一番腕のいいシェフがいるレストランに予約を入れて・・・」

「駄目です!」

「?」

「友達同士は、ちょっとそこで一杯ひっかけていこうか!という気軽さで!普段着で!ご飯を食べるんです。敦賀さんのプランは恋人同士のスペシャルナイトです。」

「・・・そうゆうものなの?」

「それすら分からないんですか?とにかく、友人同士はドレスコードのあるような店になんて行かないんです。」

「・・・お任せします。」そう俺は答えた。

俺達はとりあえず、マンションを出て、近所のスペイン料理屋に入った。

「ここ、前から気になってたんですよ!」

適当に食事を頼み、食事をしながら『京子』の作品の中で何が一番好きかとか、どのフレーズが印象に残ったとか、そんな話で盛り上がった。

「はぁ~、それに敦賀さん本当に『京子』好きなんですね。詳しいにも程がありますよ!『京子』クイズ選手権に出たら、優勝間違いなしですよ」

ニコニコと話しかけられる。

「いやいや最上さんだって中々の『京子』マニアだよ。君と選手権に出たら、俺負けちゃうかもしれない・・・」

「そりゃそうですよ、だって本人・・・と直接会って話していますし。」

「そう、だよねぇ・・・あのさ・・・」

と、俺が何か言いかけたところを最上さんが畳みかけるように言う。

「駄目です!『京子』先生の事は教えられませんよ!『京子』の許可が無い内容は私は一切話しませんから!それに、こんな場所で話したら・・・誰が聞いてるか分りませんから。」

「そうだよね・・・」

「ま、取りあえず飲みましょう!今日、私達はタダの『京子』ファンです!」

料理も美味しかったしワインも中々だった。そして、あれだけ飲んで食べて、会計がたったの1万円だったのに俺は心底驚いた。

次の休日、俺は最上さんからカメラを渡された。

「私の趣味はカメラですから。一緒に写真撮影に行きましょう!」

そういって、上野公園へ「学生時代、よくここに来たんですよ?」と連れて来てくれた。そして、博物館を見学し、やはり最後は通りすがりにあったレストランに入って色々な事を話した。

そして俺は・・・最上さんと友人らしい付き合いをする事で、実は自分が「車」を割と好きだったこと、「旅行」も好きな事を発見した。

「・・・俺って旅行が好きだったんだ。だからホテル経営部門に入ったんだ・・・」

二人で家に帰ってきて、コーヒーを飲みながらしみじみと言葉にした。

「そうなんですか?」

「そう。そして、なぜ旅行が好きなのかも気付いてしまった・・・。」

「へぇぇ、何故ですか?」

「父が、母もなんだけれども、とても忙しい人で・・・。でも、必ずクリスマスから正月に掛けては必ず仕事を休んでくれて家族で海外に行ったんだ。俺が高校に入った頃からは無くなってしまったけれど・・・」

「///」

「何、赤くなってるんですか?」

「笑うなよ」

「もちろん?」

「/// 俺、その家族旅行がすごく楽しみで。小さい頃はそれこそ寝るのも忘れて、その、旅行先の事とか調べて、旅のしおりとか作ってたんだ・・・」

「かわいい所あるじゃないですか・・・プププ。」

「笑うなと言っただろう?」

「笑っていませんよ。うふふ。あはは!旅のしおり!可愛い!!!意外なルーツ!」

「///~!笑ったな。そんなに笑いたければ、好きなだけ笑うがいい!」

俺は、笑いが止まらなくなってソファの上で転がっている最上さんに馬乗りになって、脇腹をくすぐり始めた。

「くすぐったーい、あはは!きゃぁ~やめて~。ごめんなさ~い。もう笑いません~!や~め~て~。」

***

俺はショックを受けていた。

最初は、自分を笑った最上さんが気に入らなくて、恥ずかしくなって、いっそくすぐり倒してやろうと思って、最上さんを拘束したつもりだったのに・・・。

----欲しい、と思ってしまうなんて。

あの後、最上さんを解放して、ただのじゃれ合いで終わった。でも、本当は最上さんが愛しくて、そのまま、その・・・色々したいと思ってしまった。

いままで、女性には誘われる一方で、自分からはっきり望むなんていうのは初めてで。

「俺・・・欲求不満なのかな?」

俺は最上さんとの共同生活を始めてから、女性との縁を遠ざけている。『京子』に、自分の刹那的な女性関係を知られたくなかった。

「・・・仕方が無い」

そういって、俺はセックスフレンドの1人と連絡をとった。そこで結局、最上さんへの気持ちと彼女(達)へのそれの違いをはっきり意識してしまうことになった。

やっと蓮さんがキョーコさんへの恋心を抱きました。あとは坂を転がるように恋に落ちる予定(笑)キョーコちゃんは、ここでもやっぱり恋愛拒否症にかかっています。前半は一気に投稿します。後半はぼちぼち投稿します。

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プロフィール

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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