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会いたくて(6)

SIDE REN

「蓮!琴南さんから聞いたぞ」

社さんがニヤニヤしながら出勤してきた。

「パーティに行って良かったなぁ~。俺は、おまえがあのままストーカーになったらどうしようかと思ったよ」

社さんの一見失礼なセリフも全然、気にならなかった。それどころか、どんなに悪意ある発言も今日は気にならないだろう。それ程、俺は幸せな気分に浸っていた。

「そうですね」

「で、撮影会はいつなのかな?」

「詳細は琴南さんが打ち合わせる事になっていますから」


SIDE KANAE

琴南奏江はLME出版の社長室にいた。

「確認させて頂いて宜しいでしょうか?」

私は、今自分が聞いたことがにわかに信じられず、再度尋ねた。

「だから、写真を撮ると行ってもモデルのスチール撮影とかじゃないんだよ。小説のネタにするんだから、主人公の日常を切り取らなきゃならない。それこそ朝起きてから寝るまでの姿に加えて、喜怒哀楽をできるだけ多く、悩む姿や泣く姿だって必要だ。しかも自然な形で。ま、テレビ的にいうところの密着取材が必要なんだ」

「ということで、しばらくこの最上君を敦賀君と一緒に行動させて、好きな時に写真を撮らせてやって欲しい。

そうだな、とりあえず、敦賀君程の人物が住んでいる家なら、ゲストルームの一つや二つあるんだろう?そこに彼女を居候をさせてもらって・・・彼女を敦賀君の第3秘書として雇うというのはどうだろう?大丈夫。敦賀君の了承を得ず、撮った写真が公開されないことは保証しよう」

私は、その条件に絶句してしまった。社長って1人暮らしじゃない?しかも、秘書として職場にまで入り込む・・・って。

「すみません、なるべくご迷惑にならないようにします。でもこれは『京子』からの要望というか、『京子』の編集担当者からの強い要望なんです・・・。私も『京子』の編集さんには頭が上がらなくて・・・。」

恐縮してしまっている最上キョーコに続けて、宝田社長が続ける。

「別に、嫌なら断ってくれても構わない。『京子』は、次回作の執筆を焦っている訳じゃないし、私も彼女が納得が行くまで書かなくて良いと思っている。次回作は彼女のデビュー20年の区切になる作品だからな。正直、『京子』のモデルになりたいと思っている人間には・・・不自由しない・・・」

確かに『京子』ほどの作家のモデルになれるとあれば、どんな条件でも飲む人間が見つかるはずだ。もちろん、ウチの社長だって二つ返事でOKするだろう。

泰江はキョーコをちらっと見た。プロといってもまだ大学卒業直後だという。22歳だというが、容貌はまだ10代の少女と言っても通る。

「最上君は・・・少々子供っぽい所もあるが、それは君がしっかり指導してくれたまえ。ただ写真の腕だけは超一流だ。これでも藝大の美術学部を卒業している。『京子』は、最上君の写真以外を使うつもりはないそうだから、別のカメラマンを用意するという選択は無い。」

「とりあえず、社長にお伝えして明日、お返事を差し上げます」

私はそう答えた。

***

社長は私の説明を静かに聞いていた。

「もちろんOKだ。琴南さんは彼女の引越しの手伝いと秘書採用の手続きを進めてくれ」

やっぱり二つ返事か。
ここ最近の社長の『京子』への入れ込みっぷりは常軌を逸していた。たぶん、もし自分以外の人間にモデルの白羽がたったなら、その人物を脅して役を降りさせる位しかねない・・・と思わず私は身震いした。

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プロフィール

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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