スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

会いたくて(4)

SIDE KYOKO

私は、はっ、として先ほど紹介された敦賀蓮と名乗った男性をみた。

敦賀さんは、右手は差し出したまま、捨て犬が縋りつくような眼で私を見つめていた。しかし、目があうと、つっと、瞳を伏せてしまう。

----睫がなんて長いんだろう。

伏せた瞳にかかる睫の長さと、整えられた髪が一房、秀でた額に流れる様が美しい。男性なのに美しいという表現が良く似合う。しばらく見とれていると、宝田社長に肘でコツンと腕を押され、我に返る

「え、あ、ごめんなさい。あ、こうゆう時はありがとうございます、ですね。初めまして、敦賀さん。最上キョーコと申します。LME出版所属のカメラマンです。」と、差し出されたままの手を両手でそっと包む。

彼がびくっと驚いて瞳をあげた。私はその仕草が本当に初心な少年の様で・・・思わずにっこりと微笑んでいた。

「あの表紙を私が作ったという事は内緒にしておくつもりだったのに、宝田社長がいきなり言うので驚いてしまいました。それに、プロといっても、今年、大学を卒業したばかりですし・・・先生なんて呼ばないでください」

「いや最上君、あの表紙はなかなか好評なんだぞ。君が写真集を出したいというのなら俺は喜んで協力するといっているじゃないか。実際・・・ここにもファンがいるんだし」

宝田社長の言葉に敦賀さんが大きく頷く。

「でも・・・私はあの写真はあくまで『京子』の作品の添え物だと思ったから世に出せたんです。まだ私の写真はそれだけで世に出せるようなレベルに達していません。お目汚しになってしまうだけです」

私は力説した。

「相変わらず厳しいな・・・」

宝田社長がつぶやく。そして気を取り直したように今度は敦賀さんに向かって言った

「ところで敦賀君」

彼が背筋を伸ばす。

「はい、なんでしょう?」

「彼女は謙遜しているが、次の『京子』作品の表紙も彼女でいく事は決まっている。それどころか、彼女の写真にインスパイアされる形で『京子』が作品を書き上げる事になっている」

「「え?」」

私は驚いて宝田社長を、敦賀さんは驚いて私をみた。

(それはトップシークレットでは?)

「『京子』の次回作品のタイトルは「美しい男」というんだ。最上君が美男子の写真を撮って、それをもとに『京子』が作品を書き上げる」

「既に最上君には私の芸能プロダクション所属の見目の良い男をモデルとして提供しているのだが・・・なかなか『京子』の創作意欲を掻き立てる写真があがらなくてね」

私は嫌な予感がした。

「そこで、だ。敦賀君。君、最上君に写真を撮らせてあげてはくれないか?君は美しい。少なくとも『京子』もそう感じた、とサインがあった。

京子に直接会わせてあげることはできないが、京子の作品に出演することで彼女に会う、と言うのはどうだろう?実際、彼女は美しい男が見つからなくて困っている。君が彼女を写真を通じて助ける事ができるんだ」

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



スキビ☆ランキング

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。