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会いたくて(1)

パラレル話を開始します。前半は設定の説明とかもあるので、くどいと感じるかもしれませんがお付き合いくださいませ。基本的な性格とかは一緒です。

20話以降は、すこし蓮が酷い事をするKシリーズと、甘ったる蓮様のAシリーズに分かれます。番号の後のアルファべトで区別してください。どちらも読んで下さる方は、どちらかといえば、最初に書いたKシリーズからどうぞ。



SIDE REN

一瞬、自分が次に何を言おうとしていたのかを忘れてしまった。目に飛び込んできた茜色の長方形に意識が囚われる。

「社長?」

目の前の秘書が不思議そうな顔をして問いかけている。それでも、返事をしない俺に、

「蓮?気分でも悪いのか?」
もう一度、名前を呼ばれ我に返る。

「あ・・・社さん。驚かせてすみません。あなたが手に持っているそれが気になって」

俺は、社さんの持っていた本の表紙に暫く見とれてしまっていた。


SIDE YASHIRO

仕事に関係ない物に興味を持つなんて・・・蓮にしては珍しい事もあるものだと思う。

目の前にいる『社長』こと『敦賀蓮』は、ヒズリグループの御曹司だ。グループのホテル部門の経営に参加してから5年。父親譲りの才覚で事業規模を3倍に拡大してしまう辣腕ぶりを発揮している。

そして・・・「超」が付く仕事人間。
仕事に熱中している、というよりも、仕事以外の物に興味を持っていないというが正しい。食欲とか睡眠欲とか、人間の根本的な欲求ですら麻痺してしまっていて、必要となれば、2,3日位平気で寝食を忘れて仕事し続けてしまうような男だ。

そんな仕事以外に関心を示さない蓮がめずらしく、俺が持っている本に興味を持ったと言う。

「この本『京子』の最新作なんだけど、いつもタイトル文字しかない彼女の本の表紙に初めて写真が採用されたって話題になっててな。ちょっと良いだろう?」

そう言って、蓮に本を手渡す。蓮は本をパラパラとめくりながら、

「『京子』って誰ですか?」

と聞いてきた。あいたたた・・・

「おまえ~。ホント仕事以外に興味無いんだな。『京子』は超売れっ子の作家で、もう何年間も日本の文学界でトップセールスを記録しているんだぞ?」

「すみません、そうでしたか。」

「蓮・・・これは『京子』の最新作かつ最高傑作と言われるだけあって、一読の価値がある。いや、お前にとってには何も価値が無いかもしれないけれど、『京子』を読んでおけば、レセプションの時とかで話のネタに困った時に使えるぞ?」

----だから読んでみろ。

そういって、蓮に本を押し付けた。仕事以外の事、特に心の機微に関する事にもう少し興味を持った方がいい、と俺は常々思っていた。いつものようにやんわりと拒否するか?と思っていたら、

「ありがとうございます。社さん、ではしばらくお借りしますね?」

そう言って奴が受け取った。にっこりと微笑む蓮に俺は少々・・・いやかなり・・・驚いた。

蓮の外見は『その美しさはもはや人ではない』と言われる程の母親の美貌を受け継ぎ、奇跡のように美しい。しかし美しいという女性に対する賛辞しかあり得ない外見なのに、同時にこれ以上なく男らしい。

ヒズリグループの御曹司。そんな銀のスプーンをくわえて生まれた上に、才能にも容色にも恵まれた蓮に子供の頃から、男女問わず下心をもって近づいてくる人間が後を絶たない。だからというか、蓮はいつも薄く「愛想笑い」という名前の心のバリアを張り巡らしていて、滅多な事で表情を崩すことがない。

そんな蓮が、本一冊で本物の笑顔を浮かべるなんて・・・。
しかし、一体どうすると『京子』の名前すら知らないって事になるんだよ・・・全く、しょうがない奴だ。

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プロフィール

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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