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料理が得意な彼女(22)

SIDE REN 

キョーコと同じトーク番組に出ることになった。

同じ、といっても俺が彼女が出演する次の週のゲスト・・・というだけで、共演という訳ではない。アールマンディCMの好評を受けて、撮影秘話などを話す予定だ。

でも収録は2本撮りのため同じ日に続けて行われる。俺は社さんに頼んで前の仕事を調整してもらい、キョーコの収録をスタジオの片隅で眺めていた。予想外なことに、俺が贈った携帯ストラップが話題になっている。キョーコはそれを『ファンからのプレゼント』として軽く流した・・・。

(そうだよな・・・俺がどんなに気持を込めたって・・・)

気持が暗くなる俺にさらに追い打ちをかけるように、もう一組のゲストの男が、

「キョーコちゃん!そのストラップ直ぐに外して『坊』に戻しなよ!」

といった。

(何なんだ、あいつ!キョーコに気があるのか?)

「確かに~、ファンからのプレゼントは嬉しいけど、手作りでしかも『おまじない』が掛けてあるとなると~ちょっとNGかなぁ~?携帯って、肌身離さず持ち歩くものだしね?」

(そう・・・かもな。)

ファンからのこの手のプレゼント・・・きっと普通は使わない。でも、俺の目の前でそのストラップを外されたりなんかしたら・・・この後の収録で、俺はまた余計な事を口走るかもしれない。益々、気が重くなる。---こんな現実を直視させられるなら、見に来なければ良かった。

「えっと、これは・・・このままで・・・いいんです。」

しかし、キョーコから予想もしない言葉が飛び出た。そして、あれよあれよと言う間に、俺がキョーコにストラップを贈った事が暴露される。キョーコは可哀そうな位に動揺してフリーズしていたが、沈黙を破ったのは、

「あっ・・・・はい、良いお付き合いをさせて頂いています。」

という俺が君の恋人だと認める言葉。
体中の血液が一気に逆流して頭に血が上るのが分かる。耳元に心臓があるかのように、自分の速くなった鼓動が聞こえてくくる。

----不味い。

どうしよう、今すぐセットに乱入して彼女を抱きしめたい。動きだしそうな自分の足を屈んででギュッと押さえつける。

「よう色男、良かったな?」

突然、斜め上から、ここに居るはずのない人物の声が聞こえる--------見上げると社長がいた。なんでここに?

「お前が沖縄のガラス工房で『おまじないストラップ』を手作りする・・・な~んて、乙女チックな事をした、って聞いてな。イズミ君を沖縄グルメを紹介する番組のレポーターとして送っておいたぞ?」

(-----え?)

「ちなみに、お前たちに、おしゃれイ○ムの仕事を入れたのも俺だ。」

(-----まさか?)

「ま、期待通りだな。
アールマンディには、最上君がお前の恋人だ、と知らせた上で、今回のCMに彼女が出演していることを公表してもいい、と話はつけてある。ほら、お前の愛しい最上君が困ってるぞ?とりあえずあの場を収拾して来い。ディレクターには俺から話をつけておく。」

そう言って、ニタっと笑った。

(----もしかしてこうなることを予想して?)

俺は・・・この人には一生勝てる気がしない・・・心の底からそう思った。


***

俺はセットの後方に素早く回りこみ、ゲストの登場口を押し開く。
最上級の笑みを湛えながらセットの中央に進み、司会者はおろか共演者からも質問攻めにあって口をパクパクさせているキョーコの後ろに立った。

「こんばんは「京子」さんの恋人の敦賀蓮です。彼女と俺は来週のおしゃれイ○ムにゲストとして出演させて頂きます。色々そこでお話しさせて頂きますので、是非見てくださいね!それではまた来週!」

と言って、カメラに向かってにこやかに手を振って見せた。そして、唖然としている他の出演者の顔をぐるっと見回し、手を振るように目で促す。

「ほら、キョーコもちゃんと手を振らないと。」

(なんで敦賀さんがここに!?)

といった表情で固まっているキョーコの手をとり、ひらひらと振って見せる。全員が手を振るのを確認し、

「はい、カット!お疲れさまでしたー!」

と、監督風に声をかける。

「さ、これで1本目の撮りは終了。2本目に行きましょうか?あ、でも休憩を入れた方がいいですよね?それじゃぁ30分後ということで、よろしくお願いします。」

そう言って収録を強制終了させ、そこに居るほぼ全員が唖然としているスタジオから、同じく茫然自失状態のキョーコの肩を抱き、控室と向かった。


***

SIDE KYOKO

正直、何でこうなったのか、展開の早さに付いていけない。

敦賀さんと付き合っていることを認めてしまって・・・どうしよう!・・・と思っていたら、ご本人様が現れた。そして、私もアールマンディCMの共演者として、おしゃれイ○ムに2週連続で出演することを教えられた。

「『京子』がアールマンディのCMに出ているって名前が出せるのは次回からじゃなかったんですか!?」

と、敦賀さんに聞くと、

「あぁ、今回も出てるって言っていいって。しかも恋人同士の共演になってるってことも確認済みらしいよ?」

「誰がそんな確認を!?」

「社長。」

----社長。そう言われて・・・私は何が起こったのか・・・理解できた気がした。

***

収録が始まった直後には、何事も無かったようにアールマンディのCMの話をしたけれど、本題(!)に話が振られるやいなや、敦賀さんが、

「俺たちは結婚を前提にした真面目なお付き合いさせて頂いています。
 ----あれ?これじゃ交際宣言というより、まるで婚約宣言みたいだ・・・。」

などという爆弾発言を、はにかみながら!最上級の神々スマイルでおっしゃった。

(な、な、何て事を口走るんですか!?)

さらに加えて、あろうことか、

「でも本当に、この先もずっと君の美味しい手料理を食べられたら幸せなんだけどな?」

(これって、まるで・・・。)

「ん?君の手料理なら、ちゃんと残さず食べるよ?」

私が敦賀さんの食事事情の事を出されると弱い事を知ってるくせにっ。

「----残さず食べてくれるのなら、作りますよ?」

そう答えるや否や、私はセットの中だというのに口付けられていた。

FIN

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プロフィール

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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