スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

LOVE PHANTOM(32.5表)

時系列的には32と33の間のお話です R12位? 

SIDE REN

神楽坂からタクシーに乗りこみ、自宅に向かう。
キョーコをしっかりと腕に抱き、その感触に酔いしれながら・・・。

もう絶対に手放さない。

学生時代の俺は、キョーコの幸せを願い、キョーコの夢を叶える事ために力を尽くし、キョーコが大切に想う全ての物を自分も尊重したいと思っていた。一方で、彼女に感じる独占欲や嫉妬心はキョーコを自分から遠ざけるモノだと嫌忌し、聖書が語るような理想的な『愛』を彼女に捧げようと努力していた。

俺は、修道士にでもなるつもりだったのだろうか?

彼女が欲しいという欲求を原動力に、欲しいという気持ちにブレーキを掛ける。その矛盾した仕組みを人は理性と呼ぶのだろうけれど・・・それが過ぎた自分は、自壊したのだ。間抜けにも程がある。

そして、彼女に別れを切りだし・・・彼女は去った。俺はその現実を受け入れられず、また逃げたのだ。リックの時と同じように。しかし、今回もやはり時間が解決してくれたらしい。街で偶然キョーコを見かけたのは、ちょうど俺の中で答えが出た頃合い・・・やっぱり運命だったのだと思う。

彼女を一目見て気が付いた。

人を好きになる・・・大勢の中から「この人が良い」と選ぶ・・・その時点で、俺のキョーコへの気持ちは綺麗事だけでは済まなくなっていたと言う事を。

つまりは。俺の心を彼女が占めているように、彼女にとっても俺以外の人間は「その他大勢」になればいい。俺以外の男に、彼女の心が一片たりとも割かれるのは我慢できない・・・そうゆう感情は、とても自然で人として当たり前だと言う事を。

----力のある雄が他の雄を駆逐して、自分の気に入った雌を囲う。

人間はそうゆう本能を持つ生き物だったはずだ。

「苦し・・・」

キョーコが腕の中で身じろぎをした。つい、俺の腕に力が籠ってしまったようだ。

「あぁ・・・ごめんね?」

彼女の訴えに、少しだけ腕の力を緩める。すると、

「ううん・・・私こそ・・・私、また蓮に頼って・・・また、迷惑を掛ける・・・」

そう言って、俺に縋りついていた腕を解き体を離そうとする。それを、俺は再度キョーコを腕に抱き込むことで阻止した。

「迷惑じゃないよ。キョーコの事をそんな風に思った事なんて一度も無い。だから、余計な心配はしなくていい。余計な事は考えないでいい」

何も考えなくていい・・・何も考えないで・・・何も考えなくなる。

俺は彼女に暗示を掛けるかのように、頭や背中を優しく撫でながら、囁きかける。するとキョーコの身体から力が抜けていき・・・程なくして彼女の寝息が聞こえ始めた。




SIDE KYOKO


蓮の腕の中は相変わらず温くて気持ち良かった。

過去、数回しか入れて貰った事がなかったけれど、私はその感触を覚えていて・・・体の中を駆け巡る温かい何かは、私の悲しみや恨み、不破家に裏切られた事に対する暗い気持ちを溶かしていく。

「余計な事は考えないで・・・」

さらに、優しい蓮の声に従って・・・私は素直に頭の中を空っぽにする。すると心の緊張が、絡まった糸の様なものが、プツリ・プツリと切れるように解けていく。

(蓮の香り・・・変わってない・・・)

それがとても嬉しくて・・・安心できて・・・そういえば、夕べ、私は蓮の事を思い出してしまい一睡も出来なかったな・・・そんな事を思いながら、そのまま暖かい場所で意識を手放してしまった。


***


突然の状況変化に、頭が付いていけなかった。

ついさっき・・・私は蓮の腕の中で気持ち良く眠りに落ちたはずだった。しかし、パチリ、と突然目が覚めたのだ。すると目の前には人の顔。始めは距離が近過ぎて焦点が合わなかったけれど、すぐに、長いまつ毛に縁取られた形の良い目が誰のものか気付いた。瞼が閉じていても分かる、彫りの深い造形は彼しかいない・・・そして、これは・・・

(もしかしなくても、キスされてる!?しかも、うんと大人のやつーーーー!!!)

もう、私も20代半ばでいい大人なのにと、自分に突っ込みを入れつつも、私にとっては未知との遭遇。
昔、数回だけ蓮としたキスは、こんなんじゃなかったのだ。そっと唇を合わせ・・・その後は、ちゅっちゅっと唇を啄ばまれるようなものか、はむっと唇を全体をかるく咥えられるようなもの。こんな風に、口中を舐め回すようなキスは、くちゅっ、と、水音が脳に響くようなキスは・・・噂話でしか聞いた事しかなかった。

(でも、そんな事はどうでもいいです。それよりも重大事件発生の予感です!)

背中の産毛がぞわりと逆立つような感覚。本当は背中だけじゃない。全身の皮膚が・・・服を着ている感触を伝えてこないのだ。

しかも、ささやかな私の胸には意思を持って動く手。下から持ち上げるように、円を描くように、まるで子供の粘土遊びのように、私の胸の形を変えることを楽しんでいる様に動いていた。もちろん、それは私の手ではない。

(うう・・・これは、どう見ても、キスされながら胸を弄られています。しかも裸で・・・)

私は魂が半分身体から抜け出して、自分の状況を客観的に観察しはじめていた。これが貴重な幽体離脱体験・・・と、現実逃避していた私を、体の中に連れ戻したのは蓮の声。

「起きた?」

普通に、本当に普通に声を掛けられる。でも、少し遠ざかった蓮の顔は、始めて見る表情を湛えていた。

(夜の帝王!?)

少し細められた目からは、視線だけで人の心を支配できそうな力を発しているみたいで。しかも、その口から語られる言葉は絶対の真理。逆らう事が許されない至上命令・・・そんな風に思うなんて、馬鹿馬鹿しいと思うのに、それをどこか完全に否定できない自分がいる。何か、決してお天道様には顔向けできない何かミエナイチカラが干渉しそうな気がしてならないのだ。

(怖い・・・凄く)

私は心の中で一斉に白旗を挙げた。すると、じっと私を見ていた蓮が

「抵抗しないの?」

と聞いて来た。今の彼に抵抗なんて・・・逆らうなんて、とんでもない。訳の分からないプレッシャーに、

「しない・・・」

と即座に恭順の意思を示すと、プレッシャーが少しだけ和らいだ。

「勝手に服を脱がしちゃってごめんね?あの服、贈った時から自分の手で脱がせたいって思っていたから、堪らなくて・・・」

(何だか、凄いこと言われたような・・・)

謝っているのか開き直っているのか、分からない・・・そう、心の中だけでツッコミをいれていると、

「大人しく身を任せてくれるのなら、優しくしてあげるから・・・」

蓮が私の耳に唇を寄せそう囁いた。それはまるで戒めの呪文のようで・・・私の体は、おかしな程、力が入らなくなってしまった。





続く・・・あー、じらしてすみません・・・キョコさんに贈った服を脱がせたかった、と蓮さんに言わせたかっただけの回

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



スキビ☆ランキング

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。