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料理が得意な彼女(20)

SIDE ICHIHARA

『恋人ができて敦賀蓮が変わった』

業界内でちょっと有名な話だったが、若造のくせに良い意味でスタイルが確立している蓮がそんなに変わるとは信じ難かった。

しかし・・・蓮の変化は想像以上だった。

だから、キョーコちゃんがあの色気を真正面から当てられてパニックを起こし、蓮を突き飛ばしたのも無理はない、と思った。

実力派女優として名前が売れてきているとはいえ、イメージ通り清純派の『京子』。前回俺が仕事を頼んだ時に、結局彼女を使わなかったのは、恋愛面が未熟だった部分が大きい。今回もまだ彼女には早すぎたか、それとも蓮が凄すぎるのか、そう思っていたら、彼女の雰囲気がガラリと変わった。

----とんでもないものが現れた。

それはまるで白いスクリーン。『京子』から自我が消えた。それに合わせるように、蓮は奴が思い焦がれているという恋人を『京子』の上に見事に描き始めた。望んだ以上の絵が取れて、俺は最高にいい気分だった。

そして、夜のパートの二人の絡みが始まる。また朝のように『京子』が蓮の想い人を写す鏡になるだろう、そう予想していた。

撮影が始まると、蓮は久しぶりに『彼女』に会えた男が持つ、独特の飢餓感をたっぷりとその身に纏った。折しも、外はちょうど日が落ちる時間で背景の夕焼が雰囲気を添える。

(色気が朝のシーンの比じゃねぇし・・・)

一方の京子は、久しぶりの再会に戸惑う風で、純情そのものといった佇まい。

(ちぐはぐ、だよなぁ。)

京子は『彼女』を演じているけれど、雰囲気がバラバラな二人、こりゃ駄目だわ、そう思っていた。しかし、蓮が京子の側までくると、まるで京子の演じる『彼女』と同調するように、蓮の飢餓感がすーっと消え・・・『純情可憐』・・・およそ敦賀蓮には似合わない雰囲気の男が現れた。

(おいおい、とんでもない奴を引きずり出したなキョーコちゃんよ。)

京子が蓮にそっと寄り添う。絵コンテでは濃厚なキスシーンを指示していたのに、実際に二人がしたのは、蓮からキョーコちゃんの頬への軽いキス。でも、俺は酷く切ない気分になって、

----二人のキスシーンに見とれていた。

(もしかして・・・このふたり?)

しばし呆然としていたが「監督?」とスタッフに声を掛けられて我に返った。

「カットー!いやぁ、予定とは違うがずっといい!OKだ!」

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Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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