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Mr. and Mrs. heel(2)

馬鹿話は書いてて楽しいですね。サクサク筆が進みます。



SIDE REN

俺が片思いする少女が隣に座っている。黒ずくめの、露出の激しい服を着て。
カイン・ヒールの妻、雪花・ヒールとしてふさわしい衣装・・・らしい。

チラリ、とその姿を盗み見れば、まるで下着のビスチェの様な・・・前を紐で編み上げるタイプのトップスからは胸の谷間が見え隠れしているし、深いスリットが入っているミニスカートでは、社長室のソファに座るとスリットが開いて・・・

(見えそうだしっ!いや、見えてるだろう!)

----白い足の付け根に少しだけ覗いている桃色のレース

俺は社長の目の前だというのも忘れ、思わず頭を抱えてしまう。

(あーーーもーーー!見えそうだしっ、いや、見たし!)

そんな俺の姿に・・・これ以上無い程、哀れなものを見る目で、しかし同時に愉悦に満ちた表情で見ていた社長の表情を、俺は頭を抱えていたため見る事は無かった。いや、頭を上げていても動揺してそれどころではないかったかもしれない。

(俺は、見ていない。何も見ていない・・・)

目に焼き付いてしまっている桃色を、何とか頭の中から打ち払おうと必死になる。だから・・・というのは言い訳だけれども、しばらく社長の話を聞いていなかった。

「分ったな蓮!」

そう言われて、はっと、我に返る。そして社長と目が合うと・・・ニヤリと笑われた。
まるで全てお見通しだと、お前、俺の話なんて聞くどころじゃなかっただろう・・・?と、言わんばかりの視線に、

「分りました」

と、答えるしかなかった。すると社長は真面目な顔になり発破をかける。

「必要最低限、仕事で「敦賀蓮」を演じる時以外は24時間カイン・ヒールになりきれよ!」
「はい」
「全力で演れ」
「はいっ!」

もちろん、言われなくてもそのつもりだ。

(例え演技であっても、人を傷つける・・・)

カイン・ヒールだって、架空の人物であるけれど・・・敦賀蓮に比べたら本来の俺・・・クオン・ヒズリに近い。クオンとして、人を傷つける演技を、演技だと割り切ってこなさなければならない。

----B.J.を何としても演り遂げたい

社長の横やりで何だか変な設定(雪花・ヒール)が加えられたけれど、だからと言ってこの気持ちに変わりは無い。

「最上さん、俺はこの役に役者人生を掛けているといっても・・・

過言じゃない、そう伝えようと思って彼女の方を見てぎょっとする。
なぜなら、そこには、まるで燃えカス(?)の様な、少しでも触るとボロボロと崩れ落ちそうな人型があったのだ。

「ど、どうした?」

思わず声をかけるけれど、返事は無い。目は虚ろで・・・でも、良く見ると微かに口元が動いていて、何かブツブツと呟いていた。

「・・・つんで・・ぶらぶ・・・」

(!? 一体、何事?)

少し冷えた頭で彼女を観察してみると、その手には一枚の紙をしっかり掴んでいて・・・いつの間に、手にしたのだろう?書いてある内容と彼女のこの態度に関係があるのか?と思い、覗きこんでみれば、


------ヒール夫妻・設定 (秘)------

雪花・ヒール:199x年生まれ、17才。日系イギリス人。母親は純日本人、父親が日系イギリス人。両親は子供の頃離婚。幼い頃に離婚を通じ、男女の修羅場を見ているので、恋愛拒否症だったが、カイン・ヒールに猛烈アタックされ落ちる。
カインに対する言葉は冷たいが、態度は甘々。露出の激しい服装は「カインの色に染まり」たいという、無言の愛情表現。カインに纏わりつかれるのを口では拒否しながら、実はスキンシップ大好き。母親に代わって家事をしていたので、家事全般が得意で面倒見が良い。

カイン・ヒール:199x年生まれ、21才。
日系イギリス人。母親がイギリス人、父親が日系イギリス人。育児放棄気味の両親の下、ローティーンからグレはじめる。喧嘩が強く、他人を半殺しにするのは日常茶飯事だったが逮捕歴はない。小さい頃に別れた幼馴染の雪花との再会を切っ掛けに更生を決意し、本格的に役者を始める。
食欲や所有欲自体は極めて薄いが、睡眠欲と性欲は旺盛。普段は寡黙で他人と最低限のコミュニケーションしかとらないが、雪花に対しては時に饒舌になる。

ヒール夫妻
カインと雪花は幼馴染。雪花が両親の離婚を切っ掛けに引っ越す事で別れるが、ロンドンで再会。カインの猛烈アタックにより再会して3ヶ月で結婚。いつでも雪花を腕の中に囲おうとするカインに対し、「ここをどこだと思っているの?止めてよカイン、もう、仕方ないわね、ちょっとだけよ?」な態度は、どう見てもツンデレで、そのラブラブっぷりに周囲は引き気味。





「・・・なんだ、これ?」

あんまりな内容に、俺は固まった。
そして、どこまで俺(達?)で遊ぶつもりなんだと、社長に抗議しようと顔を上げたけれど・・・既にそこに社長の姿はなく・・・

「逃げやがったな」

思わず口汚くなったのは勘弁してほしい。

「最上さん?こんな、社長の勝手な妄想設定は無視して、これとは別の役作りをしようね?」

まだ灰のままの最上さんに優しく問いかける。

「別の・・・?」
「そう」

なのに、びくぅぅぅぅぅ、最上さんの体がその場で跳ねあがった。それから、ぎぎぎ、とまるで油の足りない機械のようにゆっくりと、しかし確実に、俺から距離を取ろうとする。

「どうした・・・?」

そのおかしな態度を訝しんでいると。

「つ、ツンデレで結構です、どうかこのままでお願いしますぅぅぅーーーー!」

と彼女が足元で土下座を始めた。いきなりの事に、俺は土下座を止める暇も無く・・・またもや「理性の紐耐久試験状態」に叩きこまれた。

(そんな格好で土下座なんてしないでくれぇぇぇーーー!)

ちょっと、まって、お願いだからっ、俺は内心絶叫する。
正座をしながら膝前に手をつき、でもしっかりと上を向いて俺を縋るように見上げるその瞳からは涙が溢れそうで・・・。

胸の谷間が・・・スリットから桃色が、なんてレベルではない。
ビスチェは胸から浮いているし、スカートは不自然に引っ張られたため、背中に隙間ができていて・・・それを、上からまともに覗きこんでしまった俺は、俺は・・・

「分かったっ、分かったから!・・・土下座はやめ、立って、立って!」

と思わず言ってしまったのが・・・この設定が有効になった瞬間だった。



実は、最上さんが

『ヒール夫妻・設定-別案』

という別紙を社長から渡されていて、それが、元SMの女王の雪花と、隠れ下僕のカインというとんでもない設定だったとか、社長の話を聞いていないにも関わらず「分かりました」と俺が返事をしていたのが、実は社長の設定を受け入れる了承の返事だったのを知ったのは・・・また後の事。



責任者出てこい!(by敦賀蓮)

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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