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LOVE PHANTOM(30)

最近ヤル気復活気味・・・


SIDE KYOKO

司法試験に合格した後、私は生活リズムを少しだけ緩やかにした。

本当は私の実力が足りない事は分ってる。だから、試験に合格したとしても弁護士として必要な知識を身につける勉強はしっかりと続けなければならない、と思う、けど、

(とりあえず・・・沢山、蓮とデートしなくっちゃ)

何気なく、その事を奏江に話したら、

「彼氏が司法試験の受験生だからって・・・10年以上も彼氏を待ち続けた彼女の話って、結構聞くわよ?それに比べて、アンタは2年も掛かってないんだから、そんなに気にしなくても・・・って本当は言いたいところだけど・・・」

そこで、親友が難しい顔をして眉間にしわを寄せた。何、その顔?って思っていると、

「長いとか短いとか、普通はどうかって関係ないのよね。敦賀さんは、何かに縋らないと気持ちのバランスを保てなくない位、ギリギリって・・・そんな気がするから、大事にしてあげなさいよね?」

真摯な瞳に添えられた言葉にドキッとする。

「私・・・そんなに蓮をないがしろにしている様に見えた?」
「そうじゃない、そうじゃないんだけど・・・ごめん、二人の間の事に部外者が口を出すべきじゃ無かったわ。今の忘れて?」
「え?でも・・・
「でも、クリスマスは一緒に名古屋に行くんでしょ?」
「あ、うん」
「お母さんに紹介するんでしょ?」
「一応、そのつもりだけど・・・」
「敦賀さん、楽しみにしてるでしょ?」
「みたい。最近は会う度に、その話ばっかりで、何って言うか、やけに機嫌が良いって言うか・・・」

なら余裕を取り戻したって事なのね、って泰江が言うけれど、ギリギリとか、余裕が無かったとか、いまいち言っている意味が分からない。

でも、やっぱり私がちょっと蓮に対して不誠実だったんだと思う。

(自己中心的、だったな・・・)

私は深く反省し、これからは蓮の事をもっと大事にしなくっちゃ、と思った。


***


「冬休みは蓮と一緒に名古屋に帰ろうと思うの。彼をお母さんに紹介しようと思うんだけど・・・ショーちゃんはどう思う?」

私は部屋に遊びに来ていた幼馴染な従兄に聞いてみた。すると、

「不可能だ」

と、予想外な返事を返される。不可能って・・・何で無理なの?と問いかけたら、すっと、目を逸らされてしまう・・・

「敦賀サンを冴菜さんに会わせようなんて考えるな」

そうして、またもや不可解な言葉を言う。

「なんで?蓮だって、私だってお母さんに一緒に会うの、楽しみにしてるんだよ?」

「駄目だ。絶対に止めろ」

そこまで聞いて、私はキレた。なんだか、いつもは柔らかい雰囲気のショーちゃんの顔が怖いけれど、この件は、譲れない、と思う。

「何、それ?何で命令形なの?もういいよ、聞いた私が間違いだった。蓮と一緒に名古屋に帰るもん」
「悪かったよ・・・でも、言う事を聞いてくれ」

そういって、ショーちゃんが更に険しい顔で・・・でも、何だか泣きそうな顔をする。でもすぐに、歯をくいしばるような仕草をして・・・目を逸らされてしまった。私は思わず、彼の視線を追いかけるように、顔を覗き込む。すると、がばり、とショーちゃんの腕の中に抱き込まれた。

「キョーコ、落ち着いて聞いてくれ」

(え!?)

キツイ抱擁に・・・私は驚きで声もでなかった。

「今まで、黙っててごめん」

さらに腕に力が込められて、正直、苦しい。でも、その次の彼の言葉に、そんな事はどうでも良くなる。

「冴菜さんは・・・亡くなった。だからもう・・・誰も会えないんだ」

・・・。
・・・・・。
・・・・・・・・・。

「な、何言ってるの、ショーちゃん?冗談でも・・・
「冗談でこんな事、言わない!言いたくない!!」

(ショーちゃんの体が僅かに震えている・・・)

触れ合う体からダイレクトに伝わってくるそれに、私の頭はショーちゃんが真実を言っているのだ理解した。
思いあたる節はある。癌が再発したのだろうか?覚悟を全くしていない訳ではなかった・・・だから、極力冷静に聞く。

「・・・いつ?」
「10月18日だった・・・」

(ジュウガツジュウハチニチ?)

私は、日時を反芻して愕然とする。今はもう12月。

「な、に、それ!?」
「すまない・・・」
「すまないって、何!?ど、して、私が、娘の私が、今、知らなきゃならないの?何で!?」

私は、まだショーちゃんに抱きかかえられたままだったけれど・・・力の限り暴れ始めた。

(信じられない!信じ・・・)

「お母さん、司法試験に受かったってメールしたら、次の日、メールくれたもん!『良くできた素晴らしい娘』って褒めてくれたもん!」

ぐるぐると、目が、世界が回っていると自覚できる程、頭が混乱してる。

「それは、冴菜さんが亡くなる直前に予約送信で打ったんだ・・・キョーコは絶対に受かるって信じてるから、って」

(!!!)

「何で・・・どうして・・・おかあさん・・・お・・かあさん・・・」

「冴菜さんは、亡くなってる。でも、生きていなきゃいけないんだ。対外的に・・・」

多分、ショーちゃんは何度も私に話をしてくれたのだろう。彼が家に来たのは夕方だったのに、気が付いた時には、もうすっかり夜が更けていた。やっと理解できた彼の話を纏めると、

----今年の夏、北米不破自動車でトラブルが発生した

テレビでも報道されたそれは、主力商品のプリシラのブレーキ欠陥で、不破自動車の過失を問う裁判は今も続いている。母が担当すればきっと完全勝利できるけれど、母は告発当初から体調を酷く崩していて全力で当たれない。
でも都合のいい事に、言いがかりの様な裁判は政治的な思惑も絡んでいて、ある程度、不破自動車側が勝ちを譲らなけれならない状況になっていて。不破自動車としては、最上冴菜をあえて担当から外すことで譲歩しているのだ、と相手に印象付けながら、でも、少しでも調子に乗れば、不破自動車は無敵クイーン:最上冴菜を法廷に出す用意がある。

----最上冴菜をチラつかせながら、実は全力で裁判を闘っているんだ

そうゆう事だった。

「だから、プリシラの裁判が終わるまで冴菜さんは生きていなくっちゃならないんだ。この事は親父と俺と、法務部のトップしか知らない」

「それは・・・お母さんの指示、なのね?」

母は、そうゆう人だった、と思って尋ねてみる。

「キョーコには知らせるな、って。ごめん。本当は・・・俺は知らせてやりたかった、ちゃんとお別れさせてやりたかった・・・」

そう言いながら、ショーちゃんが優しく頭を撫でてくれた。

「・・・お母さんらしい。分かった・・・・今まで、ありがとう。私に黙ってるの辛かったでしょ?」

徐々に、心が凪いで来る。ショーちゃんが私以上に心を痛めてくれていた事が伝わってくる。私の幼馴染はこの腕の中の様に、とても温かくて優しいのだ。

「礼なんて言うな・・・冴菜さんの遺骨は、実家で丁重に預かってる。裁判が終わったら、盛大に式を上げる、だから・・・それまで、部外者に知られないようにしてくれ」

「・・・分かった。分かったよ、ショーちゃん」

私は、何度も頷きながら、暖かい温もりに身を任せていた。

(私だって、不破の血が流れているんだもの。不破自動車の為に、この悲しみは乗り越えなきゃいけない・・・)





これで大体の伏線は回収できたかと…

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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