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misleading-前

2ヶ月近くご無沙汰してます。すみません。前作、Misunderstanding の蓮視点になります。Misunderstandingを先にどうぞ。

Misleading-誤解を招くあれとそれ-前篇


「螺旋の森」は俺が二十歳の時に主演を務めた刑事ドラマだ。

あのドラマを撮影している最中、LMEに性質の悪い風邪が流行して、社さんを含めた俳優部門の社員がバタバタと倒れた。そして社さんの代わりに「代マネ」として送られてきたのが最上さん。あの時、結局俺も風邪を引いてしまい、彼女に看病され・・・そこから、俺の長い初恋と片思いが始まる。

触れたい、抱きしめたい。でも、怖がられたくない。泣かせたくない。
だから、ゆっくりと彼女の今の気持ち---先輩に対する尊敬の念---を恋愛感情に変えてみせよう。そう決意し、彼女を追い詰めたりせず、恋愛恐怖症者が許容できるだろう距離を取って機会を伺っているのに・・・『鉄壁のガード』は益々高くなるばかり。

こうなったら、最終手段!!と、以前、劇的な効果を上げた頬へのキスを試みるも、

「世界に通じるトップモデル様ですものねー」

と、2度目はあっさりスルーされた。
万が一にも嫌われたらどうしよう、と俺が決行を悩んでいた日々は?いっそ唇にすれば良かったのか!?

「それでは、乾杯!」
「「「乾杯!!」」」

少し大きめの声が耳に届いて、はっ、と我に返る。
俺は主演映画『螺旋の森−The Movie2−崩壊の日』の公開記念パーティーに出席していて・・・乾杯の音頭の前、監督の挨拶を聞いている内に少々ぼんやりしてしまったらしい。

(さっき最上さんに会ったから・・・)

俺が会場に着くとほぼ同時に、礼儀正しく、律儀に挨拶に来てくれた片思いの人。相変わらず彼女の「パーティ仕様」はとても綺麗だった。容姿を売り物にする芸能界にだって、あれほど綺麗な女性はなかなかいない、と感じるのは惚れた欲目だけじゃないと思う。



パーティの間、共演者達と話ながらも目の端で彼女の動向を掴んでおく。すると、ふっ、彼女の周りの人が捌けた。幸いにも周囲に彼女に話しかけようとする人間はいない。これは話しかける絶好のチャンス、とばかりに不自然にならないよう、可能な限り素早く彼女の元へと向う。

「最上さん、お疲れ様」

「敦賀さんこそ、お疲れ様でした」

いつもながら、最上さんの綺麗なお辞儀に感心する。

「初めての刑事ものを終えてどう?」

「色々と、感慨深かったです」

「感慨深い?」

「4年前『螺旋の森』の撮影を見ていた時には、まさか自分も『螺旋の森』に出演して敦賀さんと共演させて頂くことになるなんて夢にも思っていませんでした」

「確かに、俺も・・・あの頃には君とこんな風になるなんて、思わなかったな」
(こんな長い片恋に身を焦がすなんて、思ってもみなかった)

「ですよね」

「本当に、君は立派な女優さんになってしまったね?今日のドレス姿もまた格別に綺
「そうだっ!乾杯しましょう!!!」

(また・・・)

ある時、最上さんは、俺に容姿を褒められるのを故意に避けている、と気付いた。最初はどうしてそんな事を?と理由を考えていたけれど、すぐに止めた。正直、どんなに考えても「不確かな予想」である以上、そのんなものに一喜一憂している暇も余裕も無い。それでも、

(胸が痛い・・・)

本当に痛む胸にそっと手をあて、グラスを差し出し彼女の誘いに応える。

「最上さんの益々の活躍を祈って、乾杯」

「っ、敦賀さんはこれからも活躍されること間違いなしです、乾杯!」

そう言って、グラスを一気に煽った彼女に「ワインをそんな風に飲むもんじゃないよ?」と言おうとしたら、

「LMEコンビ、発見~~~!」

共演者が声を掛けてきた。本当は二人きりで話したいけれど、ここはそうゆう場ではないから仕方が無い。そうして1人2人と人が集まってきて輪が大きくなり・・・自然と俺と最上さんは別の人の輪へと離れて行った。


***


「それにしても、見事なまでに酔っ払ってるねぇ・・・」

社さんが呆れている。

「私、酔ってなんかいませんよ?最上キョーコ、飲むなら乗るな!飲むなら飲まれるな!をモットーに、清く正しく、アルコールとお付き合いさせて頂いてますからっ!」

自信満々?に、最上さんが胸を張っている。

「最上さん・・・君は2次会を辞退して帰ったほうがいい」
「そんなっ!これでも私は準主役ですし、それに一次会のパーティーだってまだ始まったばかりじゃないですか!?」
「・・・いや、パーティーはもう終わりだから。社さん、タクシーを呼んで下さい」
「いえ、本当に大丈夫ですよ?」

『見た目があまり変わらなかったので分からなかったんです・・・』

パーティーの後半、最上さんと一緒に談笑していたユミカちゃんが申し訳なさそうに言っていた。

撮影中に仲良くなった2人は今後の仕事の話などをしていて・・・次々とアルコールの杯を重ねる最上さんに驚いて「そんなに飲んで平気?」と一応、注意をしたそうだ。すると最上さんは「まだ1杯目だから大丈夫だよ~?」と、彼女の前で3杯目を空けながら答え、驚かせたらしい。

恐らく、その時既に、自分が何杯飲んだか・・・記憶も曖昧になっていたのだと思う。監督が中締めの挨拶をした事も覚えていないし、時間感覚がかなり怪しい。

一般に、日本人はアルコールを摂取すると顔が赤くなる。
「酔い」の度合いは顔の赤さ加減で判断されると言ってもいい程だ。でも最上さんは「酔ってもあまり赤くならない」タイプだったらしく、深酒しているのを周囲は気付かなかったようだ。しかも、性質の悪い事に本人に酔っているという自覚が無い。

「本当に大丈夫なんですけど・・・でも社さんや敦賀さんがどうしてもって言うなら、監督にちゃんと挨拶をしてから帰ります・・・」

(そう言って、さっきも監督に挨拶してるんだよ!君は!)

さて、どうしたものか、と思う。
今日は俺もアルコールを飲んでしまったし、そもそも車で来ていないので送る事はできない。タクシーで帰るよう促しても、本人は、帰りません→(説得)→帰ります→帰る前に監督に挨拶します→挨拶中か?挨拶後か?に記憶がリセット→帰りません、と堂々巡りを繰り返していた。俺も社さんも途方に暮れ始めている。

「そうそう、キョーコちゃんは酔ってないよ!大丈夫だよ!!」

「社さん?」

先程まで、俺と一緒になんとか最上さんをタクシーに乗せようとしていた社さんが、急にまったく反対の事を言い出した!?、と思ったら、

「いや~、全く酔ってないキョーコちゃんを酔ったと言い張って絡んでいる、悪るぅ~~いオトコなのは蓮の方だよね~?」

「ちょっ、社さん!?」

突然、俺を貶め始め最上さん擁護に回ったマネージャー。一体、何を言い出すんですか?と焦ってしまう。

「い、いえ、そこまでは・・・でも、さっきから水掛け論ですよね?」

申し訳なさそうに、彼女がチラリとこちらを見る。俺が呆気にとられるいると、さらに社さんが、

「いや~、実はこんな風に蓮が意固地になるのは、蓮が凄く酔ってる証拠、酔い潰れる寸前なんだよね?だからさぁ、キョーコちゃんが蓮を家まで送ってあげてくれないかな~?俺は残ってフォローするから・・・お願い!」

と両手を合わせて、困り顔で最上さんを拝みはじめた。・・・これはひょっとして?

「あー、実はおかしいな、と思ってたんですよ~。敦賀さん、お酒に強いからご自身を過信してるんですよね~?お任せ下さい!ラブミー部の名をかけて、きっちり送らせてもらいます!」

そう言うと、最上さんは、さっさか歩き出して再び困惑顔の監督に挨拶をし・・・今度はちゃんと会場を後にしようとする。

「蓮、キョーコちゃんに送られるフリして、送ってこい」

社さんが、小声でそっと囁いてくる。

「流石・・・敏腕マネージャー」

「押して駄目なら引いてみろって言うだろ?ほら、早く行け、キョーコちゃんもう出口近くに居るぞ!」

「はい、お疲れ様です。あと、よろしくお願いします」

送るはずの俺を置いて行く?と内心ツッコミつつ、慌てて彼女の後を追いかけた。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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