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Misunderstanding

連載の続きをお待ちの皆さま、すみません。短編を思い付いて暴走しました。蓮視点の「Misleading」と対になる、お話です。misleadingは後日掲載します。07/04/23:30誤字修正


『Misunderstanding-誤解』


「螺旋の森」は敦賀さんが二十歳の時に主演を務めた刑事ドラマだ。

あの頃の私は、敦賀さんを大嫌いで。「打倒敦賀蓮!」をスローガンに掲げ並々ならぬ闘志を燃やしていた。けれども、代マネをさせて頂いて、敦賀さんの真摯な仕事ぶりに触れた事が切っ掛けで・・・彼は私が目標とするあこがれの俳優となった。

----そして、今では密かに片思いをしています。

おこがましくも、芸能界一のイイ男、相変わらず抱かれたい男ナンバーワンを連覇する男性に。

(「君は対象外」宣言を高らかにされているのに・・・未練がましく想い続けているなんて、相変わらず私ってば、馬鹿女なんだから・・・)

敦賀さんに彼女ができれば諦めも付く。
そう思うのに、私が二十歳にになった今でも、私の知る限り敦賀さんはずっとフリーで。しかも「新進気鋭の演技派女優」そして「可愛い後輩」として公私ともに結構近い距離にいるせいで・・・全然、諦めが付かないどころか、想いは募るばかり。

そんな事を考えながら、いつものように共演者の女性に囲まれている敦賀さんを少し離れた所から眺めていたら、彼と目が合った、気がした。

----あ

と思った時には「カリスマオーラ」の塊が目の前に立っていて、

「最上さん、お疲れ様」

そう、声を掛けてくれる。

「敦賀さんこそ、お疲れ様でした」

「初めての刑事ドラマを終えてどう?」

「・・・感慨深かったです」

「感慨深い?」

「4年前『螺旋の森』の撮影を見ていた時には、まさか自分も敦賀さんと同じ二十歳で『螺旋の森』に出演することになるなんて、思っていませんでした」

『螺旋の森』

この刑事ドラマは放送終了後も根強いファンの支持を受けて映画化されていた。

今回は映画化第2作目で『螺旋の森-The Movie2-崩壊の日』と題し、警察内部の汚職を題材としていた。相変わらず・・・こんな警官いないから!・・・と突っ込みたくなる位、超絶カッコいい刑事を彼が演じる傍ら、私は、一応、準主役級の女性警官役として出演していた。

今日は、その公開記念の打上げパーティーの日。

「確かに、俺も・・・あの頃には君とこんな風になるなんて、思わなかったな」

「ですよねー」



***



----チャラ

金属音を聞いた様な気がして・・・目を開けて・・・目の前にある自分の右手に違和感を覚える。

(なにこれ?)

見覚えのある銀の輪は、半年間の映画の撮影の間ずっと腰にぶら下げていたモノに似ている。

(手錠だよね?)

なんで?自分の手に?よく見ようと思って手を持ち上げようとすると、くん、と引っ張られて、意図した高さにまで上がらなかった。

(ん?)

不審に思って、対になるはずの銀の輪をみれば、そちらにも手首が嵌まっている。あれ?自分の手ってこんなに大きかったけ?これじゃまるで、男の人の手だわ・・・と思って、その手首の向こう、に目の焦点があって・・・私は驚愕した。

(なんで、敦賀さんがいるの~~~~~~~!!!)

信じられない光景をシャットアウトするため、反射的に目を閉じる。

(お、お、落ち着いて!!え、えっと・・・)

映画の打上げがあって・・・そうそう!!珍しく酔っ払った敦賀さんを、高級マンションまでタクシーを相乗してお送りすることになったんだわ!私はそのままタクシーに乗り続けて、一人暮らしをしている自分のささやかなマンションに帰って、お風呂に入って寝た・・・

(覚えが無い!!)

タクシーに二人で乗りこんだ所までは覚えてる・・・けれど、その後の記憶がない!?

動揺しながらも、そうっと、そうっと、目を開く。目の前には相変わらず敦賀さん・・・寝ているみたい・・・がいて、でも、その先には見慣れた姿見の付いたクローゼット。扉の取っ手にはモーコさんに貰ったお土産の人形がぶら下がっている。

(良かった・・・ウチの寝室だ・・・)

って、良くないよ!!
状況を再度確認するため、右手はなるべく動かさないように、静かに起き上がって・・・クローゼットの鏡に映った自分を見て、息が止まった。

(な、なんで裸!?)

空気が結晶化したような気がした。
肌を取り囲むもの・・・この場合空気しか無い訳だけど・・・それがビシッと音を立てて固まって、私を拘束する。そのまま、思考停止に落ちいり、自分の姿から目を離せないでいると、

目の前がチカっと光ったようになって、信じられない映像が脳内で蘇る。私は、少し前にも、

『鏡に映る自分』

を確かに見ていた。
断片的に蘇える記憶。敦賀さんの上に恍惚の表情で馬乗りになって・・あられも無い・・・嬌声を上げていた。

 -家に送るはずの敦賀さんが自分の部屋にいる。
 -手錠を嵌めて彼を拘束している。
 -私は昨夜、敦賀さんを組敷いて恥ずかしい声を上げていた。

もう、考えられる事は一つしかない。3、2、1・・・と頭の中でカウントダウンが聞こえ・・・

「ギャーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」

私は、あらん限りの声で叫んだ。すぐに叫んだ事を後悔したけれど、叫ばずにはいられなかった。

「うわぁ」

そうして何も知らずに、幸せそうに眠っていた王子様を・・・最悪な形で目覚めさせてしまった。



***



「申し訳ございません~~~」

私は敦賀さんと繋がった右手だけベットの上に残し、体はベット下に落として何とか土下座の形を整えた。もちろん、昨日の失態の許しを乞う為に。

「敦賀さんを襲ってしまった事、謝って許して貰える事じゃないのは分っています!でも謝罪させてください!!」

頭を上げずに・・・ううん、上げられません。暫く、部屋に沈黙が流れる。

「最上さん・・・もしかして覚えて無い?」

その問いかけに背筋が凍る思いがする。酔っ払った敦賀さんを、ちゃんと家に送るといって社さんから預かったのに、まさか、いくら片思いが辛くなったからって、一晩でもいいからって、最初で最後は彼がいいって、自分の部屋に連れ込んで、抵抗できない彼を組敷いて事に及んでしまうなんて、しかも、そんな大それた事をしでかしたのに、それを断片的にしか覚えて無いなんて・・・最低だ。

「昨日は私も酷く酔っ払っていたみたいでっ、前後不覚の敦賀さんを自分の部屋に引っ張り込んで、いくら好きだからってっ、うっ、無理やりなんてっ、今まで可愛がってもらっていたのにっ、信頼を裏切ってっ、ううっ、ごめんなさいっ~~~」

自分の浅ましさに溢れてくる涙を止める事ができない。

「最上さん・・・自分が悪いと・・・思ってる?」

「はい、私が100%悪いです!!いくら、私が敦賀さんを好きだからって、こんな事は絶対に許されません!!」

間髪入れずに誠意をもって返事をする。

「そう・・・」

罵倒される覚悟はできているのに・・・敦賀さんが黙ってしまう。きっと怒りに我を忘れ、言葉が出ないのかもしれない。部屋には、私が鼻水をすする音だけがやけに響いていた。

「あのさ・・・悪いと思ってるのなら・・・責任をとってくれる?」

「勿論です」

「じゃ、責任を取って結婚して?」

責任ニンヲトッテケッコンシテ、責任を取ってケッコンシテ、責任をとって結婚して!? 何を言われたか、私がやっとの思いで理解した時、

「はいぃぃーーーーーー!?!?!?!?!?!?!?」

私は、もう一度、叫んでしまった。



***



「俺・・・童貞だったんだよね」

「嘘!!」

「嘘だなんて・・・最上さん酷いね。君、自分がヴァージンなのに嘘付き呼ばわりされたらどう思う?」

そう、問いかけられて愕然とする。
抱かれたい男ナンバー1の敦賀さんが童貞なんてありえない!!って思ったけれど、そういえば、二十歳が初恋だって、それに、私が知る限り「噂」は沢山あったけれど、実際に恋人がいた事は・・・私の知る限り・・・無かった。

「疑ってすみませんでしたーーーー!」

改めて土下座をしてお詫びするしかない。

「分ってくれて嬉しいよ。俺はね・・・自分の童貞は結婚相手に捧げるつもりだったんだ、新婚初夜にね・・・」

「!!」

今更ながらに、自分がしでかしてしまった事の重大さに愕然とする。わ、私が・・・敦賀さんがずっと守り通していた純潔を酔った勢いで奪ってしまったなんて、最低だ・・・もう、言葉にならない。

「なのに・・・最上さんとこんな事に・・・もう俺は婿に行けない・・・」

「そんなっ、敦賀さん程の素敵な人なら、仮に「使用済み」だって、引く手あまたです!大丈夫です!!」

----ギロリ

敦賀さんに冷たい目で睨まれて、自分の失言に気付いた。

「俺は、もう婿に行けない気持ちなんだ・・・大切なのは、俺の気持ち、だよね?」

「ごめんなさい!おっしゃる通りです!!」

彼の意見を肯定するしか、私にはできなかった。

「だから・・・最上さんが、責任を取って俺を婿に貰ってよ。そうすれば、俺は純潔を失って後ろめたい思いをしながら生きて行かなくても済む」

----何かがおかしいよ!!

と頭の中では警笛が鳴るのに、確かに私が傷つけてしまった敦賀さんのために・・・他に出来る事を思い付けなかった。

「分りました・・・責任を取って・・・謹んで、敦賀さんをお婿様に頂戴いたします」

「良かった」

ほう、と安堵のため息をつく敦賀さんに複雑な気持ちが湧く。こんな形で敦賀さん人生を縛るなんて・・・。少し冷静になって欲しいから・・・

「でも、あの、敦賀さん・・・と私の間では、それで良いのかもしれませんが。マスコミや世間は、私がこのような形で責任を取らせて頂く事を納得いかないと思うのです。女性が責任をとって結婚するなんて、前例がないです・・・」

世間一般がどう考えるかを伝える。今思えば、これは私が敦賀さんの話を聞いて抱いていた「何かがおかしいよ!」という本能・・・が最後に声になった瞬間だったのだと思う。

「そうかもね」

あっさりと肯定されてしまって、理屈抜きで心がチクンと痛む。

「そう・・・ですよ・・・」

だから、犬にでも噛まれたと今回の事は忘れてください、そう喉元まで出かかったけれど、

「大丈夫、俺が責任を取る事にすればいいんだから」

「へ!?」

敦賀さんの、信じられないくらい艶やかな、そして明るい笑顔に、一瞬、面喰ってしまう。

「簡単なコトだよ?君が俺の子供を妊娠したから・・・俺が責任をとって出来ちゃった婚する事にすればいい」

「はい!?」

「だって、夕べ、俺達は避妊をせずに一線を越えてしまったんだから、君は既に妊娠しているかもしれない」

そう言われて、改めて自分の愚かしさに気付く。そして・・・そんな厭らしい考えが自分の中もあった事に今更気が付いてしまう。

(わ、私、敦賀さんの子供を妊娠して、彼に結婚を迫るつもり・・・が無かったなんて言えるの?)

あまりに、自分が情けなくなって・・・敦賀さんの陰りの無い笑顔を直視できなくて・・・思わず下を向いてしまう。すると、止まっていたはずの涙が、じんわり溢れてきて、ポタリ、ポタリと手の甲に落ちてくる。

「ごめんなさい・・・」

情けない事に謝ることしかできない。すると、

「もう・・・観念しなよ」

そう呟いた敦賀さんが、今だ手錠で繋がったままの手を掴んで、引っ張った。
あっ、と思った時には、視界が回ってベットの上に転がされてしまう。

「心配しないで?20代前半の健康な男女の妊娠確率は・・・結構、高いよ?」

そう言いながら、敦賀さんが私に覆いかぶさって来る。何をするつもりなのか?彼の意図を察して私は慌てふためいてしまう。

「お、落ち着いて下さい!ヤケを起こすのは、まだ早いです!!たった1回の過ちで人生を棒にふっちゃいけません!!」

「・・・1回じゃない、3回だから」

「はぅえ!?」

3回って、どうゆうこと!?と私が混乱しながらも、今度はハッキリと意識がある中で進んでいく行為の中、

(童貞だなんて・・・嘘!!彼が口で何と言おうとも、絶対嘘!!!)

と、私は理屈とか証拠とか、そうゆう事を全部飛び越えて、敦賀さんが嘘をついているという確信を得た。けれど、何故そんな嘘を吐いたのか、動機が分らなくて、考えている内に流されてしまい・・・

「ああっ!!!」

敦賀さんに貫かれた衝撃に・・・昨夜の出来ごとの全てを思い出していた。それでも、流される自分を引きとめられなくて、嵐の様な時間が去って我に帰ってから、

「敦賀さんの大嘘つき~~~~~~!!!!!」

盛大に叫んだけれど、それから約3ヶ月後、私は敦賀さんと結婚&妊娠報告会見を開く事になってしまった。

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放置イヤン

お帰りをおまちしておりますン
ボールギャグをかまされたままの放置プレイングで、涎のプールができちゃうぞ状態です。カムバック・
プロフィール

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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