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LOVE PHANTOM(25)

SIDE SHOTARO

世の中の犯罪の九割は失業率で説明できる、らしい。

アメリカ留学中・・・様々な人種が集まる貧富の差の激しい国での生活を通じて・・・本当にそうだ、と思える現実に度々直面した。経済的に一定の安定を自らの手で作っていける・・・それが人が誠実に生きるためにどれだけ大切な事か。その実感と共に、人を雇い、働かせる立場にある者の責任を痛感した。だから、

----不破家にとって結婚は大事な経営戦略

その家訓に誇りすら感じる。例え「俺、キョーコの事が無茶苦茶好きじゃん」と自覚しても、別の女との政略結婚を受け入れられる。

(だからといって、俺がキョーコを手に入れられないのと、キョーコが他の男のモノになるのは全く別の話だ!)

いつか、俺ではない誰かと、とは思う。
でも、それが現在進行形なのは我慢できない。俺が多分人生初めて自分から女に惚れた・・・その事実を受け入れて消化するまで・・・昔のように、キョーコには俺しかいない、そんな時間が欲しい。

(敦賀蓮に揺さぶりを掛けてやる・・・)

その程度で別れるなら、所詮、その程度のものだったって事。そんな諦めのいい野郎にキョーコをやれる筈もない。俺は自分の昏い本音にもっともらしい建前をかぶせ、キョーコにワザと席を外させて敦賀蓮に言の葉で切りつけた。



「あのさぁ・・・アンタ随分キョーコに入れ込んでるみたいだけど・・・程々にしておけよ・・・アイツは大学を卒業したら俺のモンだから」

一瞬にして、微笑を湛えていたキョーコの男の顔が動かなくなった。

「・・・どうゆう意味だ?」

「アイツは俺の婚約者だから」

目の前で、静かに怒りを湛えている男に・・・嘘を吐く。

「今まではさぁ・・・まぁ、婚約候補者リストの最後の方に辛うじて乗ってた位だったんだけど。俺の親父が、冴菜さんが病気になったって聞いてからキョーコの将来をすげー心配し始めて。分家の人間を説得して、順番をガツンと上げたんだよ。どうしても、キョーコに不破姓を名乗らせたいんだと」

無言のままの男に畳み掛けた。すると、

「・・・彼女は渡さない」

唸るような低い声。でも、同じ土俵に乗ったら負けだ。ビビってる場合じゃネェ。

「ご自由に?」

ワザと明るい声で返答する

「キョーコが俺の婚約者なのはまだ内々にしか決まってない。キョーコに正式に話が行った時にアイツが『俺よりお前が良い』っていうのなら、俺は別の相手と婚約する。それまでに、冴菜さんと不破家がキョーコに望む事に「否」と言わせてみろ」

さっき、敦賀蓮の「キョーコが俺の食べ残しを食べた時の顔」を見てピンときた。超奥手のキョーコとコイツの間には、まだ体の関係が成立していない。もっと言うなら、コイツが一人焦れている状態。それを煽ってやれば、きっとコイツは崩壊する。

「話はそれだけだ・・・帰るわ。メシ旨かったぜ、ごちそーさん」


SIDE KYOKO

ショーちゃんの大好物---プッ○ンプリン。

「ショーちゃんに俺を気に入ってもらいたいから」と張り切って料理を作ってくれた蓮の為、私も「ご機嫌取り」に協力したくて急いで買いに出た。なのに・・・部屋に戻ってみれば、リビングに幼馴染の姿が見えない。

「ショーちゃんは・・・トイレ、とか?」

玄関に靴が無かったのに気付いたけれど、まさか、と思い聞いてみる。

「いや、急用が出来たみたいで帰ったよ」

なんだか心ここに有らず、といった風情の蓮がゆっくりと食器を片づけ始めた。

「えー!?折角プリン買ってきたのに?」
「・・・うん」

急用なら仕方ないけど、直ぐに戻って来るって言ったのに。ああでも・・・もしかして長居をしちゃいけない・・・って蓮に気を使ってくれたのかな?不器用だけれども優しい幼馴染のやりそうな事。私が居たら、いつまでも彼を引き留めてしまいそうだったし・・・。

(このプリン、後でショーちゃんの新居まで届けてあげよう)

----ガチャン

お皿同士が乱暴にぶつかった音で我に返る。気付けば、蓮がキッチンに立って黙々と食器を片付けている。一瞬、何故か彼が怖い、と思ったけれど、直ぐに慌てて、

「蓮?ごめん、今日は大変だったよね?私も片づけを手伝うよ」

リビングに残っていた食器を持って、キッチンに入って行った。




食器を片づけた後、いつものように蓮の部屋で司法試験の勉強をしているはずなのに・・・

(何なんだろう、この私語厳禁状態は・・・)

普段は味わったことの無い雰囲気に戸惑ってしまう。
キッチンから僅かに響いてくる食洗機の動作音---グオングオンというモーター音と水音が混じった音---を聞きながら、まるで、遠くから迫ってくる嵐のようだと思った。

「あの、何か怒っていらっしゃいます?」

いつものように、少し離れた場所で論文を呼んでいる蓮に思いきって尋ねてみると、

「全然?」

あの後、ショーちゃんからメールが届いていて。開いて読んでみたら、急用が出来たから帰った事の謝罪の他に、蓮の食事と人柄を褒める内容のメールだった。私は嬉しくなってそれを蓮に見せたのに・・・それを見た蓮の表情は、今まで見た事も無い程、険しかった。ただ、それも一瞬の出来事で直に・・・胡散臭い?笑顔に戻ったのだけれども、思わず、

「あの・・・私が居ない間に何か・・・あった?」

そう聞いてしまい、いきなりツンドラ気候帯に属してしまった部屋の寒さに思わず身を震わせる。

(ちょっと、何があったのー!?)

「何もなかったよ?」

という笑顔の後ろにはブリザード。でも、ブリザードの後ろには・・・もっと別なものも見えるような気がするんだけど、覗いちゃいけないと本能が告げる。どうしていいか・・・途方に暮れてしまう。後で、ショーちゃんに聞いてみよう・・・そう思っていたら、まるで心を読んだように、

「本当に何もなかったから、幼馴染のショーちゃんに何があったかとか・・・絶対に聞かないように」
「ひっ・・・了解デス」

あまりに威圧的な声に、思わず声が漏れてしまった。何かあった。絶対にあった。でも、それは、私が聞いてはいけない事?

(何があったんだろう・・・)

いくら考えても、判断材料が何もない中で・・・答えを見つけるのは不可能な気がした。





なんか久しぶりで、ちょっと勘が戻らないですが・・・いつまでも書かないと更新が途絶えそうなので・・・。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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