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LOVE PHANTOM(17)

SIDE REN

----恋人との付き合いで大切な事、それは気持ちの『バランス』

片方の気持ちばかりが重ければ、交際は破局してしまう。過去の付き合いでは、俺の気持ちが軽すぎて・・・傷つけていたんだと思う。彼女達が去り際に残していった「決まり文句」

『別れましょう・・・貴方と一緒に居る時の方が寂しいの』

今なら彼女達が言いたかった事が良く分かる。
何故ならば・・・現在の恋人・最上キョーコとの関係に関して言えば、俺の気持ちの方が圧倒的に重たくて・・・彼女達の寂しい気持ちが実感できてしまうから。

でも同時に、顔を見られるだけでも嬉しくて。
キョーコはただの後輩でも、ましてや子分(怒)でもなく、恋人という立場に居てくれる。それだけで独占欲が満たされて幸せを感じる。彼女の俺に対する気持ちが、ちょっと軽いからって、別れる理由になんか成り得ない。その点に関して言えば、自ら別れを切り出した過去の彼女達の気持ちは理解できなかった。

俺は「バランス」を強く意識するため「やじろべえ」をイメージする。

(俺が気持ちをしっかり持っていれば大丈夫)

表面上は相手に合わせた「軽さ」の仮面を見せつつ、少しづつ彼女の気持を育てて、それに合わせて俺の気持ちも解放すればいい。

(徐々に好きになって貰えればいい・・・)

その時、俺は本気でそう思っていた。過去の「勇気ある」彼女達が皆ギブアップしてしまった事なのに。その事実については、あえて考えるのを避けていた、というのが正しかった・・・のかもしれない。



SIDE KIJIMA

銀杏並木が真っ黄色に染まり、学内に晩秋の味覚の「におい」が漂う季節がやってきた。

東都大の正門から講堂に続くこの道は、都内でもちょっと有名な紅葉スポット。特別な時期以外、解放されているキャンパスは保育園児のお散歩コースにもなっていて、まさに老若男女が入り乱れている。

「おーい、敦賀!」

そんな中、生協に向かう途中で何処にいても目立つ長身を見付けた。

「やぁ」

振り返る姿も相変わらず決まっている・・・モデルばりの容姿の男。俺だって結構イケメンだと思うけれど、外見だけはこいつに勝てる気がしない。でも、青春を謳歌しているのはどっちだ?っていう問に関しては俺は数段上だと自負できる。だってこいつは「フラれん坊」だから。モテまくりだし、女の子から熱烈アタックは絶えないのに・・・いざ付き合い出すと3ヶ月も持たない。

(哀れな事に、フラれる理由が分って無いし・・・)

でも、良い奴。同じ自動車部で、学部も、学年も一緒で割と仲が良い俺が言うのだから間違いない。お互い、飲むのが好きだし・・・一緒に飲んで楽しい相手。

「今日、飲み会あるんだけどさ、来ないか?」
「メンバーは?」
「メインは、自動車部プラス華女大」
「華女ってことは、合コン?」

一瞬、敦賀の眉根がひそめられる。

「もしかして、この前の彼女とまだ付き合ってる?」
「まぁね」

これが、青春を謳歌していない理由、その2。こいつは飲むのが大好きなくせに、彼女がいる間は義理立てして合コンに参加しない。別に、彼氏が居ない女の子達と楽しく飲むくらい、良いじゃん?お持ち帰りしたらちょっとマズイけど。ホント根が真面目なんだよな。

「おぉ~、そろそろ最長記録更新か?もしかして、凄い美人とか?」
「そうゆう事だから、合コンはパス」
「おいっ、質問に答えて無いぞ!」
「・・・可愛い系」
「可愛い系かぁ~、いいね~~!じゃぁ、敦賀はその可愛い彼女と行ってくれよ・・・」

俺は、携帯を取り出して、店の連絡先をメモしたメールを敦賀に転送する。

「今日、華女の子も来るのはさ、渋谷に新しく出来たバー、男同士じゃ行きにくい雰囲気の店だから付き合って貰うだけなんだよね。だから、ただの「飲んだくれ」の集まりなんだけど・・・デート向きの店だし・・・送信完了」
「そうか、楽しんで来てくれよ」
「もちろん。そう言えば、卒論さ・・・」

同じく生協に向かうと言う敦賀と、中間報告会の事を話題にしながら一緒に並木道を歩く。

(見られてる、見られてる。俺達が並んで歩いてる姿は目の保養だろ?)

実は密かに・・・周囲の女の子の熱い視線を受け止めていると、敦賀のケータイが鳴った。さっき送ったメールが届いたにしては、随分タイムラグがあるな、と思っていたら、

♪♪♪♪♪♪♪、♪♪♪♪~

着信音のリズムが有名な曲のワンフレーズになっている事に気付く。

(今の・・・「恋心」って曲だよな?)

意味深なチョイス・・・気になって携帯を取り出した敦賀の手元をみていると、

(覗き見防止フィルム!?)

そんなん、何で貼るんだよ。ひょっとして噂の彼女だろうか、と思っていたのに。

「やっぱり、俺も今日の飲み会行こうかな・・・?」

しばらく手元の画面を見ていた敦賀がそう呟いた。やっぱり、さっきのメールを読んでいたらしい。

「そうか?まぁ、今日のは合コンじゃないからな!飲もうぜ!!」

俺は楽しく酒が飲めそうな予感に、小躍りする。

(敦賀が来るとなれば、急なお誘でもレベルの高い女の子が追加で呼べるぞ!)

***

「敦賀君の彼女ってどんな子?」
「ん?普通に可愛い子だよ?・・・頑張り屋さん、かな?」

「学生?学校は?」
「東都の1年生」

「へぇー、後輩なんだ?切っ掛けは?」
「今思うと、一目惚れ・・・だったんだと思う。大きな目が印象的で・・・」
「「「えー!!」」」
「もちろん、付き合ってるのは性格が良いからで、外見だけじゃないよ?」

何てことない普通の会話だと思うのに、俺は次々と何かの直撃をくらった気分でぶっ飛んでしまう。恋バナ自体、あまり好まない奴なのに。心なしか嬉々として・・・彼女語りをするのは初めての事。

(俺、酒の肴は塩気のあるものが良いんだよな・・・)

そう訴えたいけれど、

「すごーい、敦賀君が一目惚れって・・・超美少女とか!?」

女の子の声に、気を取り直す。確かに、敦賀の彼女は・・・揃いも揃って、どこを探したらこんな上玉が見付かるんだ!?って位、凄かった。その奴が「一目惚れ」した後輩に興味が湧いてくる。

(時期的には、そろそろ別れるから・・・そしたら「彼女」フリーだよな・・・)

「写真、ケータイで撮ってないんですか?先輩の彼女、見て見たいです!きっとお似合いなんだろうなー」
「「「あ!私もみたい~!」」」
「俺も~!」

敦賀ファン(?)の自動車部の後輩のお願いに、同調する女の子達。それに紛れて、俺もちゃっかりリクエストする。

「あるにはあるけど・・・でも、4月に第三京浜でポルシェの代行頼んだだろう?あの時、スーペリオに乗っていたのが「彼女」だよ?」
「えーーー!あの子ですか!?暗くて、あんまり顔とか良く見て無かった・・・惜しいなぁ」

後輩が心底残念がっている。

「でも、生で見られるから」
「そうですよね。車の運転が好きなら自動車部のイベントに参加して貰っても・・・」
「だって、あそこに居るし」

敦賀の指差した方向を・・・その場にいた全員が一斉に振り向いていた。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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