スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

LOVE PHANTOM(14)

少々短めですが・・・GWボケということで。


SIDE KYOKO

敦賀さんに 「キョーコ姐(ねぇ)」と呼ばれる度に生きた心地がしなかった。

「榛名山」は免許を取ったら是非とも走ってみたかった場所。その地名に思わずドライブのお誘いをOKしてしまって。そこで私は・・・母が東都大への進学をすすめた理由・・・「天才」って呼べるかもしれない人、を見つけた。

だから、少し「観察」させてもらいたくて、その後も誘われるままに一緒に出かけて。図らずとも嘘を重ねていた事に良心は痛んだけれど、それに付いてあまり深く考えず放置していて・・・もう、最低。

(何もかも全部話すしかないっ!)

敦賀さんの過去の話、聞きたくて聞いた訳じゃないけど、こんな風に心を開かれてしまって・・・でも私の方は・・・そんなアンバランスな状況にはもう耐えられない。だから、

「後輩にして下さい!!」

やっとの思いで叫んだ。
それからどれだけ時間が経ったのか・・・静まり返った部屋・・・無表情の敦賀さん・・・本当に時間が止まってしまったかような、呼吸すら憚られるようなその雰囲気に・・・圧倒されてしまって。でも、

「嘘・・・だろう?」

彼が発した一言で我に返る。

(そ、そうだ!怒りだす前に、言いたい事は全部、耳に入れてしまうのよっ!)

私は、ソファから下りて床に手を付き頭を下げる。そうして、大きく息を吸い込んで、一気に捲し立てた。

「最初に会ったときに”運転歴5年”と答えてしまったのが全ての元凶だったんです!でも、それは嘘じゃなくてっ、非常識極まりない話なのですが、私は中学生の頃からスーぺリオに乗ってたんです。普通、車を運転するのは18歳から・・・私を年上と勘違いした敦賀さんに対して・・・あの時は、どうせこの場限りの事だから・・・って思ってしまって、訂正しませんでした。まさか、敦賀さんとこんな風に親しくさせて頂くなんて思ってなかったんです!!
嘘を吐くつもりもっ、騙すつもりも無かったんです!!本当にごめんなさい!先輩風吹かせてごめんなさい!言いにくい話をさせてしまってごめんなさい!もう、存在自体ごめんなさい~!!!私なんて生まれて来なければ良かったんです~~~!!」

そこまで言って、再度我に返る。

(謝って済むなら警察なんて要らないし・・・そもそも、謝るってことは許して貰おうって都合の良い事を思っている証拠で・・・あぁでも、謝りもしないというのは、私が反省してないみたいだし・・・もう、自分でも何をどうしたいのか分らなくなってきた・・・)

「今後のご活躍を・・・心からお祈りしています。今まで色々とありがとうございました」

私は、とりあえず本当に言いたい事だけを喉からひねり出し、玄関に向かって歩き出す。すると私の背中に、

「行かないで!」

敦賀さんの声が縋りついてきた。


***


(これは何の、拷問なんでしょうか?いえ、私のした事を考えれば拷問とか・・・考える事が失礼なんだけど・・・)

敦賀さんに

「帰らないで・・・もう少しだけここに居て」

と、お願いされ・・・先程と同じ場所に座っているのですが。

敦賀さんは、少し離れた場所で・・・大きな溜息をついたり、頭を抱えてみたり・・・私の存在なんて無いかの様に振る舞っているのに・・・不意に、こちらを物言いたげにじっと見て・・・また、自分の殻に閉じこもってしまう・・・それを繰り返していた。

私は、なんとも不気味、いえ、不可解な反応をする・・・この居心地の悪い部屋の家主に、どう対処していいのか分からずに途方に暮れていて・・・。勝手に帰ってはいけない事だけは分かるけど、じゃぁ、いつまでここにこうしていればいいのか・・・。もう、1時間以上もこんな感じで・・・埒があかない。ただ、彼は怒っていないという事が徐々に分かってきた。敦賀さん自身、私への態度を決めかねているのかもしれない。だから、

「あの・・・もし宜しければ・・・今後は私を後輩として扱って頂ければ・・・」

図々しいとは思いつつも、自分から案を持ちかける。すると敦賀さんが、ひと際大きな溜息を吐いて

「それは・・・無理かも・・・」

小さく呟いた声が静かな部屋に響いた。

(怒っていないかもなんて・・・この蛇の生殺し状態は、やっぱり敦賀さんの意趣返しだったんだ・・・)

もう、これは敦賀さんの怒りが収まるまで甘んじてっ!!!

「後輩よりも・・・もっと、近い距離に居て欲しい」

---- 一瞬、自分の耳を疑った。

「あの、怒ってないんですか?」

恐る恐る尋ねてみる。

「最上さんは・・・さっき、ちゃんと謝ってくれたから・・・俺は、一度でも心から非を認めた人間に、それ以上怒る必要なんてないと思うよ・・・それに、そもそも怒ってない。少し驚いただけで・・・年齢とか関係ないんだ。君は俺にとって、大切な人である事に変わりない」

「怒っていない」その言葉を聞いて、胸一杯に安堵が広がる。彼に心を開かせた私の言葉・・・本当は母の受け売りなんだけど・・・それによって彼が前向きに生きる、と言う誓いは、今後も生き続けるということだから。

「じゃぁ・・・もし宜しければ・・・今後は私を姐さんじゃなくて・・・妹・・・にでもして頂ければ・・・」

私は新たな案を打診してみる。

「妹は、悪くない・・・けど・・・それじゃ、なんか変態みたいだ・・・」

(変態!?)

兄(仮)の言葉に疑問符が浮かぶ。

(確かに、血のつながらない同士で「兄妹ごっこ」は変ですがっ!それなら私が「姐さん」の「姉弟ごっこ」ならいいっていう道理が分かりません!!)

私が心の中だけで抗議していると、

「最上さんには「こ」で始まる別の役・・・引き受けて欲しいんだけど・・・それに、これからはキョーコって呼び捨てにしたい・・・」

と、敦賀さんがのたまった。唐突な回りくどい謎かけもどきに・・・やっぱり、まだ少し怒っていて・・・イジメが入ってるんじゃないのかしら?と、思いつつも、彼の声が至極真剣だったから・・・私も、真面目に考え始める。「こ」で始まる?「こ」・・・「こ」?それに、呼び捨て・・・

----そうよっ 「姐さん」の反意語は「妹」じゃなかったわ!!それに呼び捨てってことは、格下って事だもの!!

「分かりました!最上キョーコ謹んで、敦賀さんの「子分」を努めさせて頂きます!」

私は、自分の会心の答にほっこり嬉しくなってしまう。でも、心を温めていたのはほんの一瞬。

「ハズレ」

地の底から響いてくるような低温Voiceに、

「ひゃっ」

突然、部屋の空気すら冷えたように感じられて、反射的に声が洩れる。敦賀さん、笑顔なんだけど、何だか怖いんですけどっ!っていうか、怒ってる!?なんだか分からないけれど、さっきまで、私のトンデモない告白にすら怒っていなかった人が、今は怒ってる!?

(どうして!?)

私は、もう謝る事しかできない。

「もっ、申し訳ありません~!愚かな凡人には天才様の意図は量りかねます~~!どんな役目でも引き受けますので、ど、どうかお許しください~~~!!」

「そんな軽々しく・・・最上さんは、意外と危なっかしいね?」

「はぁ?」

「でも、前言撤回は無しだからね?ということで、どんな役目でも引き受けるといった君は今から俺の「こ・い・び・と」英語で言うところのsweetheart。OK?」

そっか~、「こ」で始まる役って、「こぶん(子分)」じゃなくて、「こいびと(恋人)」だったのね!

え?
ええ?
えええええええええええええええええええええ?


ラブラブに到達できず

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



スキビ☆ランキング

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。