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LOVE PHANTOM(13)

真夜中の更新なので・・いろいろと勘弁して下さい。

SIDE REN

物心付いたときには常に周囲から特別扱いされ、友達らしい友達は居なかった。

始めてできた兄の様な親しい存在・・・でも彼の大切な仕事を台無しにしてしまって・・・「リックに疎まれているかもしれない」そう思うと俺は身動きが取れなくなって、父親の故郷である日本まで逃げてきた。

(Time is a cure)

本当にそうだ、と思う。でも、最後の枷を外して、俺を解き放ってくれたのは紛れもなく「キョーコ姐さん」。

「俺、一人っ子だったし、日本で、こんなに可愛い「お姉さん」に出会えて幸せだな」
「な、な、急に、何をおっしゃいますやら!」

本当にこうゆう所は可愛い。キョーコ姐が助手席で大慌てしているのが分かる。最初は「姐さん」と呼ばれる事を「任侠映画みたいで変です!」って渋っていたけれど、憐れっぽくお願いしたら・・・承諾してくれた。きっと、捨て犬を見捨てられないタイプなんだろう・・・。

「俺、大学を卒業したら就職しようと思ってたけど、やっぱり大学院に行こうと思う。もう一度、真面目に数式に向き合ってみる・・・」
「それは、良い考えですね!敦賀さんなら、絶対に何か出来ますよ!」
「ん・・・不思議だな、キョーコ姐に言われると、本当に何でも出来そうな気がする・・・」
「そ、ですか・・・」

(魔法の言葉)

かつては、リックの言葉もそんな力を持っていたっけ・・・。
帰りの道のりではあまり多くの会話を交わさなかったけど、その静かな時間がすごく心地よくて、あっという間に2時間程の帰路を走り抜けていた。

<ポーン♪ マモナク、モクテキチシュウヘンデス、オンセイアンナイヲシュウリョウシマス>

ナビからドライブの終了を告げられる。今日は・・・本当に、得難い一日だった。俺が幸せな余韻に浸っていると、

「あのっ!ちょっといいですか!?」

穏やかな時間の終わりにそぐわない、緊張したキョーコ姐の声。

「もちろん・・・いいけど?」

「私、敦賀さんにお話したい事があるですが!運転中にお話をするのは少々躊躇われる内容だったので・・・もし宜しければ、私の部屋に来て頂くか、敦賀さんのお部屋にお邪魔させてもらいませんでしょうか!?」


***


キョーコ姐のマンションには来客用の駐車スペースが無かったので俺の部屋に来ることになった。

(うん、良い香りだ・・・)

家にあるコーヒー豆の中で一番良いものを使う。

「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます。お手間をお掛けします・・・」

俺が持ってきたコーヒーカップに向かって恭しく頭を下げ、丁寧な礼を言う姿に・・・少々イラっとくる。なんというか・・・

「キョーコ姐・・・あまり、他人行儀にされると・・・傷つくんだけど。親近感を持ってるのは・・・俺だけなのかな?」

実は、ずっと気になっていた事を聞いてみる。

「そんなことは・・・」

「最上さんは目上の方なのですから、僕に対して丁寧語を使う必要はないですし、名前だって「蓮」って呼び捨てにして頂いて結構ですよ?」

皮肉を込めてそう言うと・・・キョーコ姐が目を大きく見開いて動かなくなってしまった。
親密度と言葉使いはある程度関係するとは思うけど・・・誰に対しても気さくに声を掛けてくるタイプもいれば、分け隔てなく丁寧な言葉使いをする人間だっている。俺はキョーコ姐が俺以外の人間に対して、どんな風に接するか知らない・・・

「キョーコ姐?ごめん、好きな様に話しかけて?」

大人げない自分を直ぐに反省する。それでも、彼女は黙ったまま。

「話があるって・・・なにかな?」
「・・・」
「困ったな・・・本当にごめん」

もう一度謝ると、やっと彼女が再起動する。

「やっ!謝って頂く事はなにも!えっと、あの、まずお願いが1つあるのですが!」

(お願い?)

今にも泣き出しそうな幼な顔。どんな「お願い」なのだろう?と不安になってしまう。

「良く分からないけど・・・キョーコ姐のお願いなら・・・大抵のことは・・・」
「あぁぁぁ!」

(なんで・・・そこで、頭を抱えて叫ぶ?俺、何かマズイ事しただろうか?)

「敦賀さん~~~、今から私が言う事を聞いて、不愉快に思われて私の事を記憶から抹殺して頂いても構いません!!全ては私の自業自得なので甘んじて受け入れます。ですがっ!今日の私との会話だけは無かった事にしないで欲しいんです。これから、前向きに生きるって決めた事だけはどうかそのままにっ!お願いです~!後生です~~!不肖最上キョーコ、陰ながら今後の敦賀様のご活躍をお祈り申し上げまするぅ~~!」

滂沱の涙を流しながら、頭を下げる姿に、言われた言葉に、唖然とする。

「一体、どうしたの!?俺は、軽い気持ちで最上さんを「キョーコ姐さん」って呼んだわけじゃない、リックみたいに、すごく大切な人だから、ずっと一緒に居たいから・・・」

「あぁーっ!!どうか、私を「姐さん」と呼ばないでください~~~~~~!!」

切羽詰まった、嫌悪感が漂う声に・・・もしかして・・・今日の自分の言動を振り返ってハッとする。

「俺・・・鬱陶しかった・・・よね?」

「そっ、そんなこと」

「迷惑なら、迷惑ってハッキリ言って?ははっ、確かに変だよね・・・ちょっと趣味があった位の女の人に、何言ってるんだろうな・・・最上さんから見たら、俺なんて・・・情けないだけの・・・しがない年下の学生・・・なのに・・・」

どうしようもなく痛む胸を押さえながら、自分の独りよがりな言動の数々を思い出してしまい、羞恥で気が遠くなる。

「鬱陶しくないです!迷惑じゃないです!私は、敦賀さんみたいな人に出会うために、名古屋から東京に出てきたのに!こんな簡単に理想の人が見つかって驚いている位なのに!!ただ、もう嘘を吐きたくないだけなんです!限界なんです!!」

(姐さん、って呼ばないっでって・・・でも、俺が・・・理想の人?)

頭の中が混乱してしまう。

「本当は始めて会った時から・・・でも、どうしていいか分からなくて。私が黙っていれば、気付かれないんじゃないかって、ずっと、このままの友達でいられるかも、って、都合のいい事を考えてたんです。でも・・・敦賀さんに「姐さん」って慕われるのは、もう心が痛くて・・・限界なんです」

(最上さんも・・・心が痛むの?)

俺は目の前の、可愛くて大人の女性に出会ってから、時々胸が痛んでいたのは・・・身体じゃなくて、心の痛みが顕在していたんだ・・・と突然理解した。

(俺・・・もしかして・・・彼女、も?)

ぎゅうぅぅ、と、音が聞こえた気がした。胸全体が押されるような痛みに息が詰まる。

「敦賀さん・・・私の告白・・・聞いてください・・・」

潤んだ瞳で見上げてくる彼女から、目が離せない。自分の心臓が信じられない位早く鼓動を打っていて・・・苦しくて、ソファに座っているのに立ち眩みを起こしそうになる。

「私の事、お姐さんじゃなく、どうか・・・こ・・・にして下さ・・・」

(最後・・・良く聞こえなかった・・・彼女の・・・告白?・・・「こ」?)

「今更・・・打ち明けるなんて卑怯だと思うんです。でも、私・・・私を・・・」

(まさか・・・こいびと!?)



----嬉しい!凄く嬉しいっ!!

目の前で宝物が輝いている・・・そう思ったのに。

「どうか、後輩にしてください~~~! 私、本当は東都大の1年生なんです~~!!」

(こ・う・は・い!?)






やっと恋愛オンチの敦賀氏 Fall in love

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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