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LOVE PHANTOM(8)

皆さま、いつも、コメントや拍手ありがとうございます!お返事とお礼は、明日にでも!ささ、まずは気になる続き(?)をお楽しみくださいませ。

SIDE REN

店を飛び出したキョーコを捕まえた。

「うっ・・・ふぇっ・・・」

大粒の涙を零しながら、小刻みに震える・・・でも暖かい躰・・・を抱きしめる。キョーコの伯父は俺が想定する以上の言の葉で彼女を傷つけた。流石に俺の胸も痛みで軋む。

「ひど・・・私だけじゃなく、母の事・・・あんな風にっ・・・ゆ、るせなっ・・・」

彼女が、吐き出すように、伯父に対する憎しみを唱えている。

「酷い、ね。でも・・・君が傷付く必要なんてないんだ。君達を否定した不破を、君の方から切り捨ててしまえばいい・・・」

「うっ・・・」

その場に崩れ落ちていく彼女に合わせるように膝を折る。

「・・・復讐してやる・・・」

そう呟くキョーコの瞳に暗い炎が灯った。そんな目は・・・

「君には似合わないよ。もし君が望むなら俺がしてあげる・・・例えば、R-Flowのライセンス契約を拒否しよう。キョーコは、ただ不破を忘れてしまえばいい・・・愛の反対は無関心だ。憎しみじゃない・・・」

何かを忘れることは、簡単な事じゃない。特に憎しみが伴えば。それを承知の上で、あえて「忘れてしまえ」と囁きかける。

「無理っ、忘れるなんて、虚しくてっ、耐えられな・・・わたし、空っぽ・・・空っぽだからっ」

・・・やっと、それに気付いてくれたんだね?でもそれは、君が無私無欲でイノセンスだった証。

「君の空洞・・・俺が埋めてあげる。全部忘れさせてあげるから・・・俺に縋って?」

「・・・埋める?・・・忘れ、られる?」

「うん」

「ど、やって・・・?」

「・・・君が望めば・・・君を俺で埋め尽くして、俺の事しか考えられないようにしてあげる」

「やっ」

キョーコの瞳に脅えが走る。

「そんな、怖い・・・また蓮が、居なくなっちゃったら・・・」

「今度は、ずっと君の側に居る。俺にとって君と別れた事は人生最大の過ちだった・・・」

俺は同じ過ちは繰り返さない、こう見えて学習能力は高いからね?と微笑んでみせると、・・・本当に?と、キョーコがぎこちなく問うてくる。5年前、俺は自分の気持ちに整理を付けられなくて「別れ」を選んでしまった。でも今回は違う。彼女の中には、俺を受け入れるだけの十分広い「空洞」が存在している。

そうして、俺は彼女に感じている劣情をひた隠し、確かに俺の中にある「純愛」と呼ぶに相応しい気持ちの全てを視線に込める。

----目は口程に物を言う

俺から目を逸らさずに、視線を受けるキョーコの瞳は如実に助けを求めている。だけど、言葉も欲しい。それが、俺の背中を押してくれるから。

「一言「埋めて」でも「助けて」でもいい、俺を求める言葉を言って?そうすれば、俺はずっと君の側にいて・・・君がくしゃくしゃに萎まないよう君の心の隙間を埋めながら、君を新しく作り直してあげる」

俺の言葉に、キョーコの心が揺れているのが分かる。そしてついに、

「・・・・・・・・・たすけてっ」

零れ落ちた、俺の欲しい言葉。必死さが籠る声に、俺は、崩れ落ちていた彼女の腕を掴んで抱き上げる・・・心の中では謝罪の言葉を呟きながら。

(本当に、こんな方法しか無かったのか?)

その自問を・・・俺はすぐに止めた。この事態は俺の意志の力だけで「成った」訳じゃない。一昨年、百万分の1の確率で君に再会してしまった時に・・・いや、もっとずっと前、本当に無欲な君と、本当は欲深い俺が出会った時に、こうなる事は決まってしまっていたんだ・・・。


***


SIDE REN (今から7年前-First contact)

----車の運転は楽しい

俺は気晴らしのためポルシェで第三京浜を流していた。
玉川I.C.から乗って、横浜をぐるっと廻って戻ってくる。一時間ちょっとのドライブコースは、気分転換に最適だった。

『別れましょう・・・貴方と一緒に居る時の方が寂しいの。私に・・・もっと興味を持って欲しかった・・・』

(また、同じような科白でフラれてしまった・・・)

自分で言うのもなんだが、俺は容姿に恵まれている。頭も良いし、性格だって・・・そんなに悪くない。そのせいか、いつも「彼女」達から声を掛けられ、付き合い始め・・・暫くすると「彼女」達は皆、離れていく。

(今回は、何が悪かったのかな・・・)

確かに押し切られるように付き合う事が殆どだったけど、俺だって誰とでも付き合う訳じゃない。ちゃんと、好きになった子とだけ・・・大事にしていたはずなのに・・・。

(考えても答えが出ない命題だ・・・)

このドライブを終える頃には”また”振られてしまった自分の気持ちに整理を付けたい。俺は、自分の心に向き合うのはもう止めだ、そう言い聞かせるよう、意識的に視線を外に巡らせた。

(そういえば、あの車・・・ずっと居るな)

そして、少し前を走っているスーぺリオに気を留める。
車の流れに乗っていれば、暫くの間同じ車が周囲にいる事は珍しくない。普段は周囲の車など気にしないのだけれども、それでも思わず視線が縫いとめられたのは、そのスーペリオが始めてて見るボディカラーだったから。

(赤じゃない・・・もう少し明るい・・・ピンク?)

スーペリオの公式ボディカラーに「ピンク」はなかったはずだ。きっと個人がワザワザ塗り替えたのだろう。

(自己顕示欲が強いオーナーだな・・・まぁ、スポーツカーに乗る人間の大半がそんなものだし。それにしても・・・スーペリオにピンクとは・・・)

自分もスポーツカーに乗っているのを棚に上げてるな、と苦笑する。

(それにしても今日は風が強い)

折角、満開になった桜が散ってしまうかもしれない・・・。ピンクのスーペリオを切っ掛けに桜を思い出していると・・・前を走っている小型バンの車体が不自然に揺れた。

(危ない!)

突風か何かに煽られたのか、隣の車線に車体を滑らせていく。その車線を運転していた車は、バンの追突を避けようと、急ブレーキを踏みながらハンドルを切ったようで、不安定に揺れながら、さらにその後ろを走っていたスーペリオに迫っていく。

(衝突する!!)

スーペリオのすぐ後ろには、別の車がいる。スーペリオがブレーキを踏んでも踏まなくても、どちらかに衝突してしまう・・・。

そう思った瞬間、まるでスローモーションのように走る車の動きがゆっくり見えて・・・スーペリオのブレーキランプが一瞬だけ光り、後続車が追突するギリギリまで後退した。ああ、ぶつかる・・・絶望的な気分を味わっている俺の目の前で、スーぺリオのテールがスルりと振れ、横方向に急加速し、一台だけスローモーションを抜け出した。

----すごい・・・

迫る前方車をかわし、あれよあれよという間に小型バンの前まで出てしまった。小型バンは隣の車線を、バンを避けようとした車は、さっきまでスーペリオが走っていた場所を、何事も無かったように走り続ける。

(あそこで、アクセルが踏めるなんて・・・)

ブレーキの後、一瞬だけ「逃げる」方向に車が傾いてから、車体が一気に反転して・・・スーぺリオは殆ど垂直方向に道路を横断していった。後続車との距離を測りつつ、ワザとフェイントをかけ車をオーバーステアさせてから、アクセルを踏み切ったに違いない。

(確かに、あれしか「抜け道」は無かった・・・)

俺は、ピンクのスーペリオの運転手の冷静な判断と運転技術に感動を覚える。そうすると、ついさっき眉をひそめたピンク色でさえ・・・ドライバーが持つドライブ技術への自信の象徴の様にすら感じる。根拠のある自信・・・これ程、好ましい物はない。だから、スーぺリオがハザードを出しながら路肩に停車しようとした時、「何か、トラブルでもあったのなら力になりたい」そう思って、殆ど無意識に後に付いて停車する。

(どんな人が運転しているんだろう?)

俺は車を降りて、憧れに似た気持ちを抱きながらスーぺリオに小走りで近づいていく。すると、運転席でハンドルに突っ伏してる人物が見えた。

「大丈夫ですか!?」

窓ガラスをコツコツ叩きながら声をかける。するとドライバーが、ひょこんと顔を上げた。

(・・・・女の子!?)

運転席に座っていたのは、この子が免許を持っているのか!?と疑いたくなるような、幼い顔をした少女だった。




走り屋、キョコさん。
運動神経いいし、自転車のドライビングテクニックはスーパーだし・・・車を運転させたら、これ位はしてくれるんじゃないかと・・・。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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