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LOVE PHANTOM(7)

少しは明るく。


SIDE 不破自動車社長(第三者視点もどき)

----その姿は、まるで桜の妖精

今朝、家を出た時にはダークグレーのパンツスーツだったのに・・・伏魔殿に現れたキョーコちゃんは、薄紅色のワンピースを着ていた。

(・・・!?)

ここ数年、彼女がスカートを穿いているのを見た事がなかったのに・・・。
普段、洗いざらしのままの髪は綺麗に撫でつけられ、額を斜めに横切る前髪が、カールした睫毛を掠めている。そして、唇にはワンピースより少し濃い色が乗っていて・・・濡れたように艶を帯びていた。

(キョ、キョーコちゃん・・・だよな!?)

私が知る、素朴なキョーコちゃんからは想像もできない・・・色鮮やかな大人の女性。一方で、敦賀蓮を見て照れくさそうに笑う姿は・・・とことん可憐で愛くるしい。

(ど、どうゆう事だ!?)

こんなキョーコちゃんを見た事がない。さっき・・・確か、敦賀蓮がヨリを戻したいって・・・キョーコちゃん・・・こいつが嫌で振ったんじゃなかったのか!?これじゃ、まるで・・・この男の為に念入りに装ってるとしか思えない。

「すみませんっ、昨日は外勤だったので、今日は中々抜けられなくて!」
「いや、急いで来てくれたんだね?嬉しいよ・・・」

(な、なんだ!?)

先程まで悪魔のような微笑みを浮かべていた男が、今は神々しいまでの笑顔を美しい顔に添えている。こちらはこちらで、錦上添花。今朝から、何度も見ていたはずの敦賀蓮の笑顔は全て偽物だったのか・・・と感じずにはおれない。

動揺している自分を置き去りにして、キョーコちゃんが席について普通に話し始める。そう、彼女は私達の恐ろしい会話など何も知らない・・・。

「RT-Flowのライセンス契約を日付けを遡ってして下さると伺いました!有り難うござます!!」
「うん。ちょっと誤解があったみたいでね?」

(ちょっと誤解!?)

「不破中研の所長がRT-Flowを絶賛していましたよ!さすが敦賀さんです!凄いです!!尊敬します!いえ、崇拝します!!」
「あれは、そんなに大したものじゃ・・・」

口元を軽く押さえ、キョーコちゃんから視線を外した男と目があった。

(・・・え?・・・・ええ!?・・・目元が・・・頬が・・・赤い!?)

彼がした不条理な要求・・・目の前に置かれているレポートが嘘ではないと告げている。しかし・・・

「あ~~~!!」

間髪入れずに発せられたキョーコちゃんの叫び声に、男二人は弾けるように視線を解いた。

「またっ!敦賀さんっ、何も食べないでお酒ばっかり飲んでますね~?駄目ですよっ!!いくら強くたって、お酒を飲む前には何か召しあがってからじゃないと、胃を壊しますよっ!!」

「ちゃんと食べたよ・・・」

敦賀蓮が困ったように目の前の小鉢を指差している。

「それだけじゃ、食べたなんて言えません~~っ」

確かに、彼の前に並べられた料理は、殆ど手が付けられていなかった。
ちゃんと食べるまで、これは没収です!そう言って、キョーコちゃんが身を乗り出して敦賀蓮が飲んでいた冷酒器を取り上げようとする。

---タン

小鉢の側で彷徨っていた敦賀蓮の手が、キョーコちゃんの腕に触れた・・・その瞬間、彼は「あっ」と小さく呻いて、ぱっと手を引っ込めて。その勢いで手元の小グラスが倒れてしまう。

「きゃぁ!ご、ごめんなさい~」

あわわ、と言いながら、キョーコちゃんが慌てて鞄からハンカチを掴み出し零れた液体にかける。

「お、お洋服は濡れてませんか!?」
「大丈夫だよ・・・俺が倒したのに・・・ごめんね?君のハンカチを・・・」
「いえ、私のハンカチなんて安物ですから!洗濯機でザブザブ洗えば元通りです!」
「じゃぁ、これは俺が洗濯しておくね?」
「えっ!?」

キョーコちゃんの目が、また会えるんですか?と、驚きと・・・喜びで・・・輝いている!?

(これは・・・もしかして・・・両思い・・ってヤツじゃないのか?)

それから二人は、

「ここのお店は煮物が美味しいんです!」「じゃぁ、それを食べたら、ソレ返してね?」「ここには良く来るの?」「まさか不破社長のご相伴で、本当に時々です!」「元気だった?」「元気です、敦賀さんは?」「俺は体が丈夫なのが取り柄だから」「あっ、また過信して・・・いつかのように急に来ますよ!ちゃんとした食事をされてますか?」「なんとかインゼリーじゃダメ?くすくす・・・」「な~~!?」

完全に私を蚊帳の外に置いて、テンポよく会話を交わしている。私は徐々に冷静さを取り戻し・・・今の状況の分析を始めた。

(・・・嫌い合って別れた・・・感じがしない・・・)

この二人の雰囲気なら、この再会を機に自然に付き合いが始まるのでは?
むしろ、今でも付き合っているようで・・・お似合いだな、と思える。

『キョーコが来たら、俺の元に来るよう言ってください。そして2度と不破家に戻る気が起こらないよう彼女を傷つけて下さい』

そんな不条理な事をする必要があるのか・・・それとも、これは想定外?

「敦賀君・・・」
「何ですか?」

キョーコちゃんに向けるものとは全く性質の異なる視線が返ってきて、先程感じた恐怖に身がすくんでしまう。でも確認しなければ。

「さっきの話・・・どうも必要が無いような気がしているんだが・・・もっと良い方法で協力関係が結べないだろうか?」

「残念ながら、必要です」

何のために?・・・誰の為に?

(少しは・・・キョーコちゃんの為でもあるんだろうか・・・)

「その件だけは、こちらの希望通りにお願いします・・・」

キョーコちゃんが、少し困ったような顔で我々を見ていた。





はー、過去のラブラブ話にいつ入ればいいのだろうか。タイミングがつかめなくて宙ぶらりんのSSが・・・。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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