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後悔先に立たず(6)

思考停止した脳みそをなんとか再起動。
そうですよ!蓮様の誕生日が近いんですから!!それまでには終わらせないと!!


SIDE KYOKO

「わ・た・し♪ は・な・の♪ じょしだいせい♪」

私の主演ドラマ 『 SWING-BY 』 が、高視聴率をマークしている。
そのせいで・・・調子に乗り過ぎよ?と自戒しつつも、思わず鼻唄がもれる。

最上キョーコこと京子はドラマで「宇宙飛行士を目指す女子大生・ノリコ」役を演じている。
ノリコは、子供の頃に見たアニメの影響で、宇宙に憧れを抱き、将来は宇宙飛行士になりたいと夢を持つ。両親や友人はノリコの夢を荒唐無稽と笑っていたけれど、ノリコは必死に勉強してT大理科一類に合格。さらに航空宇宙工学専攻に進学を決めてしまう。
その頃から、ノリコが夢を諦めず地道な努力を続ける姿勢に、周囲もノリコを応援するようになり、ドラマでは、ノリコが宇宙開発事業団に就職、遂に宇宙飛行士候補生に選ばれるところで、最終回を迎える。

私は、平凡で夢見る少女だったノリコがいつかは宇宙飛行士に!と本気で頑張る姿に、平凡な上に空っぽだった自分が(おこがましくも)女優道を極めたいと目指す姿を重ねて、完全に役柄を掴んでいた。さらに『SWING-BY』には恋愛要素が一切絡んでいないのも私が役を掴むのには好都合で!

(----夢を追いかけるなら「恋」なんて愚かな事に時間を浪費している暇はないものね♪)

そうして・・・『SWING-BY』は「京子」の熱演が支持され、高視聴率を維持していた。

私へのご褒美と言うか、番宣用に「ノリコ」のモデルとなった宇宙飛行士さんとの対談も用意して頂いたし、なんと最終話は海外ロケで実際にフロリダの宇宙センターに行けることになっている。

「宇宙飛行士の人生を疑似体験できるなんてなんて素敵なのかしら!私、役者になって本当に良かった!!!」

***

そんな絶好調な時に限って、嫌な奴に再び会う訳で・・・因縁の幼馴染が『SWING-BY』にノリコの友人としてゲスト出演することになってしまった。

(全く神様は最上キョーコが浮かれている時には、こうやって戒めてくれるんだから。迷惑、いえ、ありがたい話だわ!)

芝居中、私はノリコになりきる事で、なんとかバカショーと仲が良い演技をする事ができたけど、撮影が終わると、思った以上に自分が消耗していたことに気がついた。

(はぁ・・・疲れた。私がノリコの役柄をしっかり掴んでたから良かったものの・・・役の「憑き方」が甘かったら、色々とヤバい撮影だったわ)

気だるい体を引き摺って楽屋を出る。すると、すぐ目の前に、

「よぉ・・・この後、仕事が無いんだろ?メシ、食いにいくぞ」

私を疲れさせた原因が壁にもたれて立っていた。

(なんでこんなところにいるの?まるで「不破尚」が「京子」を待ち伏せしているみたいじゃない!人に見られたら外聞が悪いような事、しないでほしいのよね・・・ホント、迷惑なヤツ!!)

「何かと思えば・・・なんて私がアンタと食事に行かなきゃならないのよ?あり得ないから!」

私は不機嫌&不愉快な気持ちを言葉と表情にタップリ盛り付けて、足早に楽屋を後にする。それなのに、

「おい待てよ!お前・・・折角、人が食事に誘ってやったんだから、付き合えよ!」

そう言って、ショータローが追いかけてきて、手首を掴まれた。

「ちょっと、離しなさいよ!アンタもトリンプルのCM見たでしょ?私は、今やセクシーダイナマイト☆キョーコ様なんだから。食事に行く相手に不自由してないの!”折角誘ってやって”下さらなくても結構!間に合ってます!!」

私はショータローにアッカンベーをして、右手首を掴んでいるヤツの手を振り払おうとしたけれど、予想外にがっちり掴んでいて、振りほどけない。

「離しなさいよ・・・」

「・・・いい気になってんじゃねーぞ」

「はぁ?私がいつ!何月何日何時何分にいい気になったっていうのよ!?」

「これだよ!こんな高そうな指輪を見せびらかす様にして・・・キョーコのくせに生意気なんだよ!」

何を考えているのか、ショータローが私の手を掴んでいるのと反対側の手で、私の指輪に手を掛ける。私は咄嗟にショータローの足・・・いわゆる『弁慶の泣き所』を思い切り蹴り飛ばしてやった。

「!!! 痛っ、て~~ 、何するんだよ!」

うずくまるショータローをビシッと指を差して言い放つ。

「何するのよ!っていうのはこっちの科白よ!この指輪はアンタが言う通り、すご~く高いんだから!勝手に触わらないでよ!価値が下がるわ!!」

「なんだとぉ・・・一体誰に貢がせた!?」

「ちょっと!貢がせただなんて人聞きの悪い言い方しないでよ!!素敵な男性にプレゼントして貰ったのよ!!」

「・・・くそっ!!・・・奴か?」

「私には「奴」なんて名前の知り合いは居ません!!!」

「ああいえば、こうゆう・・・・・・敦賀蓮・・・から貰ったのか?」

一瞬、この指輪を買ってきてくれた人の名前がズバリっと出てきて怯んでしまう。でも、コイツに、この指輪が実は敦賀さんに頼んで買ってきてもらった「演技の小道具」だとバレたら・・・折角上手く行ってる私のお芝居を・・・コイツはぶち壊す事を吹聴して回るに違いないしっ!それに、敦賀さんにだって迷惑が掛かる・・・ここは、何としても誤魔化すのよ!!

「・・・何で、敦賀さんの名前が出てくるのよ?悪いけど無関係よ」

「・・・本当に違うのか?」

「違うに決まってるでしょ!!まぁ、敦賀さん程じゃないけど、イイ男なのは間違いないけど?」

そう言って、奴が誤解をするよう、右手の指輪をわざと見せびらかす様に顔の高さに掲げて見せてから、そのまま頬を寄せる。

「お、まえっ!!何、そのエロい体目当てに近づいてきた男に貢がれた指輪を、勘違いして付けんだよ!!!まだ敦賀蓮ならマシなものを!!」

「何ですって~!」

何でコイツにまで「エロい体」とか言われなきゃなんないのよ!!
自分が破廉恥な体になってる事くらい、十分過ぎる程、分かってますよ!!そんなに、怨キョアタックを浴びたいなら、お見舞いしてやるわ!!と思った時、祥子さんがやってきて、

「いい加減にしなさいショー!!
京子ちゃん!この後、少し時間を取れないかしら?今日のショーの演技について、今後の参考のためにも色々聞かせて貰いたいと思っているの!私も同席するし、美味しいご飯をご馳走させて頂くから!ね?ちょっとで良いのよ!?」

と手を合わせて拝まれてしまう。私は、(そうゆうことなのね)と、納得し、ショータローを一瞥して、

「アンタ・・・主演女優様の意見を聞きたかったのなら、正直に「キョーコ様のご指導を仰ぎたいんです」って言えば良いじゃない。頭を下げて頼むなら、昔のよしみで・・・食事しながらの演技指導・・・してあげても良いわよ?」

思い切り高飛車に答えて、少しだけ溜飲を下す。ほ~ら、ショータローが固まっている。プライドが高い奴の事だもの。こんな風に私に言われて、頭が下げられる訳が無い。

「それじゃあ、私はこれで・・・」

私は、今度はゆっくりと、その場を立ち去ろうとする。

「京子ちゃん!?ショー!!貴方、ここで頭を下げられなかったら!! 絶対に後悔するわよ!!!こんなチャンス!2度目を作ってあげられる保証無いんだから!」

必死にショータローを宥める祥子さんに・・・少しだけ罪悪感を感じてしまう。こんな馬鹿の面倒を見させられて、私みたいな年下の小娘にも気を使って・・・。

「祥子さん?別に、私が言うことは何も無いですよ?演技は・・・本業は歌手だという事を差し引かなくても十分なレベルでしたし。不破尚のイメージを崩すような事は何も無いですから、安心してください。でも・・・この馬鹿に無理して役者の仕事をさせない方がいいですよ?役者の仕事・・・甘くないですから。それじゃ、お疲れさまでした」

かなり癪に障ったけれど、素直にヤツの演技が良かったことを告げて、その場を後にする。
(祥子さんの為なんだからね!!)

「待てよっ!キョーコ」

これであの馬鹿のプライドも満たされて、私にこれ以上、絡む事も無い・・・と思っていたのに、再び強い力で腕を捕まえられて驚いてしまう。

「ちょっと!?まだ何か用なの!?今回は「まぐれ」で、ちょっと良い演技ができたからって・・・そっちこそ、いい気にならない方が身のためよ!!」

今度こそ、怨キョの出番!?と思って振り返ると、形容しがたい苦い表情のヤツがいて、腕を掴まれた以上に驚いてしまう。

「俺は・・・演技なんかしてねー。お前の演技に引き摺られて・・・昔の俺達に戻ったように錯覚してただけだ」

「・・・あの思い出したくもない黒歴史ね。そうね、アンタがあの頃の様に馴れ馴れしかったから・・・私は、いつも以上に疲れたわよ」

そう・・・ヤツが妙に優しい表情で私を見ていたから・・・もう二度と触れないと誓った・・・過去にショータローに感じていた暖かい気持ちを閉じ込めた箱・・・その蓋に掛けた鍵が開かないように見張るのに、私は必死だったのだ。

「そんな風に言うなよ!!俺は、東京に来させて俺の面倒見させた1年間に関しては何の言い逃れもできねぇ酷い事をしたって思っている。けど、京都での15年間に関しては、俺なりにちゃんとお前を大事にしてたっ!!

・・・もし、お前が・・・その指輪、お前の上辺だけ見て好きだ惚れたと嘯く野郎から貰ったっていうのなら・・・そんなの捨ててくれ。そして、俺に・・・もう一度、やり直すチャンスをくれないか?俺はもう、ずっと・・・後悔してる」

そういって、目の前でショータローが私に向かって頭を下げた。私は・・・自分が見ている光景が信じられなくて動けなくなってしまう。暫くして顔を上げたショータローとまともに見つめ合ってしまい・・・心の鍵が外されてしまう音を呆然としたまま聞く事しかできなかった。

「俺・・・お前の事、好きなんだ」

(----今・・・こいつ何て・・・?)

「最上さんに指輪を買ってあげたのは俺だよ?」

いきなり聞こえてきた良く通るテノールの声@いつもより低め。
角を曲がって表れた人物に・・・私は金縛りにあったように動かなかった体が一斉に粟立つのを感じた。

(うぎゃーーっ)

す、す、既に!似非笑顔ですらないっ!!いえ、確かに笑顔なんですけど、悪意を隠そうとする似非笑顔じゃなくて、悪意を増幅させるのを目的としていらっしゃるような!!とっーても、毒々しい笑顔を敦賀さんが湛えている~~!!貴方様の御背中に真っ黒な翼が見えますよ!!神様に背いちゃだめですよ!! る、る、るしふぁーになっちゃいますよ(既に手遅れですか!?) 

突然の大魔王の出現に、私だけでなく、祥子さんもショータローも見事な程に固まってしまっている。

「もう一度言おう、この指輪を買ってあげたのは俺。だから、君にチャンスは与えられない」

そう言って、大魔王様は、私の腕を掴んでいたショータローの腕を外し、私の体をぐい、と後方に引いて、ショータローと私の間に割り込んでくる。背中側からみても、なんか嫌なオーラが敦賀さんの体から立ち上っているけれど・・・正面から見るよりも何万倍もマシで・・・私は、ほっとしてしまう。

「おいキョーコ・・・コイツから指輪を貰ったってどうゆう事だよっ!?」

ショータローの低く唸る声が聞こえるけれど、敦賀さんの背中に完全に隠れていて、私からはその表情までは見る事が出来ない。ううん・・・見たくない。

「最上さん・・・不破くんは、何か重大な勘違いをしているようだからハッキリ言った方がいい・・・この指輪、誰におねだりして買ってもらったの?」

「ちょっと!?おねだりとか、変な言い方しないでください!!私は、敦賀さんの御厚意に甘えさせて頂いただけで!」

「そう、君は俺に甘えてくれたんだよね?不破君の言うところの「上辺だけ見て好きだ惚れたと嘯く野郎」が鬱陶しいから、虫よけの為に指輪が欲しい、って。慎ましい君から貴金属をおねだりされるなんて機会は滅多にないからね?俺も、頑張らせてもらったよ?」

(この人の・・・このもってまわったいかがわしい言い方・・・なんともならない・・・のね・・・)
私が頭を抱えていると、

「最上さん、君の指輪を買ったのは誰!?」

強い口調の敦賀さんに背筋がぴゃっと縮こまる思いがする。
(ここで、正直に答えないと・・・私・・・生命の危機を迎えるかも・・・)

「はい、敦賀さんでゴザイマス・・・」

(折角、敦賀さんから貰った訳じゃないって、誤魔化したのに~!折角の私の努力を本人がぶち壊してどうするんですか!も~!!!)

***

----暫く、沈黙が続いていた。

何かを言えるような雰囲気じゃなくて、私は敦賀さんの後ろで事態が動くのを黙って静観するしかなかった。不意に、

「・・・邪魔したな。・・・幸せにしろよな」

ぼそっとヤツが呟いて・・・カツコツとブーツの踵を鳴らして遠ざかって行くのが聞こえる。

私は、まだまだ、これからがバトルの本番!?と思っていたのに、あっさりとショータローが消えたのが信じられなくて、拍子抜けしてしまった。一体、何がどうなったのか?

(----そう言えば、なんか理解の範疇を超えた事を言われたような・・・)

さっきのあれば何だったんだろう?と思い返していると、

「ふぅ~~~~~~~」

私に背を向けて立っていた敦賀さんが盛大に溜息を吐き出した。
ふらりと体が揺れたかと思ったら、廊下の壁に寄りかかって、そのままズルズルとヘタリ込んでしまう。先ほどの大魔王はすっかり抜け落ちていて、どちらかというと少々、頼りない顔をしている・・・珍しい。

「ちょっ!?大丈夫ですか?」

「はぁ~~~、間に合ってよかった・・・俺は・・・もう、後悔はしたくないよ・・・」







ちょっとショータローが良い人に!?

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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