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蓮の翼(26)

最終回だからと気合を入れてて推敲するも・・・崩れていくばかり・・・諦めました

SIDE KYOKO

私は一人残され・・・色々な事を思い出していた。

蓮王様は私の事を凄く好きなんだって・・・子供は目的じゃなくて結果なんだって。それなのに、その気持ちから逃げ出すように、裏切るように、私は王宮を出てしまった・・・。

----貴方と離れて考えたい事がある

そんな風に私の気持ちが伝わっている、そう知った時はショックで・・・。彼を傷付けた事であんなにも胸が痛むとは思っていなかった。でも、あの時の私は・・・自分でも気付いていなかった色々な想いに縛られて・・・身動きが取れなくなってて・・・やはり、一度は蓮王様と距離を置かなければならなかったのだ・・・と思う。

でも、自分の行動を正当化するつもりはない。さっきは前王様の指示で小芝居を打ったけれど、今度はちゃんと、自分の意思で謝りたいし、私も蓮王様が・・ダイスキ・・って伝えなくっちゃ。

「うわぁ。考えるだけでも恥ずかしい・・・緊張する・・・」
(演技じゃなくて、告白なんてものを、お、おとのこ人にするのは初めてかも!)

私は、一か所にじっとしてられなくて、そわそわと部屋の中を歩き回っていた。

「あの、お茶の支度はこちらにさせて頂いて宜しいでしょうか?」

声を掛けられ、はう、と我に返る。茶道具一式を抱えた女官が困惑顔で私を見ていた。恥ずかしいな・・・もう。

「あ、はい。どうぞそこに。でも、あの、私、蓮王様が戻ってくるのをお待ちしますよ?」

そう告げるものの、

「蓮王様から先にお出しするようにと・・・」

よく見ると、女官が手にしている茶壷は一人用の小振りのもので。私の分だけ先に用意してもらったことに気付いた。私は、緊張して喉も渇いたので・・・取りあえずお茶を飲んで気を鎮める事にする。

「じゃあ、先に頂きます。よろしくお願いします」


***


なんだか、頭がぼうっとしてきて、時間の感覚が良く分からなくなってきた。どれ位、蓮王様を待ったのか・・・それに、さっきから心臓の鼓動が妙に早くて・・・その音が頭にまで響いて・・・煩わしい。

(は~、すごく緊張してるんだわ・・・。そ、そうだ、こんな時こそ、お茶をもう一杯・・・)

その時になって初めて、私は自分の手が震えていることに気付いた。

(なに、これ?)

「やぁ、待たせたね?」

見上げるといつの間にか蓮王様が目の前に立っていた。ついさっきまで、まず最初に言う事を・・・ちゃんと考えて・・・覚えてたのに・・・言葉が出てこない・・・あれ?

「なんだか、具合が悪そうだけど・・・どうした?」

「・・・緊張・・・してる・・・というか・・・」

「何に・・・緊張しているの?それにしても・・・顔が赤いよ?・・・熱でもあるんじゃないのかな?」

そう言いながら、私の体温を確かめるため、首筋に蓮王様の指が触れた・・・瞬間、

「ひゃあ!」

背筋がありえない位ゾクゾクする。

「大丈夫?」

小首を傾げて心配そうに見ている蓮王様に、大丈夫ですと返したいけれど・・・かなり、無理があるかも。

「私・・・急に背筋が寒くて・・・頭もぼうっとして・・・熱が、出たかも・・・です」

「そう・・・少し震えているみたいだし、疲れが急に出たのかな?横になったら?」

「あの、でも、私、お話したいことが・・・」

「それは、寝台の上で話してくれればいい・・・本当に具合が悪そうだから・・・自分で立てる?手を貸してあげるから・・・行こう?」

横になって話を聞いてもらうなんて、失礼だわ・・・と思ったけれど、蓮王様の顔を見てから・・・私の体調はおかしくなるばかり。足元がぐにゃりと歪んだような気がして・・・手を引いてもらわないと、歩くことすら儘ならないよ。

「ごめんなさい、少しだけ横に・・・気分が・・・悪くて・・・」
(急にどうしたんだろう?私・・・)


***

SIDE REN

キョーコが目の前で、小さくなって横たわっている。目が潤んで、唇がぽってりと赤くて・・・今すぐ食べてしまいたいけれど、ぐっとこらえて、彼女の体を心配するフリを続ける。彼女を虐めて・・・本音を吐かせるのは最後の手段。

「ねぇ・・・気分はどう?」

「自分の体が、熱いのか・・・寒いのか・・・自分でも・・・分らなくて。何だか怖いんです、あの・・・お医者様を、呼んでもらえませんか?」

「・・・少し、様子を見よう?気分が悪いなら、俺が背中を擦ってあげるから・・・」

寝台の上に腰かけて、そうっと彼女の背中を撫でると、背中を丸めていた彼女が、大きく背を仰け反らせる。

「やあ!やめてっ!!」

彼女自身、大きな声を上げた事に対して、狼狽えているみたいで・・・何が起こっているのか、分かっていないんだろう・・・薬になんて頼らなくても、十分感度の良いキョーコには・・・すこし刺激が強すぎたか・・・。

「あ・・・あの、ごめんなさい。でも、お願い・・・すぐにお医者様を・・・」

「分かった。ちょっと待ってて?」

俺は女官を呼び、何があっても、父が来ても、誰も部屋に入らないよう小声で命令する。そうして彼女には「すぐに来ると思うよ?」と告げると、彼女が、ふう、と小さく溜め息を逃がした。そして、寝台に付いていた俺の手に、火照った手をそっと重ねてくれる。

「ありがとう・・・大好き・・・」

以前だったら・・・嬉しい彼女からの意思表示に、驚喜したかもしれないけれど・・・俺にとって都合のいい言葉は・・・きっと、彼女の中にある台本の「台詞」に過ぎない・・・それどころか、まだ演技を続ける余裕があるんだ・・・と、少々腹立たしく感じる。

「へぇ・・・大好きって、俺の事?」

俺の指を力無く握りしめ、キョーコはこくこくと頷いている。凶悪に可愛い・・・完璧・・・だからこそ・・・信じられない。

「じゃぁ、大好きな俺の質問に答えて?・・・どうして、啓国に行こうと思ったの?」

「?」

彼女が、苦しそうに眉根を寄せながらも、今になって何故そんな事を聞くのか?という表情をしたのが分かる。

「どうして?」

「・・・答え・・・られません」

「答えられない?ふぅん・・・予想外の質問に対してアドリブが効かない程度には・・・余裕がなくなってきてるのかな?」

「え?」

「もう・・・お芝居はおしまい。演技するのは止めて?」

「演技」という単語に反応して、彼女の表情に脅えが走ったのが見えた。

(やはり・・・そう・・・なんだ・・・)


***


彼女を雁字搦めに抱き締めて、指一本さえも動かせないようしてしまう。元々、殆ど力が入らなくなっていただろうキョーコの体は、簡単に抑え込めてしまった。そうして、彼女の「弱点」を愛撫すれば・・・

「やめて・・・やめて・・・怖い!やめてーーー!!」

喘ぐ、というより叫んでいる。お茶に混ぜられた薬のせいで・・・強すぎる快感に恐怖を感じているらしい。彼女に泣きながら訴えられると・・・俺は挫けそうになるけれど・・・でも、一つも目的を果たさずに、止めるわけにはいかない。

(何故、啓国を目指したのか。俺から離れて何を考えたかったのか。俺の事を大好きと言ったのが・・・何故、嘘なのか・・・)

「止めて欲しければ、答えて?・・・どうして、啓国に行ったの?他にも色々と聞きたい事があるんだから・・・最初の質問でそんなに意地を張り続けるものじゃない・・・正直に答えてくれたら、俺はどんな答えでも受け入れるのに。
・・・楽になろうよ?」

なるべく優しく誘惑するけれど、

「・・・」

彼女は黙ったまま。

「答えないのなら、続けるよ?」

彼女の中に、そろりと潜り込むのに、

「・・・きゃゃぁぁ!」

悲鳴を上げて・・・彼女は失神してしまう。これで何度目だろう?俺は、用意した気付けの薬を彼女の鼻先に近付け無理矢理、目をこじ開かせる。辛いだろうに・・・何も話さないなんて・・・なんて強情なんだ・・・。

ふと、そういえば自分も随分と意地を張っていたことに気付いて自嘲する。いい加減、攻め方を変えてみないといけないか・・・

「じゃぁ、質問を変えよう・・・「なぜ」答えられないんだい?」

キョーコに問うと・・・ずっと黙秘を続けていた彼女から、あっけない程、するりと答えが返ってくる。

「・・・もう、傷つけたくないから・・・」

(話し出した!)

「誰を?」

「あなたを・・・」

「答えてくれない方が、俺を傷つけてるって思わないの?」

「好きだから、好きなの・・・もう私の言葉で・・・傷つけたくないの・・・好きなの・・・好き・・・」

ずっと黙っていたキョーコが、今度は壊れたオモチャのように「好き」と繰り返し始める。あまりの事に俺は驚いて・・・頭の中で「これは演技」と繰り返してみたものの、彼女が「好き」言うたびに、勝手に俺の翼が震えてしまう。

(演技・・・なのか? これが彼女の本心だったら・・・どんなに嬉しいか・・・いや、彼女の言葉が偽りでも・・・俺が本心であって欲しいと願っているから・・・俺は・・・何も信じられない・・・)

---- 彼女が芝居の続行を望むなら、それもいいじゃなか。

そんな考えが沸き上がる。俺も、同じ舞台にあがってしまえばいい・・・そうすれば全て真実になる。俺には、彼女の言葉の真偽を確かめる事自体・・・最初から出来ない事だったんだ。俺にとって都合のよい言葉を信じる・・・その欲求に俺は勝てそうもない。

「ねぇ・・・「私の言葉を信じて」って言ってみて?キョーコがそう言ってくれたら・・・俺は君のお芝居に一生付き合ってもいい・・・」

俺は覚悟を決めたけど・・・それでも、彼女から言葉ひとつ貰いたかった。君が「うわごと」のように紡ぐ「好き」という言葉を俺に信じさせて?切望を込めて彼女の瞳を覗きこむと、ほんの少し焦点が定まって・・・視線に熱が籠ったような気がする。唇が動き出す----俺の欲しい言葉を言ってくれるんだね?

「蓮、大好き・・・だから貴方の子供を産みたいの・・・いっぱい産んであげたいの。私の愛を形にしてあげるから・・・信じて・・・」

彼女が初めて使った『愛』という単語に俺は心ごと木っ端微塵にされるような衝撃を受けた。

「信じる・・・信じるよ・・・信じてる・・・」

今度は、俺が壊れたオモチャになる番だった。


***


「はわ!?はわわ・・・なんで、裸・・・?」

俺の腕の中で眠っていたキョーコが目を覚ます。昨日の事があったから、彼女がどうゆう反応をするか・・・もしかしたら嫌悪の色が宿るかもしれないと・・・緊張していたのに・・・何だろう?この緊張感に欠けた反応は。

「わ、私、お茶を飲んで・・・それから・・・あれ?」

「・・・覚えてないの?」
(あの薬・・・強すぎて記憶障害でも起こすのか?)

「や?あの・・・ゴメンなさい」

「正直に謝ったから許す・・・色々あったけど、思い出さなくていいから・・・」

そういって、ぎゅうと彼女を抱き締める手に力を込める。彼女が全く覚えていないのは・・・少し寂しいような気がしたけれど、余裕の無い自分が「無かった事」になった方が全然いい。俺は・・・いつだって君の前では余裕綽々で・・・格好付けていたいんだから。

「あの、私、昨日、ちゃんと言えましたか?」

キョーコが、苦しいです~、とジタバタするので開放すると(大事な事なので・・・)と訊ねてくる。ふむ。そういえば・・・何か言いたいことがあるって言ってたっけ?

「いろいろ言ってたね・・・俺が嫌いだとか・・・」

すこし意地悪をして、反応を見ることにした。

「そんなこと!あり得ないです!!ホント。えと、大好き・・・ですよ?」

俺は、素直にその言葉を受け取って・・・胸の奥を一人温めていた。でも、同時に・・・そんな可愛い顔をされると・・・別の意地悪をしたくなるよ?なんて不埒な事も考えていて。

「そんな事も言ってたかな・・・他にも・・・俺の子供が欲しいって「おねだり」された、かな? だから、こんな事になっているんだけど・・・」

そういってニヤリと笑うと、彼女がボンと音を立てて真っ赤になった。(そんな破廉恥な事いいませんよ!)ってところか?

「私、一人っ子だから・・・賑やかなのが・・・憧れです・・・」

まったくもう・・・この娘は・・・何かのスイッチが入ったように俺を喜ばせる言葉を言ってくれる。それとも、スイッチが入ったのは俺なのか?

「嬉しいね。キョーコ姫が望むなら、10人でも20人でも・・・俺は御奉仕しますよ?」

---- 今度こそ、破廉恥!が出るかな?

でも、その言葉が出る前に、可愛い唇は塞いでしまおう。


FIN.





ラブラブになってエンド。今日が昨日になってしまいました。

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楽しみにしています!

私も、他の方がどうやっているのか良く分からないのですが、
他のサイトさんを見ると、「頂き物(宝物)」とか「捧げ物」というカテゴリーがあるのを良く見かけるので。

アップして頂ければ、取りに伺います~。もちろん、コメントで送って頂いてもいいですが・・・その方が簡単ですかね?

蓮の翼、やっと終わってほっとしてます。長編を書くつもり・・で書いてる訳じゃなく、いつの間にか・・・なのですが。でもブログにも書いたとおり、最初と最後で整合性が合わないところがあるとか、宝田社長をさも重要人物っぽく登場させたのに、それきりになってしまったとか、長いと、いろいろと齟齬が生じて。

最初の2つの話は半分以上下書きが出来てからのアップだったので、そんなことは無かったのですが。何事も事前妄想が大事ですよね・・・。

それではよろしくお願いします。
プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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