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蓮の翼(25)

今回で終わるつもりが長くなってしまったので、切ります。次回で終了予定


SIDE KYOKO

気がつくと、私は冷えた塊を抱きかかえるよう床に倒れていた。

「あ・・・俺・・・キョーコ!?・・・ここは?」

「お帰り、尚王。ここは君の国の「高山茶房宮」だよ?ちなみに君が抱きついているキョーコは息子の妃だから。君の気持に免じてちょっとだけなら良いけど、あまりくっつき過ぎないように」

「あぁん?」

むくりと起き上がった・・・目の前の明るい髪色の少年。彼は、そう、尚王。

「覚えているかな?君は蓮の逆鱗に触れ、外宇宙に飛ばされてしまったんだ。だからキョーコと君自身の力を借りて、私が連れ戻した」

「・・・カッコ悪りぃな」

私は、外宇宙の入り口に触った時に、自分が過去にどんな罪を犯したのか、そして、それが既に赦されていた事を知った。それに、尚王が私の記憶の欠片を自分の物として大切にしてくれていた事も分かって・・・色々な嬉しい感情が胸の中で混ぜこぜになっていた。ふわふわと心が軽い!

「あの、尚王様!帰って来られて、そしてお会いできて・・・本当に嬉しいです。私の事を色々心配してくださってありがとうございました。私もちゃんと帰って来れました!!」

深く深く、感謝の気持ちを込めて頭を下げる。

「お、おう・・・結局、俺は何もできなかったけど、とにかく帰って来れて良かったな」

尚王様の翼がサワサワと揺れている。そういえばコレって・・・ふふ、実は、まるで犬の尻尾みたいよね?

---- 彼の翼に触りたいな

揺れる翼が私を手招きしているみたいなんだもの。

「キョーコ、あまり尚王を物欲しげな目で見つめるな・・・」

「な!?」
「も、も、物欲しげっ!?」

この気持ちはそうゆうのじゃなくて!確かに、我慢できない程の強い気持ち・・・なのだけど。

「あの、その、尚王様、もしお嫌でなければ・・・私に五枚目の翼に触らせて頂けませんか!?決して疚しい気持ちではなく、その、何と申し上げたらいいのか・・・」

あー!顔が赤いのが自分でも分かる!前王様が変な事を言うからっ!

「うが」

尚王様も私と同じように顔が赤い。

「・・・俺の翼はお前のモノだと思って触っていい。俺の翼はキョーコの体は自分のモノだと思っているみたいだし。俺達は、元々一つの体を分け合った双子の兄妹みたいなモノなんだから、遠慮はいらねぇ。」

彼が私と同じように思ってくれていたのが嬉しい。

「はい、じゃあ、尚王様・・・、じゃ・・・これより触らせて・・・頂きます」
「いちいち、前置きするな!あと、その敬語は止めてくれ。お前に尚王様なんて呼ばれると何だかむず痒い」

尚王の翼に触れると、とても気持ちが落ち着く・・・。心の奥からあったい物が溢れて、飢えが満たされていく。私はいつまでも、いつまでも、名残惜しく、翼を撫で続けていた。

***

「とんだブラコン&シスコンだな・・・」

前王の言葉に私達は顔を見合わせて笑ってしまう。

「えぇ!?ちょっと何それ!? ここまでしておいて、兄妹設定になっちゃうワケ!?蓮王なんかよりも、尚王の方がキョーコを幸せにしてくれそうじゃない!ちょっとキョーコ!アンタ、蓮妃なんか止めて、尚妃になっちゃいなさいよ!」

そういえばモー子さんは「誤解」してるんだっけ・・・

「アイツ・・・心狭いだろ?」

「そんな事、ないよ?きっと・・・時々ここに遊びに来たいって、私がちゃんとお願いすれば「いいよ」って言ってくれるはず・・・」

「信じられねぇ・・・」

「前蓮王様方、夕餉の支度ができました・・・え!?尚王様!?いつの間に!?」

下がってもらっていた茶房長が東屋に食事の事を知らせに来て・・・その時になって、初めて陽が殆ど沈みかけていた事に気付いた。私は随分と長い間・・・尚王の翼をうっとりとした表情で撫でていた、と、モー子さんに呆れ顔で教えてもらった。

それから皆で楽しく夕飯を食べて、尚王とモー子さんが、前王様の食べっぷりに同じ様に嫌な顔をしたのが、なんだかとても面白かった。

(本当に今日は長い一日だったけど・・・)

色々な事が本当に上手くいってよかった。後は蓮王様の事だけ・・・それだってきっと大丈夫。その夜、私は幸せな夢にゆらゆらと揺られていた。

***

翌朝、私達は四人でお茶を飲んでいた。今日も、茶碗は一つ多く。これは、これからやって来るであろう蓮王様の分。

「お!そろそろ手紙が蓮に届くころかと思ったが・・・流石に反応が早いな、来るぞ!」

前王様がチラリと北の方向に目を向ける。

「とりあえず、お茶と茶菓子は守らないといけないから、キョーコは・・・そうだな、柱の近くまで移動して貰えないかな?後は、打ち合わせ通りに」

私はこくりと頷く。

(やっぱり女優として演技の練習をしておいてよかった!蓮王様の事を知り尽くした前王様の指示だもの!上手くいかないはずがないわ!)

私がすばやく席を立ちあがって移動すると、一陣の烈風と共に・・・蓮王様が目の前に立っていた。

「キョーコ、呼ばれたから迎えに来たよ?」

下手をすると「最強大魔王=マジ怒りの蓮王様」が降臨して、大変な事が起こるかもしれない。蓮王様の気を鎮め、冷静に話し合いの席についてもらう・・・それが私の使命。

(蓮の奴は、キョーコの「迎えに来て」の一言に反応して、何も考えずにここに来るはずだから。空っぽでやってくる蓮の奴に「可愛いキョーコ」を詰め込んでやってくれ!まず「最初の台詞」だけ指示通りに言った後は、蓮の方から何か言い出すまで黙って抱きついているように。もしチャンスがあれば「蓮、大好き!」と言ってやってくれ!)

まずは・・・蓮王様の胸に飛び込むのよね?

「迎えに来てくれて嬉しい!蓮が私の勝手な行動に怒って迎えに来てくれないかと思った!ご、めんなさい・・・怒ってる?」

(ますは「最初の台詞」をちゃんと言ったわ!ここは、涙目!蓮王様が目を逸らすまで・・・ずっと涙目で見上げる!(ちょっとコワいけど))

すると、前王様が言うとおり、本当に蓮王様が目を逸らした!

(やった!)

「怒ってなんていないよ。むしろ、自分の不甲斐無さに腹を立てていただけで・・・」

「蓮、大好き・・・」

(あとは余計な事を言わずに黙ってるのよ!)

「しかし・・・まさか、本当に皆で、仲良くお茶を飲んでいるとは・・・ね。尚王も同席しているのは実に不愉快だ」

地の底を這うような低音ボイス。それでも、蓮王様の手がいきなり尚王に伸びなければこの小芝居は成功・・・のはず。

「蓮、まぁ、落ち着け。尚王は、キョーコの恩人だ。とりあえず座って俺の話を聞け。ここの茶は絶品だし、茶菓子も美味いぞ?」

「・・・」

不機嫌だけども、蓮王様が大人しく席についた!そうして、前王様が、これまでの経緯を不都合なところを上手く省きながら説明する。蓮王様は黙ったままそれに耳を傾けている。

(さすが・・・)

彼が黙ったままな以上、私も前王様の指示どおり、黙って蓮王様に巻きついていた。実はこの時、彼が私の予想とは全く別の事を考えていた事は・・・当然私には分らなかった。

***

SIDE REN

ずっと考えていた。

「俺は何を見逃しているのだろう?」

これは、もう確信。俺は何か大切な事が分かっていない。

キョーコに呼ばれて尚国まで駆けつけてみれば、

(迎えに来てくれて嬉しい!蓮が私の勝手な行動に怒って迎えに来てくれないかと思った!ご、めんなさい・・・怒ってる?)
(蓮、大好き・・・)

彼女から、俺の心を鷲掴みにする嬉しい言葉が贈られ、不安を抱えた俺に沁み込んでくる。

----完璧。そして理想的。

何をも見逃さないように注意していたからこそ、やっと気付いた。そう、彼女はいつも理想的な「蓮妃」だった。人間界で・・・プライベートでは、少し「迂闊」なところがあった「最上さん」。でも、「京子」として女優になると、その演技はいつも周囲の予想を超えた「理想の姿」を描き出す。彼女自身は信じていなかったけれど、彼女は将来を嘱望される女優だった。

----彼女は、理想的な「蓮妃」を演じている!

気付きたくは無かった衝撃の事実。でも、一旦可能性に気付いてしまえば、それ以外に考えられなかった。俺に本音を聞かせてほしい・・・いや、

----無理矢理にでも暴きたい

彼女がどこかに隠している「本心」。それを少しでも覗かせて貰えなければ俺はきっと壊れてしまう。たとえ、それが俺の望む答えでなくてもいい。だから、俺はキョーコに多少の罪悪感を感じつつも、それを実行することにした。

***

「迎えに来て頂けますか?」

その言葉通り、俺はキョーコを尚国から連れ出し、蓮国の王宮に戻ってきた。

「とりあえず、お茶でも飲もうか?さっきは、飲んだ気がしなかったから・・・」

そう言って、彼女を誘う。キョーコは尚王から「お土産」として、高山の特級茶葉を持たされていた。彼女が「いいですね」と、嬉しそうにお茶の入った缶を鞄から取り出して並べ始める。俺はその一つを取り上げて、

「ちょっとだけ待ってて?社に朝議の事で、一言だけ言ってくるから。先にお茶を飲んで待っていてくれてもいい」

そういいながら、そばに控えていた女官長にお茶を手渡した。

「キョーコのお茶に「側室」が飲む最も強い催淫剤を混ぜておいてくれ」

そう、密かに告げて。

----彼女の理性を突き崩してしまおう

そうすれば、俺に隠し事なんてできなくなる。どんな真実だって、受け止めてあげる・・・君を愛しているから。




キョコさん、逃げて(笑)
しかし、書いててはずかしーぞ。夜中じゃなきゃ書けません。こんな内容・・・

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プロフィール

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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