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蓮の翼(24)

馬鹿話の妄想が脳内で完了し(笑)一息つきました。後悔先に立たずは、蓮の翼が終了したら続けますよ~!


SIDE KANAE

「伝説の国王」呼ばれ、蓮国に比類なき善政を敷いていた前蓮王。

蓮王の仕打ちから蓮妃を庇うのは、正義がどこにあるかを考えれば明白で。蓮王を溺愛していても、真っ当な判断を下すのは流石だと思っていた。だから、尚王探しなんて本当は名目だけで、この旅の真の目的は、キョーコをあの「似非愛妃家」から離す事だと思っていた。

(だって、妙にハイテンションだったし・・・あればキョーコを慰める為にやっていたのかと。でも実は、本当に尚王を探していたなんて・・・)

「とりあえず、入口を開くから・・・」

そう言って、胸の前で蓮王様が手を合わせ、頭上に向かって両手を広げると、そこに人の顔程の大きさの黒い球体が現れた。

「いやっ、怖いっ!」

キョーコはそれを見るなり、青ざめて、私の腕に縋り、ぶるぶると震え出す。

「すまないね。キョーコには怖いだろう・・・これは外宇宙への入り口・・・黒卵が捨てられる場所への入り口だ」

前王様いわく、尚王の居所を探している内に、彼が翼人界に到着した痕跡すら無い事に気付いたのだと。そして、人間界に戻った気配も無い。そうなると消去法で、尚王は人間界と翼人界をつなぐ「時空の狭間」に続く外宇宙、そこに居るとしか考えられないのだと。

「尚王はきっとこの中にいる。蓮がキョーコを奪われまいと無意識に発した力に飛ばされて・・・」

外宇宙では、時間も空間も歪む、と聞いた事がある。一度入ってしまうと、自力で出てくる事は不可能な暗く冷たい場所。だからこそ「黒卵の捨て場所」になる訳だけれど・・・。

「どうか、尚王を呼んでやってくれキョーコ。尚王は、ここで、君の故郷で・・・もしかしたら何処にいても・・・人間界にいる君を想っていたはずだ。彼が君を呼んでいたこの場所から、キョーコが呼べば!彼はきっと応える!!」

そう言うと、なんと前王様がキョーコの前で土下座を始めた。キョーコは私の腕から慌てて離れ、前王様に寄り添う。

「何をしていらっしゃるんですか!!頭を上げてください!立って下さい!!!」

前王様が、さらに床に頭を擦り付ける勢いで、言葉を続ける。

「尚王がこのまま帰って来れなかったら・・・尚王は『失道』する。尚国が五枚翼の王を失えば、蓮も・・・無自覚だが「尚王殺し」の重罪で『失道』してしまうっ!キョーコには怖く、辛い思いをさせるかもしれないが、どうか蓮の為、蓮国の為にも、尚王を呼び戻してくれ!君にしかできないんだ!頼む!!」

(尚王捜索が・・・蓮王の命にまで関わっていたなんて!)

私は、自分が想像を超えた重大な場面に出くわしている事に目眩がした。

***

SIDE KYOKO

目の前の黒い球体。それが堪らなく恐ろしい。

相手は1ミリだって動いていない、それなのに、今にも私を飲み込んでしまいそうで・・・。直視することすら躊躇われ、顔を背けて目を閉じる。

「キョーコ、そっとでいい・・・触れてくれないか?」

前王さまの声は耳に届くけれど、目を開けることもできない。
私が尚王を見つけられなければ「蓮妃」を放棄するよりも悲しい事が起こる。それは頭では十分、分かった。

でも・・・あの暗闇は・・・まるで、私が過去に犯した罪の様。
私が黒卵だったということは、私は人間界で何か重い罪を犯し、翼が真っ黒く染まっていたはずで。ずっと、考えないようにしてたけど・・・心のどこかで ”この世界の為に自分を捨てて生きる事で、その罪が償えるんじゃないか?” 自分が、そう考えていたに気付かされる。

(きっと、アレに触ったら、私がどれだけ罪深かったか思い知ってしまう)

最初は、本当に、純粋に、母親や人間界の事が恋しかった。帰りたかった。でも今は。私が母親や人間界を想うのは、私は、人を愛する事も、愛される事も・・・許されていない罪人で・・・蓮王様と気持ちを通じ合わせる・・・そんな事など許されていないのだ、と、自分を戒める「枷」だった事に気付く。

私は・・・本当は外宇宙で自分の罪を永遠に懺悔し続けるはずだった。その罪を知るのが怖い!

(他の事なら何でもするから許してほしい)

そうして暫く黒球から目を背けていたけれど・・・徐々に緊張が解け、今更ながらに恐れる自分に自嘲する。

(私はコレに触れる以外、望まれている事などないのに・・・)

これに触れる事から本当の懺悔と償いが始まる。そう思い必死に気持ちを奮い立たせて目を開く。目の前には、尚王が私のためにいつも用意してくれていたというお茶。

(今度は私が貴方を呼んであげる)

そうして、私がやっとの想いで黒球に手を伸ばし、触れた時、

----それが、私の罪が赦された瞬間になった

***

SIDE REN

父親から、また手紙が届いた。それには、いつも一行、

『尚王捜索は順調だ。キョーコは元気だ、心配するな。 父』

としか書いていない。「俺と少し離れて考えたい事がある」そう、父が言った事を裏付けるかのように、キョーコからの手紙は無かった。

(俺は・・・キョーコの事で、何か見逃していたんだろうか?)

そう言えば、どうして啓国を目指していたのか・・・それも謎のままだった。でも、蓮国では前向きに暮らすキョーコ。俺を拒否するような言葉や態度が示される事など無かった・・・はずだ。

(キョーコは、少なくとも王宮に来てから、理想的な蓮妃だった・・・)

俺は、不必要なほどに素晴らしい自分の記憶力を駆使して、キョーコと交わした会話、その時の表情、その全てを過去に遡りながら思い出していた。

(何を見逃してしまったのか・・・)

何度記憶を反芻しても、答えは出ない。でも答えが出なければキョーコに会いに行ってはいけないような気がして・・・俺はただ悶々と悩む事しかできなかった。そんな中、また手紙が届いた。またいつものヤツか、既に俺をイラつかせる対象になりかけていたそれを開くと、

-----

キョーコと私の大活躍で尚王が見つかった!尚国の「高山茶房宮」まで来るように。美味しい茶を飲みながら待ってるから、急いで来なくてもいいぞ? 父

PS. よくキョーコを追いかけ回すのを我慢したな!流石だ!

心配をお掛けしました。私を迎えに来て頂けますか? キョーコ

-----

俺は、最後に付け加えられた一行に目が釘付けになった。

---- キョーコが俺を呼んでいる!!!




蓮王再登場なるも、未だ、再会ならず。

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プロフィール

Agren

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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