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蓮の翼(21)

今回はちょっと短め(いつもが長いんだって)

SIDE REN

「必死に探しても尚王の行方が杳として知れない」

尚王捜索の指揮を頼んでいた父親が帰国して俺に告げた。行動力・統率力・洞察力・・・どれをとっても蓮国で俺の次には優れている父が探しても見つけられないのなら、もう諦めた方が良いのかもしれない。別に、隠れていたいのなら好きなだけ隠れていればいい・・・。

「だから、キョーコに尚王捜索を手伝って貰おうと思っているのだが」

尚王捜索の打ち切りを考えていた俺は、言われた事を理解するのに一寸の時間を要してしまった。

「は?何を言い出すのかと思ったら・・・寝言、ですか?」

「本気だぞ?尚王は本来四枚翼で生まれる運命だったのが、キョーコの一翼を貰って五枚翼になったんだ。尚王とキョーコは縁があるから・・・きっと彼女が呼べば答える」

そう、それが尚王のヤツが無謀にも蓮国を敵に回してでもキョーコに執着する理由。

「じゃあ、もう探さなくて良いです」

最初は、キョーコが尚王に捕われているのかと思ってヤツを探し始めた。彼女が見つかってからは、動きを監視するつもりで探していたが、それもこれも、ヤツにキョーコを会わせないためで、態々キョーコに呼ばせるなんて本末転倒も良い所。尚王なんて、見つからなくてもいい。

「尚王が見つからないと、キョーコが泣くぞ?」

「・・・理由が無いですね」
(心の声が漏れたか?)

「このまま尚王が国政を放棄していたら『失道』・・・尚王は使役獣に喰われてしまうだろう。そして尚国は五枚翼の王を失い、また四枚翼の王の治世が始まる。そうなったらきっと、キョーコは『尚国の民の生活が苦しくなったのは自分が協力しなかったからだ』と責任を感じるはずだ」

(確かに、キョーコは行った事もない橋国の事にだって心を痛めている・・・・)

「・・・だからと言って、自業自得なのですから、もうほっておきましょう。大体、キョーコに尚王を見つけさせたら・・・ヤツはウチと「戦さ」になるかもしれないような事を、再びしでかしますよ!そしたら尚更キョーコが悲しむんじゃないですか?」

「ま、お前ならそうゆうと思ってな。実はこれは事後承諾だ。キョーコにはもう尚国に行って貰った」

「な!」

「まぁ、これは彼女の希望でもある。少しお前と離れて考えたい事があるそうだ」

***

SIDE KANAE

蓮国に来たキョーコ様は、公の場に出れば蓮妃として堂々とした理想的な立ち振舞いをし、後宮では周囲への気づかいを欠かさず、飾り気がなく前向きで明るい人柄を示された。誰もが蓮妃キョーコ様を好きになり、こぞってお世話を焼こうとしたけれど・・・当の本人が中々世話を焼かせてはくれない。

そんな中で、蓮妃様は私を愛称の「モー子」と呼び、私には「蓮妃様」ではなく「キョーコ様」と呼ぶように、と、特別に親しい態度を取られる。私は・・・クールを装い警護の仕事を粛々とこなしならが、内心は鼻高々で舞い上がっていた。そして昼夜問わずキョーコ様の警護を細心の注意を払って務める内に・・・気付いてしまった。

(蓮王がキョーコ様を密かに「虐待」している!)

啓国へ向かって一緒に旅している時には、不必要な程に明るかった「ルリコ」。こちらに来てから以前の明るさが少し陰ったような気になっていたけれど・・・謎が解けた。

(表面上はキョーコ様を掌中の玉の様に扱っておきながら!!)

私の中で蓮王に対する忠誠心がガラガラと音をたてて崩れた。だから、前蓮王様がキョーコ様を訪問された後、私が部屋に呼ばれ、

「奏江は、キョーコに「蓮王様よりもキョーコの方が大事!」と言い放ったと聞いたが、その言葉に二言は無いか?」

いきなりの質問に、息子である蓮王様を溺愛している前蓮王から叱責を食らうのかと思ったけれど・・・。その後ろで困ったような、でも少し期待するような表情のキョーコ様を見て、心は決まった。

「はい。その通りですが、何か?」

前王に向かって少し不遜な態度をとった。

「なら、話は早い。キョーコを少しの間、蓮から離そうと思うのだが、手伝いをお願いできるかね?」

私は、大喜びで前王の「お願い」に耳を傾けた。

***

SIDE REN

「キョーコ!」

父親の言葉がにわかに信じられず、後宮に飛び込んで彼女の名前を呼ぶ。

「キョーコ!何処にいる!?」

すると女官長がやってきて

「蓮王様、蓮妃様はちゃんと護衛の者を付けて・・・街にお出掛になられていますが?」

「奏江と連絡が取れるか!」

「大変です!蓮妃様と奏江様の姿が突然見えなくなりました!!」

キョーコと一緒に街に行ったはずの「蓮妃護衛隊」の一人が駆け込んできた。

***

踵を返して、父親を置き去りにした執務室に戻ると、その姿も見えなくなっていた。そこに

「ああ!先程父上が来て、これ渡してくれって」

そう言って、社から二通の手紙らしきものを手渡される。

-----

キョーコに嫌われたくなかったら、尚国まできてキョーコを追い掛け回したりせず、蓮国で大人しく政務に励むように。連絡はマメに入れるので、心配するな。尚王の事も全て私に任せておけ。 父

PS. しつこい男は嫌われるぞ。

-----

前王様のご厚意に甘えさせてもらいます。挨拶できなくてごめんなさい。前王様と奏江が付いていてくれますので、心配しないでください。 キョーコ

-----

あまりの事に、打ちのめされて膝を折ってしまった。

「お、お、おい!何が書いてあった!? 蓮!大丈夫か!?」

---- 父上といい、キョーコといい・・・一体、何が起こったんだ!?




ほんとにね。蓮様、かわいそう。

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プロフィール

Author:Agren
本家のストーリの進行のじれったさに、素敵な2次小説サイトを巡って熱を冷ましていましたが・・・とうとうを自分自身で妄想を開始しました。
2次は愚か、小説初挑戦です!



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